―日本のモノづくりを再起動する― A.T. カーニーのPERLabが掲げる壮大な挑戦
sponsored by A.T. カーニー

日本企業の製造現場は、戦略だけでは変わり切れない現実に直面している。技術力があっても、市場の変化やグローバルな競争に追随できず、価値創造の機会を逃す例は少なくない。そこで必要なのは、戦略とエンジニアリングを融合し、製品の在り方からサプライチェーンに至るまで踏み込む実行型の支援である。A.T. カーニー(グローバル・ブランド名はKEARNEY)の「PERLab(パーラボ、プロダクト・エクセレンス・アンド・リニューアル・ラボ)」は、リバースエンジニアリングやセンチメントアナリシスといった手法を駆使し、クライアント企業の徹底改革をグローバル規模で伴走するチームだ。報告書を納品して終わるのではなく、設計変更の社内合意形成、製造や物流まで一貫した業務変更、サプライヤーの再選定や交渉など、“目に見える成果”を実現するために“最後の一歩”まで共に走り抜く。日本のモノづくりを再興し、世界で勝てる製品を生み出すための挑戦が、ここから始まっている。
※内容や肩書は2025年10月の記事公開当時のものです。
戦略コンサルの常識を超えるPERLabの誕生。“実行重視”を貫く理由とその背景とは
――PERLabを立ち上げた背景や、ミッション(存在意義)について聞かせてください。
濱口:PERLabが立ち上がったのは約10年前ですが、実はその前から「リバースエンジニアリング」などの手法を通じて、クライアント企業の製品を部品や材料レベルで分析し、競争力の強化やコスト最適化を支援する取り組みは行っていました。
背景としては、2010年代に入り、新興国メーカーの台頭や先進国メーカーの方向転換など、製造業を取り巻く環境が激変したことが挙げられます。さらに、2020年代に入って、戦争紛争・パンデミック・気候変動による供給不安など、サプライチェーンのリスクが高まりました。加えて、コストプッシュ型のインフレーションも企業の利益をむしばむようになっています。そこで、A.T. カーニーのコアである「戦略×オペレーションズ」の知見と、機械・電子・化学など幅広い領域の製品専門性をグローバル規模で結集し、より踏み込んだ支援を提供する必要が出てきたのです。
当社は1920年代の創業当初から“目に見える成果(Tangible Results)”を重視してきました。戦略提案にとどまらず、エンジニアリングレベルでの根本的な変革を伴走型で支援すること。これこそがPERLabのミッションであり、当社の組織DNAとも完全に合致しています。
中川:PERLabのミッションは、まさに“製品の在り方を変える”ことで企業の競争力を根本から再生させる点にあります。リバースエンジニアリングを活用して、コスト構造を分析するところまでなら他にもできるファームはあるでしょう。しかしわれわれは、そこから設計コンセプトを変更したり、調達戦略を見直したり、または一つ一つの製品単位ではなく全体的な製品ポートフォリオの見直しを行うことで、実際に利益を生み出すところまで伴走します。
サプライチェーンの構築や設計変更の社内合意形成、サプライヤー交渉など、“最後の一歩”まで伴走し、クライアントと一緒に成果を出す。その総合力がPERLabの存在意義です。
柳井:私はトヨタ自動車で燃料電池車の開発をしていましたが、技術力だけでなく、ビジネスや市場を大きく動かす視点を身に付けたいと思い、A.T. カーニーに入社しました。PERLabは、製品の構造を細部から見直すエンジニアリング能力と、経営戦略・市場洞察力を有機的に結び付けた組織です。単なる原価削減やCO2削減だけでなく、「これから売れる・必要とされる製品」を共に設計し直すことが最終ゴール。そのためにグローバルの知見を集約する点こそ、PERLabの役割だと考えています。
リバースエンジニアリングの先へ。コスト削減と市場拡大を同時に実現するPERLabの強み
――具体的にはどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
濱口:PERLabのサービスは、製品を部品レベルで分解(ティアダウン)するリバースエンジニアリングが分かりやすい例ですが、それだけでは終わりません。Design to Value(消費者の知覚価値を高める設計)、Design to Cost(部品・製法からのコスト最適化)、Design to Speed(市場投入までのスピード最優先設計)、Design to Sustainability(サステナビリティ視点での設計)など、製品設計を多角的に見直すアプローチを提供しています。
