グローバルな仕事を生むのは自分次第 「国内集中」の最前線に見るリアルな海外との関わり

2026/01/20

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世界経済が変動を続ける中で、日本発スタートアップの企業価値を高め続けるにはどうしたらいいだろうか。未上場企業投資に取り組むジャフコは2025年、新しい方針として「従来の日本・米国・アジアのグローバル三極投資体制から、国内投資に集中する戦略へと転換すること」を掲げた。一見するとグローバル規模で活躍する機会の減少にも感じられるが、内実はどうなのか。

投資部門やビジネスディベロップメント部門の最前線で活躍する3人の社員に聞いて分かったのは「国内や海外の垣根は関係ない」「グローバルに動く必要があれば、自ら機会を創出する」といった思いだった。投資先の海外展開を支援し、日本市場に注目する海外投資家と向き合う――。そこには「実務としての海外」を肌で感じられるリアルがある。

〈Profile〉
写真右/西中孝幸(にしなか・たかゆき)
立命館大学経営学部を卒業後、2006年4月にジャフコへ入社。スタートアップ投資、ファンドレイズ、M&A、投資先支援といった幅広い業務を経験し、2014年よりビジネスディベロップメント部に所属。セールス&マーケティング支援チームおよびHR支援チームで、投資先の採用や事業開発の支援に従事。また、組織開発におけるシステムコーチングの手法を活用し、投資先のチームビルディングにも携わる。
写真中央/赤川嘉和(あかがわ・よしかず)
2007年4月にジャフコへ入社。AI、コンシューマーテック(消費者向けのサービスを提供するテック企業)、医療、DX、D&I(多様性と包摂性)などの領域を中心に、シードからレイターステージまで幅広い企業を対象として、投資先の発掘、投資実行、投資後の支援業務を担当。2022年4月よりチーフキャピタリスト。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。スタンフォード大学ビジネス・スクールのスタンフォード・エグゼクティブ・プログラムを2025年に修了。
写真左/牧野元音(まきの・げんと)
慶應義塾大学経済学部およびボッコーニ大学 Bachelor of Science in International Economics and Management(BIEM)を卒業後、2022年4月にジャフコへ入社。ベンチャー投資部門にて、シード、アーリーステージのスタートアップ企業を中心に投資先の発掘から投資実行、投資後の支援業務を担当。また、海外投資家を中心としたファンド募集業務にも従事。

※内容や肩書は2026年1月の記事公開当時のものです。

投資先の企業価値を高めるため、海外市場での可能性を追求

――まずは、皆さんの現在の業務内容について教えてください。

西中:私はビジネスディベロップメント部に所属し、ジャフコが投資した後に投資先を支援する役割として、セールス&マーケティングやHR(ヒューマンリソース)の支援を担っています。

私たちの支援は、売上拡大をゴールとするのではなく、その先にある企業価値の最大化につなげることを目的としています。私たちが関わることによってどう価値向上につなげるのか。そのために日本のスタートアップが向かうべき海外市場についても意識しています。 description

赤川:現在は投資部に所属して、新規投資先の発掘や投資における議論・交渉、資本政策、投資実行、実行後のモニタリング、投資先のエグジットまでを担っています。

ジャフコの場合は、投資先の株主の中で最もシェアを持つリード投資家になることがほとんどで、経営陣と一番近い距離にいます。そのため社外取締役として会社の意思決定にコミットすることもあります。このように投資先に関わりつつ、スタートアップの世界では常に新しい波が生まれるので、いついかなるときも新規投資先を探しています。

牧野:私は赤川さんと近い業務を担当しています。新規投資先の発掘や投資検討、デューデリジェンス(投資対象となる企業や事業の価値、リスクなどを事前に調査すること)などのプロセス、そして投資実行まで、ジャフコは入社年次にかかわらず幅広く経験できるのが特徴だと思います。

