プロの伴走で想像以上の未来をつかむ。BCGの元面接官が、あなたの可能性を引き出していく
2025/07/02

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自身も未経験から戦略コンサルへの転職を勝ち取り、BCGでは面接官も務めた佐藤龍広氏。転職をゴールではなく通過点と捉え、長期的なキャリア形成を重視する姿勢が評判を呼び、2025年度のLPA(Liiga Professional Agent)を受賞した。

企業側・候補者側の双方を深く理解し、単なる情報提供にとどまらない伴走型の支援を特徴とする佐藤氏は、転職活動における目標設定や戦略構築、面接対策まで徹底的に支援している。そうした伴走型のサポートは、あなたの可能性を広げ、新たなステージへと踏み出す大きな一歩になるだろう。


〈Profile〉
佐藤龍広(さとう・たつひろ)
プロフェッショナルエージェンツ・代表キャリアパートナー。早稲田大学大学院修了後、日本コカ・コーラ株式会社に入社し、新規ブランドの立ち上げや製品企画・マーケティングプラン立案に従事。その後ボストン コンサルティング グループに入社し、プロジェクトリーダーとして通信・メディア等領域において、新規事業の戦略立案・実行支援などに従事。中途採用の面接官や社内研修講師も担当。

※内容や肩書は2025年7月の記事公開当時のものです。

未経験からBCGへ。運命を変えたエージェントとの出会い

――佐藤さんのこれまでの経歴と、エージェント業を始めるに至った経緯を教えてください。

佐藤:私自身のキャリアを振り返ると、最初は日本コカ・コーラで約6年、マーケティング領域を担当していました。コカ・コーラのマーケティングは「アートとサイエンスの融合」だという話を聞いて、数字(サイエンス)だけでは割り切れないブランドの魅力(アート)の部分が面白そうだと思ったことが入社動機です。幸運にも新しいブランドの立ち上げに携わることもできましたし、事業をどう成長させていくかという視点を身に付けられたのも良かったですね。

ただ、やっていくうちに自分としては一つのブランドの在り方にこだわるよりも、事業全体のポートフォリオや戦略を俯瞰して考える方が向いているなと感じるようになりました。新卒の時には落ちてしまった戦略コンサルティングファームにもう一度挑戦したい。そう考えて、転職活動をスタートしました。

その時にお世話になったエージェントさんとの出会いが、私自身もその後エージェントに転身する一つのきっかけになっています。

――それはどういうことでしょうか。

佐藤:結果的にBCG(ボストン コンサルティング グループ)に入社することになったのですが、転職活動を始めた頃はまさか未経験の自分がBCGの内定を取れるなんて思ってなかったんですよ。しかしエージェントさんが転職戦略を一緒に考えてくれて、面接対策や志望動機の整理も丁寧にサポートしてくれたおかげで内定が出た。自分でも想定していなかった道を開いてもらったわけです。

この体験から「エージェントの力は大きい」ことを実感し、BCGを離れる時にプロフェッショナルエージェンツを立ち上げる原動力になりました。

――なるほど。BCGではどのような経験を積んだのでしょうか。コンサルを離れようと決めた理由と併せて聞かせてください。

佐藤:BCGには7年間在籍しました。今振り返っても本当に素晴らしい環境で、大きな成長機会を得ることができたと思います。さまざまなプロジェクトを担当し、キャリアの後半ではプロジェクトリーダーも務めました。

離れた理由はいくつかありますが、一つはファームの中でメンバーを育成する立場になり、その役割にやりがいを感じたことが大きいですね。コンサルティングファームはキャリア形成においても非常に有用ですし、もっと多くの人にコンサル業界の可能性を体感してほしいと考えたことが、エージェントを立ち上げるきっかけになりました。

それと、これもBCGでの経験から得た気付きですが、「何をやるか」と同じぐらい「誰とやるか」も重視していました。今の会社もBCGの同期が立ち上げていて、彼と一緒にチャレンジする道を選んだという背景です。

「何をやるか」については、もちろん人材エージェントなわけですが、BCGで面接官をしていた経験が強く影響しています。採用する側の視点を持って転職希望者に実践的なアドバイスができれば、それは強みになるだろうと考えました。実際に候補者の思考力や人柄を見極めていく過程で、「こういうタイプはコンサルと相性がいい」とか、逆に「この人はもっと可能性があるのに伝わらなくてもったいないな」と感じることも多かったので。

――差し支えない範囲で、戦略ファームの面接官が見ている点を教えてください。

佐藤:あくまでも私個人の考えですが、究極的には一緒に働きたいかどうかに尽きます。なぜかと言うと、戦略コンサルは“答えのない課題”に対してチームで立ち向かう仕事だからです。もちろんインテレクチュアルな能力やコミュニケーション力も必須ではありますが、それ以上に、柔軟に周囲の意見を取り入れながら建設的に議論を進める力が求められます。最終的には、面接官自身が「この人となら新しい価値を生み出せそうだ」と思えるかどうかが合否を左右すると思います。

「なぜ」を徹底的に突き詰めるトレーニングが、本番で光る思考力を育む

――具体的にどのようなサポートを提供しているのでしょうか。

佐藤:転職は本当に大きな人生の転機です。だからこそ、候補者のキャリアを長期的に見据えてサポートすることを最も大切にしています。特に重視しているのは次の3点ですね。