また、製品設計に関する変革は非常に手間がかかるので、クライアント社内ではどうしても「やらない方向」に圧力がかかることもあります。そういうときは、論理だけでなく、ステークホルダー個々人の心情にまで踏み込んで合意形成を支援していきます。組織力学を注意深く観察して、効果的な作用点を探り出すわけです。社内外のステークホルダーと協働しながら、実行フェーズまで伴走することがPERLabの大きな特徴です。
中川:サービスの範囲は非常に広く、サプライヤー探索や交渉、製造拠点の海外移転支援、さらには海外市場のニーズに合わせた仕様変更の検討なども行います。ただ提案書を納品して終わりではなく、本当に利益創出や品質向上が実現するまで責任を持ってフォローする。そこが他ファームとの大きな違いだと感じています。
柳井:PERLabではメカニカルだけでなく、電気・化学・ソフトウェア・包材領域の専門家や、データサイエンティスト、戦略コンサルタントが一体となってチームを組んでいます。例えば、ある製品の材料分析を行う際、欧州の化粧品開発の専門家や、インドの素材調達のプロと連携するケースも珍しくありません。PERLabはシカゴやドイツ(シュツットガルト、ハンブルク)、上海、バンガロールなど世界各地に拠点を持ち、技術面・地域特性の両方で総合的なサポートを行える点も強みです。
――プロジェクト事例について、可能な範囲で具体的に教えてください。
中川:特徴的なのは、アミューズメント機器を製造する企業の支援です。国内生産だけでは関税や調達コスト、世界各国への供給効率の面で不利になりがちなので、海外でのサプライチェーン構築をゼロから一緒に進めていきました。現地サプライヤーの候補選定と折衝、海外拠点で製造するための製品スペック変更など、社内外の複雑なステークホルダーを巻き込んで伴走する形です。時間がかかるプロジェクトなのでまだ道半ばですが、最終的には現地生産を実現し、先進国と新興国の両方に対し迅速な供給をする体制が整うはずです。
――この事例にもティアダウンやリバースエンジニアリングは使われているのでしょうか。
濱口:はい、活用しています。海外での現地生産に切り替える際は、部品や材料レベルの分析を通じて「本当に現地で作れるのか」「どうすればコストを削減しても顧客価値を損なわないか」を見極めなければなりません。日本では当たり前に手に入る部品でも、現地では同等品が手に入らないケースもあります。徹底的な比較と検証が不可欠ですね。
――コストやスピードは分かりやすいのですが、「顧客価値」の部分はどうやって判断するのですか。
濱口:方法はいくつかありますが、特徴的なのは「センチメントアナリシス」、いわゆる感情分析です。SNSやECサイトのレビュー、あるいは独自の調査で収集した消費者の声といった“非構造化データ”を高度な解析技術で処理し、ポジティブ・ネガティブの心理ベクトルや具体的な意見の傾向を探ります。
また、最終的に意思決定を下すのは人間ですから、当社では業界ごとの専門チームと連携して、「実際にどういう顧客ニーズの変化が起きているのか」を生の知見からも検証します。いわばAIとHI(ヒューマンインテリジェンス)の組み合わせで、消費者が本当に望む価値を具体的な製品仕様に落とし込む。それによって、コストダウンやスピード強化だけでなく、「ブランド価値を上げるための差別化」を同時に実現しています。
エンジニアリングと経営が交わる最前線で、成果にコミットする醍醐味(だいごみ)
――この仕事のやりがいはどんなところだと思いますか。
柳井:私がエンジニアとして面白いと感じたのは、製品をバラして競合他社製品と比較検討するときです。例えば自動車であれば、部品の重量やコスト構成、マージン構造を事細かに洗い出し、「なぜ競合はここをこんなに軽量化できているのか?」といった点を徹底的に見極めます。その上で、これまでの設計者が気付かなかったアイデアや、新しい素材・サプライヤーを引っ張ってくる。こういう具体的な比較材料があると、社内の合意形成もスムーズです。まさに“製品の在り方を変える”支援だと実感します。
中川:PERLabでの仕事は、立てた戦略を机上の空論で終わらせないことも特徴です。クライアントサイドは経営陣からエンジニア、調達部門まで巻き込みながら、当社内もコンサルタントとエンジニアのクロスファンクションなチームで、目に見える成果の創出まで支援します。コンサルタントだけ、エンジニアだけでは出せない価値を提供しつつ、変革のダイナミズムを肌で感じられる点が魅力だと思っています。
――逆に難しいと感じる点があれば聞かせてください。
中川:やはり設計の見直しは、クライアント側のエンジニアの“こだわり”に踏み込むことになるので、抵抗感が生まれることも少なくありません。論理的に正しい提案をしても、そこに至る過程や言い方を誤ると「今までの仕事を否定された」と捉えられる場合があります。そのため、ステークホルダーが何を大事にしているかを丹念に把握して、共感を得ながら進めるコミュニケーション能力が必要になります。