加えてファンド業務もあり、新たに接点を持った海外投資家と面談したり、担当する投資先と投資家を結び付けたりといった機会もあります。

グローバルな仕事は、必要に応じて自分たちで作り出す

――2025年にジャフコは、国内投資へ集中する方針を打ち出しましたが、グローバルに活躍する機会や役割は変わらずにあると見ていいのでしょうか。

赤川:グローバルな仕事の定義が「海外拠点で働く」という意味なら、現時点ではその機会は少ないかもしれません。一方、仕事内容としては、向き合う投資家がそもそもグローバル規模。海外の投資家とのやりとりはかなり増えています。

投資先が日本以外の市場でも戦おうとしていれば、私たちも必然的に関わることになります。例えば私が担当する投資先は複数の国・地域で事業展開していて、さらに地域を広げるため、リード投資家として新たな国を調査・訪問したり、その過程で投資先のチームと一緒に営業したりすることもあります。別の投資先の例では、仕入れ先の見直しの一環でアジアの国々を訪問し、現地で価格交渉するなど、リアルな業務の場に携わっています。 description

西中:ジャフコの仕事は国内スタートアップの動向とリンクしています。全てのスタートアップが最初からグローバルを見据えているわけではありませんが、少子高齢化といった構造的な縮小を強いられる日本のマーケットでは、成長する市場を考えた際には、グローバルマーケットに活路を見いだす必要性に直面します。この課題に私たちも向き合っています。VC(ベンチャーキャピタル)だからこそ、先を見据えたテーマにチャレンジしていかなければいけない面もあります。

その意味では、グローバルな仕事の機会や役割があるというよりも、「必要に応じて自分たちで作り出す」という方が正確だと思います。

牧野:ジャフコは必要な仕事を自分で作るというスタンスの人がほとんどですよね。私自身、普段の仕事で「国内か海外か」を意識することは少ないですが、自然と海外にも関わっています。

国内集中とはいっても、海外の事業会社や機関投資家からファンドへ出資してもらう募集活動をしています。最近ではシンガポールなどのアジア関連やアメリカ、中東の国々などの出資者と接することが多いです。

時代を象徴する起業家を支援してきた、強いVC

――そうした関わりにおいて、海外投資家向けに、日本発スタートアップの強みをどのように訴求しているのでしょうか。

西中:海外の機関投資家は、「なぜ日本なのか?」「どのアセットクラスに出すべきか」「どのVCファンドに出資すべきか?」という文脈で選んでいます。日本でいうと地政学的に有利な部分もあり、運用マーケットとして相対的に選ばれやすい状況になっています。

牧野:日本のスタートアップエコシステムは成熟し始めたところです。外資系の銀行やコンサルティングファームを経て起業する人も増えていますし、そもそもトップ層の学生が就職ではなく起業する選択肢も当たり前になってきました。連続起業家も増えています。高く評価される企業も増えており、その意味で、日本は期待できる成長市場だと見られています。

その上で、ファンドのパフォーマンス実績や投資先のIPO時の初値時価総額の高さに加え、ジャフコは歴史が長く、スタートアップを見てきた経験豊富なプレーヤーが多いことも投資家から支持されています。 description

西中:VC/PEを含め、ジャフコのように約50年続いているプレーヤーはあまり多く存在していません。多くの新興VC/PEファンドが立ち上がる中で、数十年単位でパフォーマンスを出し続けてきた実績は、投資家がお金を預ける上で、他社にはない信頼につながっていると感じます。

赤川:VCビジネスは突き詰めると「良い会社に良い条件で投資できるか」だと言えます。一方の起業家は、大きな成功を狙っている人ほど投資家を慎重に選びます。このように一筋縄ではいかない投資を実行し、成功する企業を生み出し続けてきたのがジャフコです。

