【イベントレポート】投資と経営、両輪で戦う「次世代型プロフェッショナル」の創り方──資本主義を生き抜くキャリア論|ROLEUP|外資就活ネクスト PITCH

2026/06/02
#コンサル
#インタビュー
#業界研究
#転職ノウハウ・ハウツー
#M&A
#PEファンド
#FAS
#キャリア戦略

株式会社ROLEUP 外資就活ネクスト PITCH イベントレポート

sponsored by 株式会社ROLEUP

「投資(資本)」と「経営(事業)」――キャリアのどこかで、多くのプロフェッショナルはそのどちらかに軸足を固定してしまう。だが本当に企業価値を動かせるのは、両輪を同時に操れる人材ではないか。2026年5月28日開催の「外資就活ネクスト PITCH」Day3に登壇した株式会社ROLEUP(ロールアップ)は、「新時代の資本主義を生き抜く、次世代型プロフェッショナルの創造」をテーマに掲げた。M&Aアドバイザリーを軸に税理士法人・監査法人までを擁するプロフェッショナルファームを、創業わずか数年で"BIG4に次ぐ存在"へと押し上げつつある代表取締役社長・渡邉達也氏と、リテール証券からIBD、スタートアップCFOを経て同社に参画したアソシエイトパートナー・前車湧斗氏。二人が語ったのは、「投資経営人材」という新しいキャリアの設計図だった。

登壇者プロフィール

渡邉 達也 氏 株式会社ROLEUP 代表取締役社長/ROLEUP税理士法人・ROLEUP監査法人 代表社員(公認会計士・税理士・行政書士)
慶應義塾大学経済学部卒。2009年に公認会計士試験に合格し、2010年に有限責任監査法人トーマツへ入所。財務諸表監査・内部統制監査・IPO支援・IFRS導入支援等に従事したのち、2013年にPwCアドバイザリー(当時プライスウォーターハウスクーパース)の事業再生部門へ。2015年にデロイト トーマツ グループへ再入所し、パブリックセクターの経営コンサルティング(中期計画策定、ビジネスデューデリジェンス、合併関連PMI等)を担当。2018年からは日本プライベートエクイティにディレクターとして参画し、スモールキャップチームの責任者・ファンド投資委員を務め、ファンドレイズから投資実行、PMI、Exitまでバイアウト業務に一気通貫で従事。複数の投資先で社外取締役・監査役を歴任した。2022年9月、株式会社ROLEUPを創業。

前車 湧斗 氏 株式会社ROLEUP アソシエイトパートナー/カバレッジ事業本部長(担当領域:FA、投資ファンド・金融機関・事業会社カバレッジ)
2013年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ入社し、リテール営業に従事。2018年に投資銀行部門(IBD)へ異動し、上場企業に対するM&A、資本・株主政策、財務戦略、IPO・市場変更支援、アクティビスト対応などの提案・助言業務を担当。2025年にスタートアップのCFOを経て、ROLEUP Inc.に参画した。

なぜいま、「投資」と「経営」の両輪なのか

セッションの冒頭、渡邉氏はこう問いかけた。「昨今、ファンドマネージャーやバイアウトファンドは就職先として非常に人気がある。一方で、多くのビジネスパーソンにとって、取締役や社長といった"経営者"になることも、キャリアの到達点のひとつです」。だが、と渡邉氏は続ける。多くのコンサルティングファームやアドバイザリーファーム、あるいは事業会社に身を置いても、キャリアはどうしても「経営だけ」「資本だけ」のどちらかに偏ってしまう――。

「資本サイドの、株式を中心としたファイナンスを操れるプレイヤー。そして経営サイドで、しっかりと戦略を立てて実行していけるプレイヤー。本来、この両方ができないといけないと思っているんです」。渡邉氏はそう語り、資本主義の国である日本において、「資本」と「経営」の両面から企業を見られるプレイヤーが一人でも増えれば、日本経済も大きく変わっていくという問題意識を、この日のテーマの起点に据えた。

その背景には、日本企業の構造がある。ROLEUPの資料によれば、上場企業は全企業数のわずか1%未満にすぎず、99%超の企業は「資本と経営が一致」したオーナー企業だ。つまり、キャリアを進めるほどに、「経営」=事業領域の経験だけでなく、「資本」=ファイナンス領域を同時にコントロールする力が求められる場面が増えていく。取締役の選定権や報酬決定権を握る"資本"の側と、経営戦略の策定・実行・人材採用を担う"経営"の側。その双方を貫く共通目標が「企業価値の最大化」である。