柳井:個人的には「技術に深く入り込む」ことと「経営や市場の目線を併せ持つ」ことの両立に難しさと面白さがあると感じています。技術的にはベストでも、市場投入のタイミングを逃すとビジネス上は失敗しかねません。バランス感覚を持ちながら成果を出し続けるのはチャレンジングですが、そこが面白さでもあります。
――今後のマーケットの変化と、そうした状況でPERLabの担うべき役割や重要性をどのように考えていますか。
濱口:ここ数年で特に感じるのは、サステナビリティ領域の重要性です。サステナビリティや脱炭素が世界的な潮流になる中、これまでの日本企業のような「コストがかさむけど仕方なくやる」程度の意識では、海外勢に後れを取るでしょう。実際に欧米のメーカーはサステナビリティを競争優位の源泉と捉え、投資を加速させています。日本の消費者意識も徐々に変わってきているので、ここでスピード感を持って製品設計やサプライチェーンを変革できるかが勝負です。
A.T. カーニーはグローバルな知見を生かしながら、製造の具体的な現場へ落とし込む力を持っています。PERLabはまさに双方をつなぐ“架け橋”として機能し、日本企業が新たな価値を創造し続けるために重要な役割を担っていくと考えています。
中川:アジアや新興国の企業がどんどん力をつけています。日本企業が優位性を保つには、従来のプロセスや発想を根底からアップデートする必要があります。ただし、その際に「日本ならではの強み」を見失ってしまっては本末転倒です。PERLabは海外の最新事情を取り込みつつ、日本の職人的な品質重視の文化をどう生かせるかを模索しています。そうした“グローバル×ローカル”のハイブリッドを支援できるのが当社の強みであり、これからますます重要になると実感しています。
子供のような探求心と、誠実な姿勢を武器に。未知を恐れず、共に未来を切り開こう
――求める人物像について教えてください。
柳井:エンジニアリングのバックグラウンドがある人はもちろん大歓迎ですが、必ずしもそれだけが条件ではありません。技術に関心があり、製品を分解して「ここはどうしてこういう設計なんだろう?」と突き詰める探究心がある人なら十分に活躍できるはずです。モノづくりのプロセスを幅広く勉強するのが好きな人なら、きっとフィットするでしょう。
中川:子供の頃に時計やおもちゃを分解したことがある人は、きっと多いと思います。そうした好奇心を大人になっても持ち続けている人なら、絶対に成長できますよね。
柳井:本当にそうですね。
中川:もう一つ付け加えると、技術の世界にとどまらず、市場や経営、サステナビリティの観点でも柔軟に考えられるスタンスを持っていてほしいと思います。ぜひ、あらゆる領域に好奇心を発揮してください。
濱口:2人の意見に賛成です。念のために補足するなら「genuineness(真摯さ、誠実さ)」を大切にできる人であってほしい。モノを分解すると、設計者の意図が見える部分と、なぜかふに落ちない部分が混在します。その違和感を見過ごさず、最後まで探究する姿勢がPERLabでは大きな価値を生みます。
A.T. カーニーにはチームとして補完し合いながら、互いの“尖った個”を存分に生かし合う組織風土があるので、ぜひ「強い興味やこだわり」を持った人に挑戦してほしいですね。
――今後のキャリアを検討中の皆さんにメッセージをお願いします。
柳井:私自身、「日本のモノづくりが落ちていくのは嫌だ」という思いがあり、エンジニアのバックグラウンドを生かしつつビジネスの変革に携われる場としてPERLabを選びました。同じ気持ちを持つ人は多いと思います。世界に打って出る製品を生み出し、もう一度日本を盛り上げていきたい。その意欲がある人は、ぜひ一緒に挑戦しましょう。
中川:モノづくりへの情熱と専門的な知見を持ちながら、その枠を超えて会社全体を動かしていく気概のある人を歓迎します。もし、今の職場で自分の影響力に限界を感じているなら、PERLabという場所は本当にお勧めです。専門性を武器に、経営やコンサルティングの領域まで手を伸ばし、仲間と補完し合いながら変革を生み出していく、そんな環境がここにはあります。
濱口:最後に伝えたいのは、キャリアは「頭」で考えるだけでなく、「腹の底から感じる違和感やワクワク感」を大事にしてほしいということです。自分が「本当はこういうモノを作ってみたい」「このままでは嫌だ」といった思いがあれば、PERLabはそのエネルギーを形に変えられる場所です。自社だけでは実現しづらいアイデアでも、グローバルな専門家と連携することで大きな成果に結び付けられる。そんな自由度の高いチームで、一緒に未来をつくり上げていきましょう。
