約10億円の投資をリードした歴戦のVCが分析する、M&Aクラウドの魅力とは
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M&Aクラウドの躍進が止まらない。オンライン上で「売りたい企業」と「買いたい企業」をマッチングするプラットフォーム事業を皮切りに、2021年にはM&Aアドバイザリー事業をMACAP(M&A Cloud Advisory Partners)としてブランド化。2022年11月にスタートした「資金調達クラウド」も、企業からの引き合いが後を絶たない。
そうした急成長を資金面で支えているのが、STRIVE株式会社をリードインベスターとして2021年10月に実施した、約10億円の資金調達だ。STRIVEのインベストメントマネージャーである四方智之氏は、M&Aクラウドの取締役としても参画している。四方氏と、M&AクラウドのCFOを務める村上祐也氏のお二人に、資金調達の背景や今後の成長戦略について話を聞いた。
※内容や肩書は2022年12月の記事公開当時のものです
社会貢献性と他に類を見ないビジネスモデル。そしてチームメンバーの持つ熱量が投資の決め手
――貴社では2021年10月に、STRIVEさんをリードインベスターとして約10億円を資金調達しておられます。その背景や狙いについて教えてください。
村上:当社はM&Aのプラットフォームとアドバイザリーという2つの事業を運営しており、おかげさまで順調に業績も伸びてきています。この成長をさらにドライブさせるために、追加の資金調達を検討していました。
M&Aマーケットのポテンシャルやその中での当社のポジショニング、成長性、ボードメンバーの人間性やチーム力、プロダクトの強みなどを多くの投資家さんと議論させていただいて、最終的にSTRIVEさんにリードインベスターになっていただいたという経緯です。
我々がSTRIVEさんを選んだ理由は、単なる出資者ではなくパートナーとして参画していただけると感じたこと。M&Aクラウドのミッションにも共感していただき、その達成に向けて「一緒に走っていきましょう」と言ってくださったのが、ここにいる四方さんです。我々としても、成長してお金だけをリターンで返すのではなく、共に未来を創っていく関係性を築けるのが理想だと考えていました。
――なるほど。調達した資金はどういったことに投資していく予定なのでしょうか?
村上:特にフォーカスしているのはマーケティングと人材採用です。すでに、他企業でCMO(Chief Marketing Officer)やCDO(Chief Design Officer)として実績を残した人材を採用できていますし、この1年で40数人だった社員が70人近い規模にまで成長しています。CMOは、STRIVEさんからのご紹介で参画してくださった方ですね。まさにパートナーとして、人材面・採用面でもかなり手厚くサポートいただいています。
マーケティングについても、テレビCMを打ったりデジタルマーケティングを強化したり。先日は大手町駅の地下一帯に、アドバイザリー事業部の採用に関する大きな広告も出しました。最近は、新しくお会いした方もかなりの割合でM&Aクラウドを知ってくださっている印象です。
もう一つ大きなポイントとしては、2022年の11月に「資金調達クラウド」という新しいサービスもローンチしました。「事業会社から資金と事業シナジーを調達する」というコンセプトで、出資したい企業と資金調達したい企業をつなぐサービスです。
我々自身も資金調達したからこそ迅速に新事業を開発できたわけですが、ローンチからわずか2日で1カ月の登録目標を突破する勢いです。人材、マーケティング、新プロダクトと、思い描いていた通りの成長を実現できています。
――ありがとうございます。一方でSTRIVEさんとしては、なぜM&Aクラウドに投資することを決めたのでしょうか?