資本と経営の関係を示すROLEUPのスライド

「株主が経営者を選び、報酬を決める。取締役というのは、実はとてもリスクの高い職業なんです」。渡邉氏は、いわゆる"プロ経営者"の現実にも触れた。任期はおおむね2年。バリューアップに成功して延長されることはあっても、多くの経営者は次のポジションを探し続けることになる。だからこそ、資本の論理と経営の論理を自分の中で往復できる人材――渡邉氏が「投資経営人材」と呼ぶ存在――が、これからの時代に強い、というわけだ。

ROLEUPとは何者か――"BIG5"を狙う、100名超のプロフェッショナル集団

ここで、ROLEUPというファームそのものについて整理しておきたい。株式会社ROLEUPは2022年9月に設立され、オフィスは丸の内パークビルに構える。事業内容はM&Aアドバイザリー/デューデリジェンス、経営コンサルティング、そしてプロフェッショナル人材紹介業。グループにはROLEUP税理士法人、ROLEUP監査法人、ROLEUP行政書士事務所が連なり、投資会社「ロールアップキャピタル」も擁する。

ROLEUPグループの会社概要スライド

大手出身の公認会計士・税理士、M&Aアドバイザー、PEファンド出身者、IBD出身者を中心に、メンバーは業務委託を含め100名超。Deloitte、PwC、EY新日本、あずさ、太陽といった監査法人、山田&パートナーズ、日本プライベートエクイティ、野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ――名だたるファームの出身者が集う。グループ売上高は当期着地見込みで10億円。海外はPrimeGlobal(世界120か国以上、加盟会計事務所300社超)のネットワークにつながる。

「基本的には、BIG4に次ぐようなポジショニング――"BIG5"を目指したいという思いでやっています」と渡邉氏。会計・M&Aの世界で名の通ったファームの多くは、30年、40年前に創業されたものだ。「僕らの世代が創業したファームって、実はあまりないんですよね。"次の時代を誰が作るのか"。そこを僕たち若いメンバーで、しっかりやっていきたい」。40歳になったばかりという渡邉氏の同期・後輩、そしてビジョンに共感して外部から参画したメンバーが、ファームの成長を牽引している。

ROLEUPが強調するのは、M&Aの「一気通貫」だ。M&A戦略立案・案件ソーシングといった初期構想から、プランニング、財務・税務・ビジネス・法務のデューデリジェンス、株価算定、クロージング、そして買収後のPMI支援まで――売り手・買い手双方の視点を理解したメンバーが、M&A前後の全領域をカバーする。

M&Aアドバイザリーの一気通貫サービスを示すスライド

「多くのアドバイザリーや投資銀行は、M&Aが終わったら全員抜けてしまう。でも僕たちはそうじゃない。FAをやったんだから、責任を持ってポストのPMIまでやる」。前職・日本プライベートエクイティ時代に、当時の社長からかけられた言葉を渡邉氏は今も引く。「M&Aは、投資実行して買収した"その日"がゴールではない。買収されたクライアントにとっては、そこがスタートなんです」。M&Aはあくまで数あるトランザクションの一部にすぎない。だからこそ、財務・税務顧問、管理体制の整備、成長戦略の策定・実行といった経営そのものへ、中長期で伴走する――それがROLEUPの掲げる姿勢だ。

その実績は、数字にも表れ始めている。LSEGが発表した2026年第1四半期の国内M&Aリーグテーブルでは、5,000万ドル以下の公表案件(案件数ベース)で第10位、5億ドル以下の公表案件(案件数ベース)で第12位にランクイン。大手が並ぶランキングに、創業数年のファームとしては異例のスピードで名を刻んだ。「おそらく日本最速でのランクイン。ここから一桁順位を狙っていきます」と渡邉氏は自負を見せる。

2026年第1四半期 国内M&Aリーグテーブル

「投資経営人材」への近道――PEファンド × IBD/FAS/コンサルの掛け算

では、「投資と経営、両方できる人材」には、どうすればなれるのか。渡邉氏が示したのは、一枚のキャリアマップだった。

投資・経営プロフェッショナルとしてのキャリア形成を示すスライド

「資本側」=ファイナンスの領域は、投資銀行やファイナンシャル・アドバイザリー(FAS)が近道になる。「経営側」=事業の領域は、経営コンサルティングだ。戦略、総合、オペレーション、そして今まさに市場が拡大しているAI・DX領域も含めて、入り口はさまざまにある。その両方で就業経験を積み、「投資サイドの知見」と「経営サイドのスキル」を掛け合わせた人材こそが、起業や事業承継を通じて"資本と経営を一致させた投資経営人材"へと到達する――というロジックである。

