問いを立て、共に考える 現場で磨いた“巻き込み型”コンサルのリアル
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社内人材のスキルセットに応じてアサインされることが一般的なコンサルティング業界で、コロニーは、課題を起点にチームを組成する「オーケストラ型」という支援体制が目を引く。Expertグループのディレクターとして活躍する深谷崇氏は「今の自分にない視点を得られるかどうか」を軸に、立場や業界の垣根を越えてキャリアを築いてきたという。
深谷氏がコロニーで担っている役割、顧客との向き合い方、そして育成や組織づくりへの思いを聞くとともに、彼の「正解のない世界」に飛び込む覚悟とそこに挑むコンサルタントとしての視座から、キャリア選択のヒントも探る。
※内容や肩書は2025年10月の記事公開当時のものです。
「今の自分にない視点」を求め続けたキャリアの軌跡
──これまでのキャリアについて聞かせてください。
深谷:新卒でジェトロニクス(現・NTTデータルウィーブ)に入社し、約13年にわたって金融系のシステム開発に従事していました。特に、外国為替や事務集中系のシステム領域に関わることが多かったです。
SEから始まり、PLやPMといったポジションも経験し、設計からリリースまで一通り携わったことで、現場の感覚や顧客との信頼関係の築き方を習得できたと思います。その後、より広い視点でシステムを見たいという思いから日本IBMに転職し、グローバルなプロジェクトやマネジメントの進め方を学びました。その上で、与えられた仕様の下で開発を進めるというスタイルから、「そもそも何を作るべきか」といった上流の議論にも関わってみたいと思ったのです。
──その後はどのような道を歩んだのでしょうか。
深谷:日本IBMからコンサルティングファームに転職し、初めて「コンサルタント」としての働き方を経験しました。構想策定や業務プロセスの改善といった領域にも携わることができ、自分の提案が顧客の意思決定に影響を与えるという感覚は新鮮でした。
ただ、SAP関連の案件が多かったため、特定分野に偏ってしまうのではなくさらに幅広い視点を得たいと思いました。技術的な知見をアップデートしたいと考え、再びSIerに戻ることにしました。
そこでは開発だけでなく、提案活動やチーム立ち上げ、体制構築といったマネジメントにも関与することができました。営業担当者と一緒に顧客に向けた提案作成や、プロジェクト全体の設計に関われたのは貴重な経験ですね。

──さまざまな立場や環境を経験してきた中で、何をキャリアの軸にしていましたか。
深谷:一貫して「今の自分にない視点を得られるかどうか」を軸にしてきました。業界や職種にこだわるよりも、常に新しいチャレンジがある環境に身を置くことで、自分の成長を促してきた感覚があります。
コロニーに入社を決めたのも、自分にない視点を得て成長できると感じたからです。特にコロニーはそれまで経験してきた大企業と異なり、小規模な組織ならではの挑戦ができると期待していました。
なぜコロニーは顧客から選ばれるのか? 「オーケストラ型支援」の本質
──現在の業務についても聞かせてください。
深谷:現在は「Expertグループ」という組織に所属し、主に要件定義やRFPの作成、ベンダーとの調整、プロジェクトマネジメントなど、実行フェーズの支援を中心に担当しています。
ただし、案件によって役割は柔軟に変わり、戦略フェーズや構想策定といった上流工程にも関わることがありますし、自らの提案を起点にプロジェクトを立ち上げることもあります。あらかじめ決まった業務の枠組みがあるのではなく、「今この案件に何が必要か」をベースに、立ち位置を変えながら動かなければなりません。
──そうした働き方の中で、どのようなやりがいを感じていますか。
深谷:自分の提案や行動がダイレクトにプロジェクトの流れを動かす点に、とてもやりがいを感じます。コロニーでは、手を挙げれば未経験の領域であっても「やってみてください」と任せてもらえる環境があります。それはただ自由度が高いというだけでなく、自分自身が「この案件の成功にどう貢献できるか」を常に考える責任感にもつながります。
顧客との距離が近く、抽象度の高い議論から現場の課題までを一貫して扱えるため、「点」ではなく「面」で価値を提供している実感を得られるのです。大企業では、どうしても担当領域が限定され、商流の関係で直接顧客と話せないことも少なくありません。しかし、コロニーではそうした制約がなく、自分の視点や言葉がそのまま顧客の意思決定に影響を与えることもあり、その責任と面白さを日々感じています。
──顧客からは、どのような点を評価されていると感じますか。
深谷:「一緒に考えてくれるパートナーだ」といった声をよくもらいます。私たちは、最初から明確な答えを提示するというより、顧客自身が気付いていなかった本質的な課題を引き出しながら、「どうすれば解決できるか」を共に模索していきます。特に評価されるのは、課題の言語化やステークホルダー間の認識をそろえるといった、目に見えにくい部分の丁寧さだと思います。
例えば、RFP一つとっても、「何を導入するか」よりも「なぜそれが必要なのか」「それによって何を変えたいのか」といった背景から整理します。こうしたアプローチを通じて、最終的に顧客自身が自信を持って意思決定できる状態をつくる。それが、われわれの提供価値であり、信頼につながっているのだと感じています。

