“人”を起点としたトランスフォーメーションの時代へ
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アクセンチュアのビジネス コンサルティング本部において、人材・組織コンサルティングを行うTalent & Organization(T&O)。単純な人事変革だけでなく、デジタルテクノロジーを用いて経営課題にひもづいた抜本的な改革を推し進めることで知られている。
今回話を聞いたのは、T&Oの中でも公共サービス領域を主に担当する根本武氏と温馨氏。両人は自治体や教育機関をクライアントとし、国家レベルの課題解決に向き合っている。彼らが見据える日本の未来、そして重要性が高まり続けるT&Oのミッションについて話を聞いた。
※内容や肩書は2022年6月の記事公開当時のものです。
大きな転換期にある日本において、人や組織はどうあるべきか
――お二人はT&Oの中でも公共サービス系の案件をメインに担当しているとお聞きしました。どういったプロジェクトを推進しておられるのでしょうか?
根本:政府や自治体・教育機関を対象とした国家的なテーマに取り組んでおり、弊社では広義でサービス受益者を国民と捉えT&Oで担当をしています。日本は今、国としての大きな転換期を迎えている。その転換期を支えていくことが、アクセンチュアで公共サービス領域を支援するチームの使命感です。
そのため、どういう制度や仕組みを導入すれば、住民や国民の皆さまにより良い生活を提供できるかといったテーマに対して、主に人や組織の側面でアプローチしています。我々二人に関しては、私が教育機関の改革、温がスマートシティの領域をメインで担当しています。
その他にも、例えば「デジタル技術やデータを活用した業務・サービスがどうあるべきか」を職員の方々ご自身が考えられるようにする「デジタル人材の育成支援」なども我々のチームのカバー領域です。あらゆる形で国の転換期を乗り越えるための人や組織づくりを支援しています。
――国の転換期、というのはどういう意味でしょうか?
根本:いくつかの観点がありますが、まずは未来に向けて日本という国の競争力が担保できなくなっていること。少子高齢化が進んでいく中で、日本の国力をいかにして維持、向上していくか。人的リソースが減ることは確定しているわけですから、極限まで生産効率を上げなければなりません。そのために何をすべきかがまさに目下の命題であり、他国に追い抜かれている状況をどう巻き返すかというのが喫緊の課題です。
もう一つは、人々の価値観が抜本的に変わりつつあるということ。企業においても昨今「パーパス経営」と盛んに叫ばれていますが、これまでの資本主義経済のモデルはまず間違いなく変化していくでしょう。そうなったときに人や組織がどう対応していけばいいのか。その本質を考えてサポートすることも、今後20年から30年を見据えたときの大きなテーマだと考えています。
温:価値観の変化は確かに感じますね。私は中国出身ですが、日本に来て長いので非常に愛着を持っています。ただ、イギリスやノルウェーなどに留学した際、中国から来た学生と日本人を比較するとやはりハングリー精神が大きく違う。もちろんこれはどちらがいいという話ではないですし、マズローの欲求五段階説にもあるように、生理的欲求や安全欲求が満たされればより高い欲求として自己実現などを望むようになるのでしょう。
とはいえ先ほど根本が言った通り、国としての競争力を低下させるわけにもいきません。今後は、日本の国民性である協調性を生かしつつ、一人一人の生きる力や自主性、内側から湧き出る意欲を伸ばしていくことが重要なのではないでしょうか。

根本:このバランス感覚は本当に難しいところです。個人の価値観という意味でもそうですし、組織の在り方や方向性にも大きく関わってきます。例えば、企業がイノベーションを起こして新しい商品を生み出せば、経済効率もGDPも上がりますよね。一方でプロダクトライフサイクルが短くなると、サステナビリティやカーボンニュートラルといった観点からは逆行してしまうわけです。
目の前の利便性や利益を追求することが、100年後200年後の地球から見た時に正しい判断なのかどうかは、誰も答えを持っていません。日本の競争力を維持向上していく上でどこまでやるべきか。国や自治体と議論しながら最適なバランスを見つけ出していくことも、我々が持つ大切な役割の一つです。
クライアントの先にいる住民や国民、学生の幸せから逆算して、組織の未来を描き出す
――経済効率や組織の成長とサステナビリティの両立。非常に難しい課題ですね。
根本:難しいからこそ、私たちが介在する意義があるとも言えるでしょう。少なくとも我々のチームにおいては、目の前のお客さまである自治体や教育機関の組織を変革することはあくまで手段にすぎません。大切なのは、その先にいる住民や国民、学生の皆さんの未来をどうつくっていくかということ。そうしたゴールを見据えた上で、お客様の“人と組織のあるべき姿”を導き出し、実際の変革までサポートしています。
――公表できるプロジェクト事例などはありますか?