ジャフコはいつの時代も象徴的な起業家を支援してきました。スタートアップの場合は、最初から強みが顕在化しているわけではありません。ジャフコはそうした強みを秘めた企業を見つけ、支援し続けてきた歴史があります。その裏側にどんな知見の蓄積があるか、支援のスタンスを持っているかについて、適切に理解してもらうこと。そしてそれを実現させること。だからこそ多くの起業家から選ばれています。

求められるのは、100の失敗を経て一つの成功にたどり着く気概

――現在のジャフコで活躍できる人は、どのような素質を持つ人でしょうか。皆さんはどんな人と一緒に働きたいですか。

牧野:入社後すぐに次のステップに行くことを前提にするのではなく、ジャフコで経験を積みたいという人と一緒に働きたいと考えています。

なぜなら、私たちが取り組んでいるのはすぐに結果が出るようなビジネスではないからです。人によっては10年くらいかけて一つの成果にたどり着くこともある、とても時間のかかるビジネスを進めているので、次のキャリアに向けて「ジャフコには2年」といった考え方ではうまくいかないように思います。

赤川:コンサルティングのプロジェクトなら、短期間でも「プロジェクト内でこの役割を担った」と成果を誇れるかもしれません。でもVCでの成果は、最終的にキャピタルゲインが出たか、ROI(Return On Investment、投資収益率)を伸ばせたかに尽きます。こうした結果がなければ語れない部分があるんです。

最近では「VC業を少し経験しました」という人も増えていると思いますが、成功と失敗の間には大きな差がありますよね。スタートアップは変数が大きくて、一度成功した人がまた成功できるとは限らないし、蓄積や経験が次に通用するとも限りません。100の失敗を経て一つの成功にたどり着く気概が求められます。そうした中でつかんだ成功案件が自分の背骨になっていきます。

西中:私は、自分の好きなことや大切にしたいものを、仕事にも生かしたい人が向いていると思います。投資の仕事は自由度が高くクリエイティブです。自分の好きなものを持ち込んで話ができる楽しさもあります。

以前、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが出てきた頃、赤川さんが「ビットコインがとても面白い」と話して、ものすごい熱量で探求していたのを覚えています。そうやって、熱狂しながら取り組める人が勝ち残る業界なのかもしれません。自分なりの「楽しいから」「面白いから」を貫ける人が向いていると思いますね。 description

――会社として、そうした没入状態をフォローする体制も設けているのでしょうか。

赤川:人材評価や育成においても、短期間ではなく長期的な視点を大切にしています。明確にリターンを出した人はもちろん評価していますし、VCの仕事に向き合うスタンスが正しければ、前向きに捉えていきます。中途半端なタイミングでローテーションさせられることもほとんどないと思います。

これは、「仮説検証を重ねて投資をし続ければ、短期的には成果が出なくてもどこかのタイミングで芽が出ることがある」というジャフコの経験や考え方から来ている部分もあると思います。

VCならではのオープンイノベーションにも挑む

――今後、ジャフコでどのようなことに取り組んでいきたいと考えていますか。

牧野:海外の主要VCも日本のスタートアップに投資し始めています。今後、日本のスタートアップ市場はさらに活性化していくはずです。私はそれを見据えて、海外と日本をつなぐような動きをしたいと思っています。

赤川:日本のスタートアップIPOで、象徴となる事例を作りたいですね。日本でもスタートアップ市場が拡大し、数千億円規模の時価総額で上場する例も出てきました。ただ、上場時点で日本以外の市場での可能性を示せるほど、海外の売上高比率が高いスタートアップの事例はほとんどありません。この領域を切り開いていきたいです。

西中:私は、スタートアップと大企業をつなぐ架け橋となるような、VCならではのオープンイノベーションを実現したいですね。大企業をはじめ、日本にはたくさんのアセットがあります。スタートアップがそれを活用できるように、大企業のマインドを変えながらスタートアップを支援できれば、ジャフコならではの新たな価値が生まれると信じています。 description

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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