AI・データ領域のプロフェッショナルという生き方。―コンサルティング会社と事業会社の違いに迫る―
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Chapter 1:AI・データに関わる3つの職種
一口にデータ領域のプロフェッショナルといっても、そこにはさまざまな役割が存在する。必ずしもこの分け方が正解というわけではないし、相互に乗り入れながらチームとして動くことが多いのも事実だが、大きく分けると以下の3つのカテゴリーに大別することができるだろう。「AI・データ領域のプロフェッショナルとして生きていきたい」という方は、まずは自分がどの職種を目指すのかを明確にイメージするといいのではないだろうか。
データ利活用プランナー(コンサルタント) データを活用したビジネスの高度化や新事業の企画・設計を担うポジション。クライアントや経営陣が思い描いているビジネスの実現に向けて、何が課題になっているのか、課題解決のためにはどんなデータが必要なのか。「ビジネス全体」と「データ利活用」の両側面で深い知見が求められる。今まで見えていなかったポイントが可視化され、既存事業や新規事業に反映されるところが大きなやりがい。データで世の中を変えていきたい、新しい仕組みや仕掛けを作っていきたいという人にお勧め。
データエンジニア(AIエンジニア) データ分析を行うための基盤整備、分析環境の構築と運用・改善を担当する。プランナーやコンサルタントとともに動くことも多い。企業の課題解決、サービスやマーケティングの進化、事業グロースにおけるデータ利活用を支える重要な役割。膨大なデータや複数の基盤が乱立している状況を整理して、適切なアーキテクチャを構築していく。数字の海の中に飛び込んで、着実に基盤を整える論理的思考力や技術力、誠実さが必要とされる。
データサイエンティスト エンジニアが構築した基盤をもとに、実際にデータを分析する役割。事業数値、商品・サービスの活用履歴、Web行動履歴といった構造データ、さらに画像・動画・テキストといった非構造データも併せて分析し、事業成長に有益な示唆を出す。機械学習などの知見や技術力がベースとなるが、企業によってはビジネスの観点も持ち合わせた上での提案まで求められることもある。自分は分析までに集中したいのか、それとも変革の提案まで担いたいのか。転職先企業を検討する際には、そうした部分もポイントになるだろう。

Chapter 2:コンサルティングファーム・システム会社と、事業会社の違い
現在、この領域のプロフェッショナルには、大きく二通りの生き方がある。一つは、非事業会社であるコンサルティングファームやシステム会社に所属し、複数のクライアントに対してデータやAIを活用した業務効率化・サービス開発などを支援する生き方。そしてもう一つが、大量のデータを所有している事業会社で自社サービスの開発や成長にコミットする生き方だ。もちろんそれぞれに特徴があり、一概にどちらが良い、悪いという話ではない。自分自身の志向や実現したいキャリアに合わせて、最適な道を選ぶことが重要だろう。
コンサルティングファーム・システム会社 〇 ・データ利活用の戦略立案や仕組みの構築に集中して、幅広い業界に携わることができる ・【コンサル】外部環境調査や課題抽出のノウハウを習熟しやすく、特定のスキルをスピーディーに高められる ・【システム】最新のテクノロジーや知見に触れる機会が多く、自身の知的欲求を満たしやすい
△ ・基本的には提案するところまででプロジェクトが終わるので、実際の変革までやりきれない ・個人情報や機密情報の観点から、本質的なデータに触れられないというケースもある
事業会社 〇 ・提案して終わりではなく、企業やサービスが変革を遂げるまでやり切る醍醐味(だいごみ)を味わえる ・社内に存在するあらゆる情報にアクセスできるので、データの利活用に制限がない ・サービスやミッションに共感できる企業を選べば、自分にとっても社会にとっても意義のある仕事に打ち込める
△ ・責任を持ってやり遂げることが必要なため、地道で泥臭い作業が求められる場面もある ・選び方を間違えると、事業そのものがなくなったり、自分の興味が薄れたりするリスクがある
Chapter 3:ベネッセコーポレーションのケーススタディー
ベネッセとAIがどう関連するのかイメージが付かないという人も多いかもしれない。しかし、妊娠・出産支援から幼児教育、受験支援、ペットや生活に関わるサービス、介護領域までをカバーする同社には、「顧客の人生に関わるあらゆるデータ」が集約されている。つまり、AIを用いたデータ分析・利活用を推進するための最適な土壌が整っているということだ。
多くのエンドユーザーを抱える事業会社は他にも存在するが、純粋なデータ量とその奥深さにおいて、非常に突出した存在だと言えるだろう。ベネッセでは、AIを駆使してどのようなサービスを実現しているのか。アナリティクス・エンジニアリングの両面で同社のデータ利活用を推進している中野修平氏に話を聞いた。
※内容や肩書は2023年3月の記事公開当時のものです
――これまでのキャリアと、ベネッセに転職することを決めた理由をお聞かせください。
私は特定の事業にあまりこだわりはなく、「自身の経験やスキルで事業にどう貢献できるか」、「この仕事を通じてどんなスキルが得られるか」といった考え方で働いていることが多いのですが、ベネッセは多様な事業とデータを持っている会社なので私の志向には合っているなと感じています。
――コンサルティングファームと事業会社の違いはどんなところだと思いますか?
――ベネッセで取り組んでいるAI・データ利活用の取り組みについて教えてください。
――中野さんご自身はどんなプロジェクトに携わっているのでしょうか?
ご入居者さまのQOL向上、現場負荷低減の両観点から育成は必須なのですが、1つの解決策として機械学習を使ったソリューションを導入しています。具体的には、熟練者の知見・観点を教師データとした機械学習モデルを構築することで、経験が浅い介護職でも熟練者に近い判断ができるようにシステムがサポートしています。
私の担当は、機械学習に必要なインプットデータを収集・蓄積・加工するための仕組みを構築することと、実際にそれらのデータから認知症や体調変化につながるご入居者さまの変化を検知するモデル構築。また、ご入居者さまの変化に応じてケア方針を提案するシステムの開発も推進しています。
――基盤構築はエンジニアリング領域で、実際にデータを分析するのはデータサイエンティストの領域だと思うのですが、両方担当されたのですか?
もちろん技術者として、どこかの領域に特化した強みを持っておくことは大切です。しかし自分の可能性を自分で限定するのではなく、隣の領域にも積極的に関与したり、コラボレーションしたりする姿勢が求められる会社だと思います。
――なるほど。すでにそのサービスはリリースされているのでしょうか。
リリース後も、外部とのアライアンスを強化して新たなデータを収集するなど、より多くの介護職にサービスを使ってもらえるよう、機械学習基盤のスケーリングに取り組んでいます。
――ありがとうございます。最後に、ベネッセのAI・データ利活用領域で求める人物像についてお聞かせください。
一方で、ベネッセのような事業会社では、自身のエンジニアリング・分析の結果が事業にどう影響を与えるのかまで、責任を持って担当できます。それらの結果を見ながら、切り口を変えた分析を行いサービスを改善していく、といったサイクルをスピーディーに回せることがいいところだと考えています。
なので、ベネッセのサービスに興味を持って事業成長に貢献したいとか、データ利活用に関する幅広い知見を身に付けたいという方に来ていただけるとうれしいですね。現時点で高いスキルを持っている方はもちろん歓迎しますが、そうでなくても大丈夫です。それよりも、足りない部分は主体的に学ぶ姿勢や、他領域のメンバーとコラボレーションする力の方が大切だと思っています。
自分自身の強みを磨きつつ、データ利活用やビジネス全体について学びたいという方はぜひご応募ください。