非公開求人とは、一般には公開されていない求人のことを指します。ここでは、企業が求人を非公開にしている理由と、非公開求人の特徴、非公開求人の探し方をご紹介します。
非公開求人とは
非公開求人とは、「転職サイトに掲載されていない」など一般には公開されていない求人です。また業務内容など概要は載っていても、企業名は伏せられているというケースもあります。
こうした非公開求人を持っているのは、「転職エージェント」と呼ばれる人たちです。転職エージェントは企業から求人の詳細を聞き、条件が合う求職者にだけ求人について伝えます。求職者がその求人に興味を持った場合は、エージェントが職務経歴書などを預かり企業に提出してくれます。
エージェントは企業の採用担当者と直接やり取りすることも多いため、求人内容だけでなく社風や求める人物像も理解しています。そのため応募先を探すときにも心強いパートナーです。
Q&A 非公開求人ってたくさんあるの?
「非公開」「転職エージェント」という言葉から、非公開求人を「ヘッドハンティングのようなトップレベルの人向け」と思っている人がいますが、そんなことはありません。未経験可や第二新卒の未公開求人もあります。
求人件数も多く、扱う求人の半数以上が非公開求人という転職エージェントも珍しくありません。万単位の非公開求人を持っている大手の転職エージェントもいれば、業界特化型など特定の求人に詳しいエージェントもいます。

そのため「自分向けの非公開求人はないだろう」と決めつけることなく、まずは連絡してみましょう。
Q&A 公開求人がない会社にも入社のチャンスはある?
企業の中には、採用業務効率化のために公開求人をゼロにしているところもあります。また企業と独自の関係を築いていて、大手の転職サイトやエージェントよりも先に求人情報を持っている転職エージェントもいます。
そのため公開求人がない会社に応募してみたい場合、その業界や職種に強い転職エージェントを活用するのがおすすめです。
Liigaでも、様々な転職エージェントを紹介しています。コンサル、金融、経営、マネジメントなど高い専門性が持つエージェントが揃っており、利用者による口コミもあるので自分に合った転職エージェントを見つけることができます。
求人を非公開にする3つの理由
「採用したいのなら求人を公開するはず」「なぜ非公開に」と不審に思われることも多い非公開求人ですが、企業が非公開求人にするのには以下のような理由があります。
理由1 応募が殺到するので採用業務の負担を減らしたい
多くの応募があると、書類選考やその結果通知だけでも大変な作業です。特に誰でも応募できる公開求人の場合、全く条件に合わない人からも応募があるため、企業にとっては大きな負担になるのです。
その点、非公開求人にしておけば、転職エージェント経由での応募になるため、条件が合う人だけを紹介してもらうことができます。また問い合わせ対応も任せることができます。
応募が殺到しやすい企業の代表は、知名度や人気がある企業です。そのため非公開求人の中には、こうした誰もが知るような有名企業・人気企業の求人も含まれています。
理由2 すぐにでも採用したいのでサイトの準備ができない
「すぐにでも採用したい」と思っている、採用を急いでいる企業や採用意欲が高い企業も、非公開求人を利用することが多いです。採用サイトや転職サイトに求人を掲載するには、求人票だけでなく、会社紹介や写真も必要になります。会社のアピールのために、インタビュー原稿が求められることも珍しくありません。
その点、転職エージェントなら求人票だけで採用活動を始めることができます。そのためスピード感を重視する企業、すぐにでも採用したいという採用意欲が高い企業は、非公開求人を活用することが多いです。
理由3 重要なポジションだから競合他社に見られたくない
求人を公開すると、「新たにこんな事業に取り組む」「この領域を重点課題として捉えて」といった企業の指針が他社にも見えてしまいます。だからこそ新規事業開発、極秘プロジェクト、重要なポストの求人は公開しない企業も多いです。
例えばLiigaでは、以下のような非公開求人がありました。
- 近く主力事業の担当者が退職予定なので、その後任を探していた
- 日本に参入予定のグローバル企業が、発表前から社員を探していた
- 新規市場参入を予定しており、その分野の経験者を探していた
こうした求人の場合、条件に合った人にだけ社名や詳細が明かされる非公開求人が使われます。そのため転職エージェントを使って非公開求人を紹介してもらえば、会社にとって重要なプロジェクトに携われる可能性もあります。
