巨大組織を飛び出して、新しい挑戦へ 異業種出身のコンサルタントが語る決済領域の新規事業創造
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「新卒で入った大手企業。恵まれた環境だがどこか物足りない」 「専門性を磨きたいのにジョブローテーションで役割が変わってしまう」。そんな思いを抱える若手ビジネスパーソンは少なくない。安定したキャリアの階段を降りてでも、挑戦する価値のある場所はどこか。
話を聞いたのは、インフキュリオン コンサルティング(ICC)で活躍する2人だ。一人は、メガバンクからコンサルタント未経験で転身し、現在は執行役員として組織を率いる佐竹美名子氏。もう一人は、大手流通系事業会社から同じく未経験で入社し、今やシニアマネジャーとして最前線で案件を動かす金森崚氏。
2人のキャリアから見えてきたのは、決済という社会インフラの深部に飛び込み、事業をゼロから創り上げる、プロフェッショナルとしての圧倒的な実戦感覚だった。
※内容や肩書は2026年4月の記事公開当時のものです
キャリアの「予見可能性」への危機感と、専門性への渇望
――誰もが知る大企業からICCへ転身していますが、転職を決意した理由は何だったのでしょうか。
佐竹:前職のメガバンクでは約6年半、富裕層向けのリテール営業として投資信託や保険、相続相談などに従事していました。仕事には手応えもありましたが、28歳になってふと足元を見た際に5年後や10年後の自分の姿が明確に予見できてしまったのです。
課長、支店長と進むキャリアパスは魅力的ですが、責任の範囲が変わっても本質的には同じ構造の繰り返し。そんな未来に対して「このままでは退屈してしまうかもしれない」という危機感を抱きました。もっと案件ごとに前提条件から自分で組み立て、常に新しい課題のど真ん中に身を置ける、予測不能な面白さがある環境で働きたいと思い、転職を決断しました。
金森:私は新卒で入社した大手流通系事業会社で、店舗企画や運営、クレジットカードの会員獲得業務など、2年弱という短期間でさまざまな業務を経験しました。全社プロジェクトに参画する形で新規事業検討にも携わっており、そこで「事業を創る」ことの奥深さに触れ、事業創出という専門性を突き詰めたいという志向が明確になりました。
一方で、ジョブローテーションを前提とした総合職に期待されていたのは、ジェネラリストとしての成長でした。就職活動の際から持っていた「目に見えて社会に大きな影響を与えたい」という思いを実現するため、事業構築の全工程に主体的に関与できる環境に移ろうと決めました。
――なぜ数ある選択肢の中からICCを選んだのですか。
佐竹:転職活動の際は、コンサルティングファームを強く志望していたわけではありません。他業界の営業やIR、運用会社など幅広く検討していた中で、エージェント経由でたまたま出合ったのがICCだったのです。
入社の決め手は、銀行員時代に覚えていたようなキャリアへの“退屈”さを払拭できる環境があると確信したからです。案件ごとにコンディションが変わり、常に新しい事業開発にゼロから向き合い続ける環境なら、ずっと新鮮な気持ちで挑戦し続けられるだろうと感じました。また、金融領域の中でも決済は生活者に最も身近であり、キャッシュレスの普及が世の中を良くしていくという社会的意義に、純粋に共感できたことも理由です。

金森:私は前職で新規事業企画の面白さに触れて以来、その専門性を高めるべく事業会社や小規模ファームを中心に検討していました。その中で、第二新卒という立場で事業企画に挑戦できる当社の環境は、まさに自分自身の希望に合致していました。
また、入社した2020年当時はQRコード決済が急速に浸透し始めた時期で、キャッシュレス市場の圧倒的な成長性に対する期待感も大きかったです。「新規事業の専門性を深めたい」という個人的な思いと、市場の伸びという外部環境の追い風。双方を両立できるのは当社しかないと感じて、迷わず選びました。
「アンラーニング」と「消費者視点」を突破口に、異業種からプロへ
――共にコンサルティング業界以外からの転身です。入社直後に「壁」を感じたことはありませんでしたか。
佐竹:入社直後はつらく苦しい時間でした。コンサルティングの世界で求められる頭の使い方が、前職の頃とは全く異なっていたのです。銀行の営業では、既存の商品を顧客の状況に合わせてどう組み合わせるかという最適化が中心。しかし当社の仕事には、前提条件を自分で置き、答えを出すために要素を論理的に分解するような思考法が求められます。それまでの社会人生活で培った経験を“アンラーニング”する必要がありました。
金森:私も似たような心境でした。入社当初は、周りのコンサルタントが使っている言葉が「同じ日本語なのに意味が分からない」状態からのスタートでした。そこで、「分からない」という感覚を隠さず、むしろ素直に言語化することを意識しました。未経験だからこそ抱くことのできる消費者としての純粋な疑問を活用して、問いを立てる。それが結果としてプロジェクトにおける重要な論点となり、コンサルタントとしての壁を突破するきっかけになったこともありました。
――業界未経験だからこその苦労があったのですね。経験を積む中で、印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
佐竹: 印象深かったのは、入社して最初にアサインされた案件ですね。ホテルの自動精算機を扱っているクライアントから「現金が扱われなくなっていくこれからの世の中で、自動精算機はこの先に残れるか」「次世代の機械はどういうものになるべきか」という相談をもらい、旧来の自動精算機としてではなく、ポータルのような価値を付けていこうと検討を進めました。
当時、自分にはまだスキルがない状態。とにかくやれることは全部やろうと腹をくくり、ユーザーとしてホテルに泊まってみたり、ホテルのロビーで他のユーザーを観察してみたりと、泥くさく情報収集しました。足で稼いだ情報をヒントにユーザーのニーズを整理し、クライアントと一体となって新しい価値を定義付けたことは、大きな成長の基盤となりました。
金森:私が印象に残っているのは、ATMの新規事業開発プロジェクトです。プロジェクトのテーマは、銀行における窓口業務をATMに移管し、新たな顧客体験をつくり上げていくこと。戦略策定から最終的なリリースに至るまで一気通貫で関わらせてもらいました。
私が目指した、これまで世の中になかった全く新しい概念をつくっていく仕事です。そういう仕事がしたいという思いをずっと持っていたので、自分が携わったプロダクトが全国のインフラとして形になっていく過程には、圧倒的なやりがいと充実感がありました。自分で事象を拾い上げて成果に結び付けた経験は、忘れられません。

