コンサルのワンプール制とは?メリット・デメリットとベイカレクローンの実態

2026/02/19
#総合コンサルファーム業界事情

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「どんな業界でも担当できる」「幅広い経験が積める」——コンサルへの転職を検討している方であれば、こうした謳い文句を求人情報や面接で耳にしたことがあるかもしれません。その背景にあるのが、コンサルティングファームの人材配置モデルのひとつである「ワンプール制」です。

ベイカレント・コンサルティングが国内コンサル市場における急成長とともにこの制度を広く知らしめて以降、類似のビジネスモデルを採用するファームは「ベイカレクローン」とも呼ばれるようになりました。2025年2月期にはベイカレントの売上高が1,160億円(前年比23.6%増)に達し、時価総額が1兆円を突破。転職市場でも注目を集めるワンプール制度について、その仕組みからメリット・デメリット、実際のキャリア戦略まで、社会人転職者の視点で詳しく解説します。

1. ワンプール制とは?

ワンプール制とは、コンサルタントを特定の業界・テーマ・部門に固定せず、全社員を一つの「プール(人材池)」として管理し、案件の需要に応じて柔軟にアサインする人材配置モデルです。日本語では「総合配置型」とも表現されることがあります。

従来のコンサルティングファームでは、金融業界専門のチーム、製造業専門のプラクティス、デジタル戦略に特化した部門といった形で、組織が業界や機能軸で縦割りに構成されていることが一般的です。こうした「バーティカル(縦割り)型」のモデルでは、採用段階から特定チームへ人材を囲い込み、入社後のキャリアパスもそのドメイン内で設計されます。これに対してワンプール制では、コンサルタントは特定の部門に所属せず、プロジェクト単位でチームが組成され、社内の全人材の中から案件の要件・タイミング・スキルセットに基づいてメンバーが選定されます。

1-1. 「ベイカレクローン」と呼ばれるファームの特徴

ワンプール制を語る上で外せない存在が、ベイカレント・コンサルティングです。1998年に創業し、2016年に東証マザーズ(現グロース)に上場。その後わずか2年で東証一部(現プライム)に鞘替えし、現在は人員数5,000人を突破してコンサルビッグ4(BIG4)にも匹敵する規模に成長しています。このビジネスモデルの成功を受けて、類似の制度・思想を採用するファームが「ベイカレクローン」と呼ばれるようになりました。具体的には、ライズ・コンサルティング・グループ、ビジョン・コンサルティング、ノースサンド、Dirbatoなどが、この文脈で言及されることがあります。

各社の実態や文化はそれぞれ異なり、ワンプール制の運用方針や案件の質にも差があるため、一律に「ベイカレクローン」として括ることには注意が必要です。あくまでビジネスモデルの類似性を指した業界内の俗称として理解しておくと良いでしょう。

1-2. 「ベイカレクローン」の共通した特徴

ベイカレクローンと称されるファームには、いくつかの共通した特徴があります。採用においてバックグラウンドの業界・職種を問わず幅広く門戸を開いており、MBB(マッキンゼー・BCG・ベイン)のように特定の学歴・出身母体を重視するよりも、「地頭の良さ」や「コミュニケーション能力」を重視した採用基準が設定されていることが多いです。プロジェクトの受注領域も非常に広く、戦略立案から業務改善、ITシステム導入支援、組織変革まで、特定のテーマに絞らず多種多様な案件を受け入れます。ただし実態としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)やITプロジェクトの比率が高い傾向があります。

稼働率(アベイラビリティ)管理を組織的に徹底し、専任の営業部隊を設ける体制をとっているファームも多く、コンサルタントがデリバリ(プロジェクト遂行)に専念できる環境が整備されています。これはBIG4や外資ファームとの大きな違いのひとつです。

2. 企業がワンプール制を採用する理由

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コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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