四方:我々が出資の有無を決める際は、主に「事業」と「チーム」という2つの観点から分析します。事業についても社会的意義とビジネスモデルの両側面がありますが、まず、M&Aの件数を増やすことは日本経済全体にとって非常にポジティブなインパクトがあると判断しました。スタートアップのエコシステムを拡充するために不可欠な要素ですし、大企業にとっても新たな事業価値を生み出せる可能性があります。
ビジネスモデルもユニークですよね。従来のM&A仲介は人的ネットワークで成り立っているので、仕組みとして参入障壁をつくることが難しい。しかしM&Aクラウドは、ネット上にプラットフォームを作り上げており、この点でまず先行者メリットがあります。近年立ち上げたアドバイザリー事業も、プラットフォームだけでは取りこぼしていた案件を取っていくことができますし、非常に良い相乗効果が生まれています。
チームの方でいくと、村上さんやCOOの前川さんと初めてお会いした時に、「時価総額10兆円企業を目指す」と熱量高くおっしゃっていたのが印象的です。1千億円、つまりユニコーン企業を目指すという会社は多いのですが、10兆円という目標は初めて聞きました。しかもそれを本気で言っていることが伝わってきて、この大きな山を一緒に登りたいと思わされましたね。
IT、M&A、スタートアップという、全ての要素が成長産業
――四方さんは現在取締役としてもM&Aクラウドに参画されていますが、外から見ていた時とのギャップなどはありましたか?
四方:チームやカルチャーに対するギャップはありませんでしたし、M&Aの成約数も順調に伸びているので、そこについてはイメージ通りです。サプライズだったのは、先ほど村上さんがおっしゃった「資金調達クラウド」のニーズが想定以上だったこと。ここからさらに伸ばせる余地もありますし、我々の投資仮説からさらに上乗せされる部分かなと思っています。
――非常に順調な成長カーブを描いているということですね。
四方:おっしゃる通りです。日本政府としてもスタートアップ企業を増やす方針を打ち出していますが、そういった時代の波をうまく捉えていることも、M&Aクラウドが成長している要因の一つだと思います。人材の数も質も向上し、経営の意思決定や施策を打つスピードも上がっていますね。
――これまで数多くのスタートアップを支援してきた四方さんから見て、伸びるスタートアップの共通項などがあれば教えてください。
四方:投資家にせよ働き手にせよ、人を引き付ける力があることは重要ですね。例えば似たようなビジネスをやっている会社が複数あったとして、結局どこが勝つかというと、やはり人や資金といったリソースを多く集められた会社が伸びていきます。
私自身M&Aクラウドに投資したいと思わされましたし、この1年で社員数が約1.5倍になっているところを見ても、やはりこの会社はチームとして人を引き付ける力が高いと感じます。
――会社が人を引き付けるには何が必要なのでしょうか?
四方:これもやはり、先ほど申し上げた事業とチームだと思います。事業面でいうと、成長市場であることも大切ですよね。M&Aクラウドは、ITを活用したM&Aビジネスを推進していて、主な対象はスタートアップ企業です。IT、M&A、スタートアップ、この3つは全て伸びていますから、そこに魅力を感じている人もきっと多いでしょう。
チームとしては、CEOの及川さんはよく「気合い」というワードも使いますが、いい意味での真剣さが候補者に伝わっているのではないでしょうか。
――M&Aクラウドが人を引き付ける理由について、村上さんはどう思いますか?
村上:やはり気合いでしょう(笑)。これは単なる冗談でもなくて、本気で仕事や人生に向き合っているからこそ、共感してくれる人も増えるのではないでしょうか。逆に我々がSTRIVEさんを選ばせてもらったのも、四方さんが気合いの入っている人だということが一つの大きな理由です。さきほど言ったように「同じ方向に向かって走ってくれるだろう」と強く感じました。
そしてこれは、採用でも同じだと思っています。どれだけスキルが高くて優秀な方でも、向いている方向が真逆なら我々は絶対に採用しません。前提として、M&A業界に革命を起こすとか、時価総額10兆円企業を目指すというビジョンをしっかり咀嚼(そしゃく)して、同じ目標に向かってくれる人を求めています。私たちの真剣さが伝わって、同じ熱量で生きていきたいと思ってもらえたなら、とてもうれしいですね。
知的好奇心とプロフェッショナリズムを持った人なら、キャリアの可能性は無限大
――熱量や真剣さ以外で、これから入社してくれる方に求めるポイントはありますか?