――金森さんは今現在も大きなプロジェクトを率いているそうですね。
金森:マネジャーとして、三井住友フィナンシャルグループとICCの親会社であるインフキュリオンによる共同事業「Trunk」の立ち上げを支援するプロジェクトに携わっています。このプロジェクトが目指しているのは、BtoB決済領域の在り方を根本から再設計することです。社会的な影響力が極めて大きい、次世代の法人向け決済・与信プロダクトを創出するという非常に壮大なテーマに挑んでいます。
メンバー時代のように自らが全てを担当するのではなく、マネジャーとしてミーティングベースで的確な気付きを醸成し、プロジェクトを導くという新しい立ち回りに挑戦しています。
自分の理想を押し付けるのではなく、メンバーをサポートしながら世の中に大きなインパクトを与えるBtoBプロダクトを生み出していくプロセスに、メンバー時代とはまた異なる新たな充実感を味わっています。
いつでも、誰にでも、相談できる。個々の志向を尊重する育成環境
――若手の育成についてもICCならではのこだわりがあると聞いています。
佐竹:そうですね。「人を育てる」ことは、当社の事業成長にそのまま直結します。一人一人のバックグラウンドや「何を成し遂げたいか」に合わせたオーダーメードな育成を行っています。メンター制度も設け、キャリアの悩みから技術的な疑問まで、いつでも誰にでも相談できるフラットな関係性を重視しています。

金森:私が意識しているのは、本人が望む専門性を磨ける環境を整えることです。当社は個人のキャリア志向を深くくみ取り、それに基づいたアサインやミッションセットを行うことを重視しています。
私自身、業界未経験で入社して今のキャリアを築けたのは、自分のやりたいことに対して適切な活躍の場を用意してもらえたから。だからこそ、今度は自分がマネジャーとして、メンバーが自律的に動けるよう背中を押し、一人一人がプロフェッショナルとして納得感を持って成長できる場をつくることを意識しています。
――成長できる場をつくる上で、実践していることはありますか。
佐竹:メンバーを「個」として自立させるために、安易に答えを与えないことを徹底しています。たとえ入社1年目のメンバーであっても、常に「あなたはどうすべきだと思っているのか?」と常に問いかけ、自分なりの意見やポジショニングを持たせるようにしています。
コンサルタントとしての本当の成長は、誰かの指示をこなすことではなく、自分で問いを立てて意思決定をするプロセスの中にしかないからです。マネジャーが大丈夫だと判断すれば、アソシエイトの若手であってもクライアントの役員クラスへのプレゼンや他部署との合意形成の場に積極的に参加してもらいます。
金森:最近では単なるプロジェクト管理の枠にとどめず、社内横断的な活動にもコミットするようにしています。採用活動への参画や自分の育成経験をパッケージ化した組織への還元や、さらには自ら新規事業の仮説を立ててクライアントに能動的な提案を行う営業活動など、マネジャーの私自らが幅広く挑戦することでメンバーにも「自ら機会を創り出し、楽しみながら成長する」姿勢を伝えていきたいと思っています。
あなたのキャリアに「新しい問い」を
――未経験から飛び込むことに不安を感じている読者へメッセージをお願いします。
佐竹:当社は、良い意味で「ビジネス下手」。言い換えれば、顧客に対し誠実です。売り上げだけを追いかけることはしませんし、事業が安定期に入ればクライアントが自社で回せるよう内製化を提案し、私たちは身を引きます。当社のバリューとして設定している“Stay Trusty”な姿勢に共感して、一緒に歩んでくれる人は大歓迎です。
金森:会社にとってメンバーの成長こそが最大の投資ですから、教育へのリソース投下は一切惜しみません。それぞれのバックグラウンドやつまずきやすいポイントを考慮して最適なメンターを配置し、適切な負荷で成長できるよう調整しています。私たちもコンサルタント未経験から入社して今がありますので、安心してこのエキサイティングな環境に飛び込んできてください。