根本:私の担当領域である教育機関でいうと、ある大学の全学トランスフォーメーションです。民間企業の人材育成では、どういう人材がどの程度必要で、今どのくらいいるのか、将来に向けてどうやって戦略的に育成・獲得していくのかを、分析したデータを基にプランニングするのですが、そうした考え方を取り入れている学校は実はそこまで多くありません。
その大学も非常に崇高な教育理念を持っていますし、教育・研究ともに教職員の皆様が一丸となって推進しています。こうした思いやこれまでの成果を今まで以上に教育カリキュラムに反映し、より目指すべき理想に近づけていくことを目標に大学の皆様と協働しました。
まずは、「こういう学生を育てたい」という理想を要素分解して、レーダーチャートのような形で定義しなおすところからスタートしました。その上で、現状のカリキュラムでこの理想像に本当にたどり着くことができるのか、足りない部分があるとすればどのように変革すべきか、を慎重に検討し、改善の道筋を築きました。また教育プログラムを時代や社会のニーズを反映して常に変革していくことも重要であり、学内で継続的にモニタリングできる仕組みも整えています。
またこの大学はキャンパスが複数に分かれているため、上記と同時並行で全学横断のプラットフォームも立ち上げました。日々、経営層や主要な教職員の皆さんとディスカッションを繰り返していますが、道半ばであり、アクセンチュアとして価値を出さないといけないところはこれからもたくさんあります。
――まさにクライアントの先にいる学生たちの未来を見据えて組織変革を進める、T&Oならではのプロジェクトですね。温さんの担当事例はいかがでしょうか?
温:国内のいくつかの自治体とともに、スマートシティ化と地方創生をテーマとしたプロジェクトを進めています。ただし根本が申し上げた通り、テクノロジーやスマートシティ化というのは手段でしかありません。データやデジタル技術を活用しながら、住民一人一人にとって住みやすく心が豊かになる社会をつくっていくことが、私たちのミッションです。
アクセンチュアのスマートシティ案件は、3.11の震災後に会津若松市の復興を支援したところからスタートしています。被害を受けた町並みを元通りにすることを目指すのではなく、デジタルの力も使ってプラスアルファを生み出していく。当時私はまだ入社していませんでしたが、自治体や地域住民の皆さまと対等な会話やディスカッションを重ね、市民参加型のスマートシティモデルを描いていったと聞いています。
――具体的にはどんな取り組みを進めているのですか?