村上:長期的には我々も事業承継領域のM&A、つまり高齢経営者の後継ぎがいないという社会課題にも向き合っていくつもりですが、まずはスタートアップ領域に集中して成長していく戦略です。そうすると、相対する経営者は若い方が多いんですね。なので彼らと同じ目線を持ち、しっかりとコミュニケーションを取れることが大切です。
60代70代の経営者から信頼を得るのと、20代30代の若い経営者から信頼を得るのとでは、必要なスキルセットは異なります。例えばSaaSビジネスやDtoC、インフルエンサー、Vチューバ―、NFTといったビジネスやテクノロジーのトレンドを感度高く情報収集し、自分なりに理解してコミュニケーションする能力。知的好奇心や理解力、自分なりに言語化する力を求めたいですね。
――四方さんはどんな人がM&Aクラウドに合うと思いますか?
四方:まずはやはり、スタートアップが好きな人。世の中がどう変化していくのか、大企業とスタートアップが組むことでどんなイノベーションが生まれるのか。そういったところに興味を持っている方には最適な環境だと思います。
あとは先ほどの気合いや本気度という言葉にもつながりますが、自分自身の責任の下に「やり切る力」を持っていることも大切です。プロフェッショナリズムと言い換えてもいいかもしれません。アドバイザリー事業は特に、経営者と相対する仕事なので、そういった素養は必須です。知的好奇心とプロフェッショナリズムを持っている方なら、非常に市場価値の高い人材に成長することができるでしょう。
――例えばどんなキャリアを描ける可能性がありますか?
四方:他のスタートアップでCFOやCxOとして活躍する道はとても現実的で目に浮かびますね。あとは、STRIVEのようなベンチャーキャピタル(VC)というキャリアもあり得るでしょう。わりと隣接する領域なので、M&A支援から投資会社への転身も今後出てくるのではないでしょうか。
村上:四方さんがおっしゃったように、IT×M&A×スタートアップという成長産業に身を置くことは、自己成長にとっても非常に重要です。もちろん当社自身も成長していますし、伸び盛りのスタートアップの経営者と仕事をすることも、今後のキャリア形成には効いてくるでしょう。
いろんな経営者にお会いして、いろんなビジネスやテクノロジーを間近で見られる環境は、なかなか他にはないと思います。もちろん当社で長く働いてくれればうれしいですが、VCに行くとか自分で起業するとか、多くの選択肢の中からキャリアを決めていくことができるはずです。
――今後のキャリアを真剣に考えている読者の方に、メッセージをお願いします。
四方:私自身4年ほど前に大企業からスタートアップ領域に転職をして、正直未知の世界というか、ブラックボックスの中に飛び込んだような印象もありました。「どうなるかは分からないけれど面白そうだ」という直感に従って転職を決めたわけですが、結果的にはそれが大正解だったと思っています。
そもそもスタートアップは「未来が分からない状況で意思決定する」ことが非常に多い世界です。そういう選択を楽しめる人にはぜひ、M&Aクラウドをはじめとしたスタートアップを選択肢に入れてほしいですね。転職がネガティブに捉えられる時代ではありませんから、もし合わなければ次にいけばいい。何社か試してみて、最終的に自分に合う環境を見つけられれば、それが一番幸せなのではないでしょうか。
村上:同じく、とりあえずチャレンジしてほしい。その一言に尽きます。私も元は大企業にいて、2社目でスタートアップに来ましたが、転職に後悔したことは一度もありません。それは自信を持って言えます。むしろあのまま大企業にいたら、成長は鈍化していたかもしれないとさえ感じます。
やはり大手企業はレールもしっかり敷かれていて、決められたことを正確に進めることで評価される。しかしスタートアップはカオスな環境で、その分自分で考えて自分で手を動かさなければいけません。だからこそ自分に地力が付くんですよね。やるべきことを自分で見つけて、その上で結果を出すという大変さと面白さ。ぜひこれを多くの優秀な方に味わってほしいと思っています。