──顧客からコロニーが選ばれる理由についても聞かせてください。
深谷:一つは、課題を起点にチームを組成する「オーケストラ型」という仕組みです。コンサルティングファームでは、社内にいる人材のスキルセットに応じてアサインされるケースが一般的です。一方でコロニーでは「この課題に本当に必要なリソースは何か?」からスタートした上で、社内外問わず適任者をそろえて、最適なチームをつくります。
また、「戦略だけ」「PMだけ」といった部分的な支援ではなく、構想・設計・導入・定着化までを一気通貫で伴走できるのも強みだと思います。そのおかげで、「相談相手として長く付き合える」「次のフェーズでもお願いしたい」との声ももらえており、単発で終わらない関係性が築けていると感じます。
「答えを出す」より「一緒に考える」。信頼を築くコンサルマインドとは
──コンサルタントとして働く上で、特に重要だと感じている考え方を聞かせてください。
深谷:意識しているのは「巻き込む力」です。コンサルティングはよく「正解のない世界」と言われますが、まさにその通り。あらかじめ決まった答えを持っているわけではありません。だからこそ、自分たちの中で仮説を持ちながらも、顧客や関係者の意見を取り入れ、対話を通じて最適解を共に探っていく必要があります。
SIerでは「仕様に基づいてどう作るか」が主眼になりますが、コンサルティングファームでは「何をやるべきか」から考える必要があります。自由度が高い一方で、自分で考え抜く力や、周囲を「巻き込む力」が問われます。単に「構想を描く」だけでなく、そこに関わる人たちを納得させ、動かしていく必要があるのです。それこそが「コンサルマインド」だと思います。
──「巻き込む力」や「コンサルマインド」は、どのようにして身に付けてきたのでしょうか。
深谷:SIerでの経験が長かったため、私も最初はなかなかうまくいきませんでした。資料の構成や提案のロジックは本を読めばある程度学べますが、それだけでは足りません。現場で実際にやってみて、「これだと伝わらないな」「相手の立場で考え切れていなかったな」と反省しながら、少しずつ身に付けてきました。
特に意識しているのは、「自分がこの立場だったらどう考えるか」という視点を持つことです。例えば、顧客が何かに迷っていたとき、「正解はこれです」と一方的に示すのでは不十分です。「こういう前提があれば、こういう選択肢がありますよね」「もし自分だったら、この観点も気になります」といった形で、思考を引き出すような関わり方をするようにしてきました。
──「答えを出す」のではなく、「一緒に考える」のが大事なのですね。
深谷:はい。答えを一方的に押し付けるのではなく、相手と一緒に悩み、納得してもらった上で進めていく。そのプロセス自体が信頼関係の構築につながっていくと思っています。だからこそ、コンサルタントにとって必要なのは、知識やスキルだけでなく、相手への敬意や対話力だと思います。
問い掛けで学びを深める、育成は「一緒に考えること」から始まる
──社内のチームや組織文化についても教えてください。
深谷:役割が固定されていないのが大きな特徴です。「あなたはコンサルタントだから、要件定義だけやってください」「育成は別の部署がやります」といった線引きがありません。プロジェクトごとに何が必要かを考え、それに応じて自分ができることを柔軟に提供する。言い換えれば、「何ができるか」ではなく「何をやるべきか」に基づいて動く文化が根付いているのです。
私は、顧客支援だけでなく、社内の育成や仕組み作りにも関与しています。それも、自ら手を挙げたところ、会社に任せてもらえました。そのような自由さと、それを支えてくれる仲間がいる安心感の両方があることが、コロニーの大きな魅力だと思います。

──どのような方針で育成しているのでしょうか。
深谷:主にOJTを通じて、案件の中で伴走するような形で関わっています。といっても、単にタスクを渡して「やってみて」ではなく、「なぜそれをやるのか」「背景にはどういう意図があるのか」まで丁寧に伝えるようにしています。それがあるだけで、アウトプットの質も、本人の成長スピードも大きく変わると感じます。
知識の伝達というより、思考のプロセスを共有するという感覚に近いですね。スキルや知識は後からでも身に付けられますが、思考の習慣や問いの立て方は、現場でのやりとりを通じてしか習得できません。だからこそ、正解を教えるより、自分で気付けるように導く方が、結果的に深い学びにつながると感じています。
──育成に限らず、コロニーの組織文化にはどのような特徴があると感じますか。
深谷:すごくオープンでフラットな文化だと思います。何か提案したときに「それはあなたの役割じゃない」と言われることはまずありません。むしろ「やってみよう」「手伝うよ」というリアクションが返ってきます。自分の専門に閉じこもるのではなく、越境して動くことが歓迎されるカルチャーなので、自然と「自分ごと」として物事を捉える人が多いですね。
──今後どのような挑戦をしていきたいですか。
深谷:コンサルタントとしての専門性を深めていく一方で、組織全体に影響を与えられるような動き方をしていきたいと思っています。例えば、育成やナレッジの仕組み作り、プロジェクトを円滑に進めるためのチームビルディングなど。顧客支援だけにとどまらず、社内の成長にも貢献できるような存在になれたらと考えています。
──最後に、コロニーに関心を持つ人に向けて、メッセージをお願いします。
深谷:「何をやるか」よりも「どう働きたいか」を大切にしたい人には、コロニーはとてもマッチした環境だと思います。明確な役割や正解があるわけではないので、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、自分で問いを立て、周りと共に動いていける人にとっては、これ以上ない成長の場になると思います。自分の可能性を試したいと思っている人には、ぜひ一度話を聞いてもらえたらうれしいです。