温:目指したい姿としては、デジタル技術やデータを活用して、住民の皆さんにとっては自分に合った地域の情報や生活に便利な各種サービスをニーズに合わせて活用できること。行政や事業者の皆さんにとっては、より良いサービスやイノベーティブな事業を業務負荷を下げながらクイックに提供でき、それぞれが利益を生みつつより豊かな社会を共に創れること。
分かりやすい例を挙げると、皆さんも経験があると思うのですが、自治体で何か申請するために住所や氏名を記入したのに、隣の窓口で手続きしようとするとまた同じ内容を書かなければいけない。デジタル化をすることで住民側のそういった不便をなくすと同時に、職員の方の負担も減らすことができます。また、同時に地域に関するさまざまなデータを集約していくことで、地域に関する“人のニーズ”や“街のニーズ”などをより客観的に推し量ることができるので、企業の誘致にもつなげられます。単純なデータの蓄積と統一だけでもこれだけ多くの効果を生むことができるのです。
また、住民にとってのメリットを強化するために地域ポータルも立ち上げています。地域の情報が集約されており、高齢者の方や子育て世帯向けなど、利用者の属性に合ったレコメンド情報を受け取れるサービスです。
民間企業だとターゲットとなるペルソナを設定しやすいですが、自治体は全市民、全国民が対象になるため、より多くの方に喜んでもらえるサービスを作っていくのはすごく難しいんですね。そこで、1つのプラットフォームで幅広いサービスを展開しつつ、個々人の目線に合ったパーソナルサービスを提供できる仕組みを整えています。
会津若松市で一定の成果を上げた結果として、現在は千葉県の市原市や山口県下関市などの自治体に近しいモデルを展開しています。スマートシティで何を目指したいかというビジョン作りからご一緒することもありますし、ある程度目標が見えている場合はデータ基盤の導入や各市に合ったサービスの企画をご支援しています。
未踏の地に踏み出すために必要なのは、誰よりも高い志と、能動的な行動力
――クライアントの先にいる“人”を第一に考えて組織の変革ストーリーを描く。非常に本質的な取り組みだと感じます。
根本:ありがとうございます。近年は公共サービス領域だけでなく民間企業でも、トランスフォーメーションの起点が“人”に変わってきていると感じますね。顧客満足度は一昔前から言われていましたが、現在のキーワードはエンゲージメント。その企業で働く人々がどれだけモチベーションを高く保てるのかを起点に戦略を組みにいくケースが増えています。
もちろん行政も、自分たちの生産性という観点を超えて、住民の便益を高めるために何ができるかを真剣に考えてトランスフォーメーションに向き合っている。今後ますますT&Oが中心となって力を発揮すべきプロジェクトが増えていくでしょう。
さらにいえば、いわゆる業界の壁や垣根がなくなってきているのは皆さんも感じているのではないでしょうか。だからこそ、人や組織という専門性をベースにいろんな業界の課題に対峙できるコンサルタントの必要性が高まっていくはずです。我々も今はたまたま教育やスマートシティを担当していますが、2年後にはまったく違うことをやっているかもしれません。ただ、そこには人や組織を起点に変革を考えていくという共通項があるわけです。
――これからますますT&Oの存在感が増していくわけですね。これから入社してくれる人にはどんなことを期待しますか?
温:こんな人がいたら嬉しいなと思うのは、自分の軸を持っていること。それに尽きますね。私たちはお客さまに未来を提案するわけですから、「こういう世界がいいんじゃないか」という自分自身の軸がなければ説得力がなくなってしまいます。
たとえ間違っていたとしても構いませんし、そもそも価値観に正解はありません。こんな未来に向けて、こういうやり方でやっていきたいという軸や想いがあることが、第一条件です。コンサルティングスキルについてもたくさん求められますが、まず軸があって、パッションを持って仕事に取り組むことができれば、スキルは後から付いてくると思っています。
根本:たしかにパッションは必要です。欲をいえば、「冷静と情熱のあいだ」にいてほしい(笑)。パッションは情熱で、冷静というのはロジカルさです。税金や学費を使ってプロジェクトを進めるわけですから、説明責任を果たすためにも論理性は欠かせません。一方で、そこに情熱がなければその変革は間違いなく止まってしまいます。パッションとロジックを兼ね備えてうまく使い分けられる人は、コンサルタントとして強いですね。
もう少し付け加えるなら、高い志と能動的なスタンスを持っていることも重要です。我々の仕事は、誰もやったことのないところに道をつくること。つまり未踏に踏み込んでいくことです。もちろんそれには誰しも恐怖心が出るものですが、それはお客さまも同じ。だからこそ我々自身が高い志を持っていないと信頼してもらえないですし、能動的に行動しなければ道をつくることはできません。
まだ誰も知らない未来に向かって、一歩目を共に踏み出したいという方はぜひご応募ください。