なおLiigaでは一部の求人について、社名は非公開にしつつも、求人概要は広く誰でも見られるように公開しています。「いきなり転職エージェントに連絡するのはハードルが高い」という人は、まずはLiigaの求人をチェックしてみてください。
公開求人と非公開求人の特徴・違い
公開求人と非公開求人は、求人が見られる場所も、閲覧方法も、また倍率も異なります。またそれに伴い、それぞれに以下のようなメリット・デメリットもあります。
公開求人 | 非公開求人 | |
---|---|---|
求人情報の 掲載場所 |
・企業ホームページ ・転職サイト ・ハローワーク |
・転職エージェント |
閲覧方法 | サイトなどにアクセス | 転職エージェントに登録 |
求人の倍率 | 高め | 低め |
メリット | ・サービス登録なしに閲覧可能 ・自分で応募可能 |
・ハイレベル求人や極秘プロジェクトも ・応募条件が具体的に分かる ・書類や面接対策のサポートも |
デメリット | ・大量採用の求人が多い ・採用基準などが分かりにくい ・自分に合った仕事が探しにくい |
・サービス登録などが必要 ・エージェントと電話や面談が必要なことも ・条件を満たさないと求人応募ができない |
非公開求人のメリット
非公開求人の中には、非公開だからこそ見つかる求人もあります。採用の手間を減らしたいと考えている人気企業、会社の今後を左右する重要でハイレベルな求人などは、非公開求人でないと見つからないことも多いです。
また転職エージェントを介して応募するからこそ、企業が求める人材像、応募条件、仕事の具体的なイメージ、社風なども聞くことができます。また応募する時には、書類や面接のサポートがしてもらえることも多いです。
非公開求人のデメリット
一般的な転職エージェントの場合、非公開求人を紹介してもらうためには、転職サービスへの登録や職務経歴書の提出が必要です。(※Liigaでは登録しなくても閲覧できる、社名のみ非公開の求人検索もご用意しています)
また転職エージェントは応募者だけでなく企業の視点も持っているため、企業の募集条件に全く合わない場合などは、求職者の希望条件を満たす求人であっても紹介してもらえないことがあります。
非公開求人が向いている人・向いていない人
公開求人と非公開求人のどちらが合っているかは、転職活動の進み具合や経験によっても異なります。非公開求人が向いている人、向いていない人はそれぞれ以下の通りです。
【向いている人】
- やりたい仕事が明確な人
- 経験やスキルを活かした転職をしたい人
- 書類や面接などのサポートが欲しい人
【向いていない人】
- まずはどんな求人があるのかイメージ作りがしたい人
- 自分で求人を検索し、自由に求人に応募したい人
- エージェントと対面や電話で話すのが面倒な人
非公開求人は「やりたいことが明確」「経験やキャリアを活かしたい」など、一定以上のキャリアがある人に向いています。
しかし転職エージェントは、自分の過去の経歴やできることの整理も手伝ってくれ、また書類や面接対策のサポートもしてもらえるため、初めて転職をする人にも有難い存在です。
転職活動を始めたばかりという人は、まずは公開求人を見てイメージ作りをしましょう。ある程度イメージがつかめたところで、非公開求人を探すために転職エージェントを利用すると更に選択肢が広がります。
Liigaなら「企業名まで書かれた公開求人」「転職エージェント経由の非公開求人」だけでなく、その中間のような「企業名は伏せられているけど仕事内容や待遇が分かる求人検索」も用意しています。転職のイメージ作り、非公開求人検索、転職エージェント探しまで幅広くサポートしています。
非公開求人と転職エージェントの探し方
非公開求人は、転職エージェントに紹介してもらい応募するのが一般的です。転職エージェント選びから非公開求人への応募までは、以下のように進めます。
- 自分に合った転職エージェントを探す
- 転職エージェントサービスに登録する
- エージェントに履歴書、経歴書、気になっている企業・仕事の情報を共有する
- エージェントから非公開求人をいくつか紹介してもらう
- 応募、求人内容の不明点の確認、面接の日程調整などはエージェント経由で行う
自分に合った転職エージェントを探すには、求人件数や知名度だけでなく、得意な業種・職種に注目すると良いでしょう。また自分と同じような経歴を持った人だと、求人紹介にとどまらないアドバイスがもらえることもあります。
転職エージェントにも様々なタイプがいますので、以下の記事も参考にしながら、自分に合った人を選んでください。
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