1:現状とゴールを一緒に整理する なぜ転職したいのか、今後どうなっていきたいのかを深く掘り下げるところから始めます。コンサルっぽく言うと「ゴールを定義する」作業ですね。このプロセスを丁寧にやることで、志望動機やアピールポイントが明確になりますし、転職後のキャリアビジョンもクリアになります。

2:最適な転職戦略を考える シンプルな例を挙げれば、複数のファームを受ける場合はどういう順番で応募するのかも考える必要があります。準備不足のまま勢いで本命を受けて落ちてしまうのはもったいないですよね。各ファームや企業の特性、面接の進め方も考慮して、候補者と二人三脚で計画を組み立てていきます。

3:付け焼き刃ではなく本質的な思考力を高める 特に戦略ファームの場合、ただ模範解答を暗記しても意味がありません。ビジネスの本質を捉える力が試されますから、それに対応できるだけのトレーニングは不可欠です。実はそのために有効なのが、「自分自身を論理的に語る」練習をすること。「なぜ、なぜ」を繰り返して事実を掘り下げていくことで、背景を読み解く力や、ポイントを絞って相手に分かりやすくプレゼンするスキルを磨くことができます。これは、コンサルタントとしての脳の使い方にかなり近いですね。

――そうすると一人の候補者に対してかなり時間をかけることになりそうですね。

佐藤:かける時間も内容も、人によって異なります。大切なのは、本質的に評価されるポイントを押さえ、個々人に合わせた的確な指導を行うことです。実際の選考が始まれば、事前の準備に加えて振り返り面談も重点的に行いますね。面接の中でどう考えて何を答えたのかを聞きながら、「もう少しここを具体化するといいのでは?」とアドバイスしていく。数カ月間PDCAを回すことで、内容も話し方もどんどん磨き込まれていきます。

ただ、これは最初に皆さんに伝えているのですが、転職活動は例えるなら山登りのようなものです。私たちは道具の準備や正しい方向に向かっているかを確認することはできますが、実際に山を登るのは皆さん自身です。

そういう意味では、最も重要なのは候補者本人の真摯(しんし)な姿勢と努力ではないでしょうか。頑張る人は私たちも全力でサポートしますが、そうでない人を無理やり引き上げることはできません。やはり最大のポイントは、本人の心構えの部分だと思います。

企業目線と候補者目線を併せ持ち、長期的なキャリア形成を支援する

――エージェントとして大切にしている価値観や考え方はありますか。

佐藤:長期的に候補者が活躍できるかどうかという視点を大切にして、企業とのマッチングを図っています。

エージェント業界は、候補者を企業に送り込んで採用が決まればお金が入るというビジネスモデルです。その弊害として、表面的な情報だけで強引に応募させたり、しっかりとした対策をせずに放り込んだりするケースもあると聞きます。その結果、実は受かる可能性があった企業に準備不足で落ちてしまうのは、あまりにももったいない。

エージェントは候補者と企業の間に立つ存在で、「候補者がベストなキャリアを築く」「企業が欲しい人材を獲得して活躍してもらう」という双方をサポートするのが本来の役割です。候補者と企業がウィンウィンになって初めて、そこに価値が生まれるわけです。私たち自身がそうした姿勢を貫くことで、業界全体がもっと健全になっていけばうれしいですね。

――今後のビジョンを教えてください。

佐藤:私自身が戦略ファーム出身なので、現在は「戦略ファームを目指したい」という人から多く相談を受けています。もちろん今後もそこはしっかりとサポートしていくつもりです。ただ、転職活動で重視すべきポイントである“ゴールの設定”や“転職戦略”、そして“本質的な思考力の養成”は、総合ファームやITファーム、さらには事業会社への転職でも変わりません。今後はこの強みを生かして、さらに多くの人のキャリア形成を総合的にサポートしていきたいですね。

キャリアの志向や適性は人それぞれで、必ずしもコンサルティングファームがベストな選択肢とは限りません。日本コカ・コーラで事業を学び、BCGで幅広い業界や案件を見てきたからこそ、「コンサルに行きたい」という人が本当に向いているのかどうか、実は事業会社で力を発揮するタイプではないかという点も、見極めることができると思っています。

――ありがとうございます。最後に、転職を考えている人たちへのメッセージをお願いします。

佐藤:転職は人生の大きな節目です。私自身も「BCGは受からないだろう」と思っていたのに、しっかり準備をして挑戦した結果、想像以上に大きな可能性をつかむことができました。だからこそ、皆さんにもまずは一歩踏み出してほしい。

ただし、勢いに任せて動くのではなく、「自分のゴールは何なのか」「3年後、5年後にどうなっていたいのか」を真剣に考えるところから始めてください。その上で、一人では判断しづらい部分や戦略の立て方、面接対策などは、ぜひプロに頼ってほしいと思います。私たちは“あなた自身がより深く自分を理解し、成長できるサポート”を心掛けています。転職は最終目的ではなく、その後のキャリアをより充実させるための通過点。可能性を諦めず、一緒に切り開いていきましょう。

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
外資就活ネクストは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。
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