外銀・商社出身者のキャリアパス|転職先ランキングと年収の行方

外資系投資銀行(外銀)と総合商社は、いずれも就活市場で最難関とされる業界です。高い報酬水準と充実したトレーニング環境を背景に、両業界の出身者は転職市場でも引く手あまたの存在として知られています。
しかし、「外銀出身者はどこに転職するのか」「商社マンの次のキャリアは?」という問いに対して、定量的なデータに基づいた回答はこれまで限られていました。本記事では、外資就活ネクストに登録する15万人超のキャリアデータを分析し、ゴールドマン・サックス(GS)、モルガン・スタンレー(MS)、三菱商事、三井物産の出身者がどこへ転職しているのかを明らかにします。
なお、モルガン・スタンレーについては三菱UFJフィナンシャル・グループとの合弁である三菱UFJモルガン・スタンレー証券への移動や、同社名での再登録が含まれています。これらはグループ内の異動・組織再編に伴うものとして区別して解説します。
外銀出身者の転職先TOP
ゴールドマン・サックス(GS)出身者
GS出身者の転職先は、非常に多様で特定企業への集中度が低いのが特徴です。確認できた主な転職先は以下のとおりです(いずれも少数)。
- 野村證券:国内最大手証券への転身
- A.T.カーニー:戦略コンサルティングファームへの転職
- KKR:グローバルPEファンドへの転身
- ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント:GS内のアセマネ部門への異動
- クレディ・スイス証券:他外銀への移動
- 有限責任監査法人トーマツ:監査法人・FAS系への転職
- モルガン・スタンレー:他外銀への移動
- ピムコジャパンリミテッド:資産運用会社への転身
各転職先がいずれも少数であることから、GS出身者のキャリアは極めて多様であることがわかります。PEファンド(KKR)、戦略コンサル(A.T.カーニー)、資産運用(ピムコ)、国内証券(野村)、そして他外銀と、金融を軸にしながらも幅広い業態に分散しています。
モルガン・スタンレー(MS)出身者
MS出身者はGS出身者と比較して、データ件数が多く、転職先の傾向がより明確に見えます。
最多は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(18名)ですが、これは同社がモルガン・スタンレーと三菱UFJフィナンシャル・グループの合弁証券会社であるため、グループ内の異動・出向として捉えるのが適切です。モルガン・スタンレーへの再登録(17名)やモルガン・スタンレーMUFG(3名)も同様に、組織再編や部門異動に伴うものと考えられます。
外部への転職で注目すべきは以下の傾向です。
国内証券への転職:野村證券(7名)、SMBC日興証券(6名)、みずほ証券(4名)と、日系大手証券への転身が複数確認できます。外銀で培ったスキルを国内証券のフロント業務で活かすキャリアパスが、一定のボリュームで存在しています。
邦銀・信託への転職:三菱東京UFJ銀行(6名)、三菱UFJ銀行(5名)、三井住友信託銀行(4名)と、メガバンク系への転職も目立ちます。これらは同一グループ内の異動(MUFGグループ間)を含む可能性がありますが、銀行のグローバルバンキング部門や市場部門での採用も想定されます。
コンサル・アドバイザリー:アクセンチュア(6名)、デロイト トーマツ コンサルティング(3名)、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(3名)と、コンサル系への転身も確認されます。M&Aの執行側から助言側へのキャリア転換です。
その他:日本取引所グループ(4名)は、金融インフラへの転身として興味深い事例です。三井物産(3名)は商社への転職であり、SAP(少数)はテック企業への転身です。