ケーススタディとは就職面接の際に志望者の思考力や考え方の柔軟性を試すために出題される問題の一種です。この記事ではケーススタディの例題と考え方のポイント、対策の進め方を解説します。
ケーススタディとは
ケーススタディとは、特定の状況や事例をもとに、様々な分析や解決策を検討していくことで、課題の背後に潜む法則や原理を探る研究手法です。元々は、大学院の授業や研究などで使われていた手法ですが、現在ではコンサルティングファームや投資銀行などの採用面接で使われることもあります。
ケーススタディを使った面接のことを「ケース面接」と呼ぶこともあります。
採用面接でケーススタディが使われる理由
ケーススタディを使用する目的は企業によってまちまちですが、共通しているのは、志望者の論理的思考力や考え方の柔軟性などを見ていることです。
例えば、コンサルティングファームには様々なクライアントから自社では解決できない問題が数多く寄せられます。
コンサルタントには依頼者の相談相手として、複雑な問題を正確に理解し、解決策を提示する能力が求められるため、面接を通じて志望者の論理的思考力や考え方の柔軟性を確認しておきたいという意図があります。
また、ケーススタディには志望者のコミュニケーション能力を確認する意図もあります。会話のキャッチボールをしていくなかで咄嗟の切り返しや言葉遣いを見ることで、クライアントのカウンターパートとして相応しいかを見られていることも押さえておきましょう。
ときには、面接官が仮説の間違いを次々に指摘していくことで、志望者の修正力や粘り強さを確かめることもあります。
ケーススタディの例題と回答例
ここからはLiigaのコロッセオで実際に出題されている問題を例に回答の仕方を解説します。
Liiga コロッセオ | 若手プロフェッショナルのキャリア支援
例題
現在日本は世界一の洋傘消費国です。
日本洋傘振興協議会によると、年間の洋傘消費量はおよそ1.3億本にも上り、その60%超がコンビニなどで購入できるビニール傘とのことです。この消費量を減らし、環境によいアンブレラライフを送るためにはどういった施策が考えられるでしょうか。
考え方の手順
一般的な施策提案のケースなので、「課題特定」と「施策提案」の2つのステップを踏みました。
「課題特定」に関しては、年齢などの属性ベースや要因ベースなどがありますが、今回は特定の属性に偏って問題が発生しているとは考えにくいので要因をベースにしています。
「施策提案」に関しては、要因をさらに細かい変数に分解して行くところからスタートしています。ただし、コントロール可能な変数を抽出した段階では、どの変数が一番効きそうなのかが判然としないので、それぞれについてイメージを膨らませながら施策を出し、その評価をすることで施策を決定しています。