アセットマネジメント業界へ転職を考えた時に、まずおさえたい基礎知識 仕事内容から待遇・やりがい・転職Tipsまで
2022/05/17

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金融業界への転職を考えている人なら、アセットマネジメント業界に興味を持つ人も多いでしょう。 しかし、アセットマネジメント業界での業務について、具体的なイメージが浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。 この記事では、アセットマネジメントの仕事内容、転職に有利な資格やスキル、やりがい、年収、企業など基本的な内容をご紹介していきます。



アセットマネジメントの仕事内容

まずは全体像を把握するため、アセットマネジメントのビジネス概要を説明します。その後、具体的な業務内容について見ていきましょう。

アセットマネジメントとは何か

アセットマネジメントは、顧客の資産管理・運用を代行し、運用資産から一定の手数料を徴収するストック型ビジネスです。業務形態は大きく下記の2つに分類されます。

「投資信託業務」 投資信託業務は、金融機関を通じて、投資家から預かった資産を代わりに管理・運用する業務です。投資先は株式、債券、不動産などさまざまです。

「投資顧問業務」 投資顧問業務は、投資家が資産運用する際に、その投資が適切であるかを見極め、助言する業務です。顧客は主に、金融業界、保険業界、年金基金などの機関投資家になります。単に助言するだけでなく、資産運用を一任される場合もあります。

それでは、実際に部門別の仕事内容について見ていきましょう。

1.営業部門

営業部門は、実際に顧客を獲得するために営業活動を行う部門です。 個人投資家への金融商品の販売は、金融機関を通じて行います。直接、金融機関を訪問して営業する場合や、販売担当者向けにセミナーを開く場合もあります。 営業部門の仕事は、顧客と関わる仕事なので、「クライアントサービス業務」とも呼ばれます。

2.運用部門

運用部門は、実際に預かった資産を運用する部門です。 企業によって多少違いがありますが、投資の最終判断をする「ファンドマネージャー」、投資判断に必要なデータを作成する「アナリスト」、実際に市場で取引をする「トレーダー」などのポジションがあります。

3.ミドル・バック部門

ミドル・バック部門には、ミドルオフィス業務とバックオフィス業務があります。 ミドルオフィス業務は営業部門のサポートやリスクマネジメント、ファンド管理などを行います。 バックオフィス業務は資産運用に伴う事務処理を行います。経理、人事、IT部門の仕事などもバック業務に分類されます。

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アセットマネジメント業界が求める人物像

転職先の業界に、適性があるかを知るのも重要なポイントです。アセットマネジメント業界が求める人物像を知ることで、面接の際に自分の強みをアピールできるでしょう。

1.相手の気持ちを考えられる、気を遣える人

顧客のニーズに合わせた金融商品の開発、相手が見やすい分析データの作成など、様々な場面で相手の立場に立った気遣いの精神が求められます。

2.金融分野の専門知識・実務経験が豊富な人

金融に関する専門的な知識は必須です。金融業界や保険会社で資産運用の業務経験がある人や、経営コンサルや財務分析等の業務を経験してきた人は、転職に有利と言えるでしょう。

3.高度なPCスキルがある人

営業先へのプレゼン資料、投資判断のためのデータ収集、ファンド管理等の事務仕事など、すべての部門でPCスキルは必須となります。

4.正確性や分析力を持つ人

投資の世界では、データが間違っていたら正しい投資判断も営業活動もできません。複雑な市場を正確に分析する力が求められます。

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アセットマネジメント業界に転職するために

転職にあたって資格やスキルがあれば、面接でアピールできます。また、業界のやりがいやキャリアパスを自分の熱意と絡めて話すこともできます。順に確認していきましょう。

必要な資格はあるのか

アセットマネジメント業界に必須の資格はありませんが、転職に有利になる資格をご紹介します。

「CMA(証券アナリスト)」 日本証券アナリスト協会が認定するアナリスト資格です。金融・投資の専門知識を持つことの証明になります。

「CFA」 米国の証券アナリストの資格です。試験は英語で行われ、アナリストの資格の中でも、特にステータスがあります。

「MBA」 日本語で「経営学修士」の称号です。一般には、米国のビジネススクールを修了すると授与されます。国内でも国内MBA、海外MBA日本版を取得できますが、権威があるのは米国で取得したMBAです。

「TOEIC」 海外勤務や海外資産運用、海外市場の分析などの業務を希望する場合は、TOEICを受けてみるのもよいでしょう。800点台後半を取れば、高い英語力を証明できます。

必要なスキル

アセットマネジメント業界で仕事をする上で、身につけておくべきスキルは下記の通りです。

「プレゼンスキル」 営業先を対象とするセミナーや、金融機関の担当者に金融商品について説明する際に、プレゼンスキルは必須と言えます。

「交渉スキル」 営業先に金融商品を販売してもらうためには、粘り強く交渉する場面があるので、高度な交渉スキルが求められます。

「コミュニケーションスキル」 社内外を問わず、人と関わって仕事をする以上、信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルは避けて通れません。

アセットマネージャーのやりがい

投資判断の結果が明確な数字となって表れるので、投資がうまくいった時の達成感は大きいです。自分の手腕が認められれば、顧客からも感謝されます。プレッシャーに耐えつつ、結果を生み出すことが好きな人は転職先としておすすめかもしれません。

アセットマネージャーのキャリアパス

キャリアパスは企業、人によって様々です。本人の希望やこれまでのキャリアに基づいて配属が決まることもあります。外資系や独立系の企業の場合は、部門異動がなく、1つの部門で育てていくという方針の企業も多いです。

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アセットマネジメント転職の実態

転職を決める際に、業界の求人数、将来性、年収なども気になると思います。以下で確認していきましょう。具体的な企業も合わせてご紹介します。

アセットマネジメント業界の求人数

市場は少しずつ増えていますが、求人数は多いとは言えません。金融業界で資産運用の業務経験がある場合は、転職に有利になります。また、アセットマネジメント業界間の転職は盛んです。

将来性

老後資金問題や国民全体の金融リテラシー向上により、投資によって資産を増やそうという動きは、個人や企業においても増えていくことが予想されるため、将来性があると言えます。

アセットマネジメント企業紹介

ここでは運用部門、営業部門、ミドル・バック部門の組織体制が整っていることの多い日系企業をご紹介します。日本で活動する外資系企業も多くありますが、国内には運用部門がなかったり、一部のスタッフのみで構成されている場合が多くあります。

◆三井住友DSアセットマネジメント 国内トップクラスの銀行系資産運用会社です。三井住友アセットマネジメントと大和住銀投信投資顧問が合併して出来た企業です。

◆野村アセットマネジメント 証券系資産運用会社です。日本を代表する資産運用会社ですが、世界各国でも資産運用ビジネスを展開しています。

◆東京海上アセットマネジメント 保険系資産運用会社です。大手保険会社の東海海上グループの資産運用会社として活躍する企業です。

まとめ

アセットマネジメント業界の市場は少しずつ拡大してきています。後悔しない転職をするために、入念な下調べをした上で、アセットマネジメント業界に興味が沸いたら、転職先の候補にしてみてはいかがでしょうか。

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コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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