「王道キャリア」は、時間がかかりすぎる

渡邉氏があえて指摘したのは、いわゆる"エリートの王道キャリア"の落とし穴だ。「戦略コンサルに入って、MBAを取りに行って、外資投資銀行に移って、その後に外資系ファンドへ――たしかに一番かっこいいキャリアかもしれない。でも、時間がかかるんですよ」。3年、4年と積み重ね、MBAで2年、ようやくPEファンドに入っても、そこからVP・MDへ上がるのにさらに10年。「おじいちゃんになっちゃうよ、という話なんです」。

むしろ、と渡邉氏は勧める。ミッドキャップ、スモールキャップの領域に早く降りていけば、倍のスピードで能力が身につく。青天井の上位者と消耗戦を繰り広げるより、「本当に勝てる領域で勝つ」ことこそ、ビジネスパーソンとしてのキャリア設計の本質だ、と。「そのポジショニングに、いかに早く気づけるか。30歳になるくらいで気づかないといけない。35、40になってからでは手遅れです」。両方を経験し、ミッドキャップ・スモールキャップに降りていければ、"無双状態"で活躍できる人材になれる――それが渡邉氏のメッセージだった。

前車湧斗のキャリア――リテール証券、IBD、CFO、そしてROLEUPへ

セッション後半、マイクは前車氏に渡された。渡邉氏いわく「今、私たちの会社のトップセールスであり、トップM&Aプレイヤー」。その前車氏が、外部からROLEUPに参画するまでのキャリアは、まさに"掛け算"の連続だった。

前車湧斗氏の登壇者紹介スライド

「新卒で2013年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ入社し、最初はリテール営業から入りました」。山梨県の甲府支店に配属され、1日に何百件というコールドコールで新規開拓に走り、月次で収益を追い続ける――「非常にクラシックな営業」を約5年経験した。「営業は、私の中で得意な領域になりました」と前車氏は振り返る。

転機は2018年。投資銀行部門(IBD)への異動だった。「リテールからIBDに行くのは、かなりマイノリティな存在。ある意味、一度"社内転職"したような感覚でした」。求められるスキルセットはまったく異なり、アナリスト業務をゼロから積み直す。2024年7月までは大阪で大企業を担当し、CFOや経営企画部長らとフロントで対峙しながら、企業価値向上のためのサービスを提供してきた。

「その意思決定に、本当に"意思"はあるのか」

投資銀行で大企業を相手に、何百億・何千億という資金が動くディールに携わるなかで、前車氏はある違和感を募らせていた。「大企業の意思決定を動かしに行くとき、会社の政治力学や、目の前の人がどんなモチベーションで働いているのかを研究しながら進める。それをずっとやってきたのですが……いわゆる"大企業病"にぶつかることも多かった」。

コーポレートガバナンス・コードやアクティビストといった外圧に押される形で、事業改革の意思決定が下されていく。新聞紙上をにぎわすそうしたディールに、前車氏は問いを抱いた。「本当に"意思"はあるのか。資本市場への口実になっているだけではないか」。外圧に押されてではなく、内発的に、事業を通じて日本をこうしていきたい――そう考える経営者と一緒に、新しい価値を生み出す存在になりたい。そんな思いから、前車氏は32歳で大手証券会社を辞め、20人規模のスタートアップにCFOとして飛び込んだ。

「エクイティファイナンスやM&Aのキャリアを活かせて、かつ新しいものを生み出せる。その掛け算でCFOを選んだのですが、相性もあり、比較的早期に退職しました」。次の行き先を決めずに会社を辞め、"ニート"状態にあったとき、前車氏は渡邉氏と出会う。当時ROLEUPはまだ三期目。「新しい価値を生む、組織を作るというフェーズに、まさにあった」。変化率の高さに惹かれ、前車氏は参画を決めた。

横断ワンプール型が生む、成長速度と評価

セッションの終盤は、視聴者からのQ&Aに時間が割かれた。中途・キャリア採用を検討する参加者からの、踏み込んだ質問が相次いだ。

中途入社後、どのくらいの期間でパートナークラスに到達できる? 昇進の評価基準は?

「基本的には、FASやコンサルティングファームに近い職位体系です」と渡邉氏。アナリスト → アソシエイト → シニアアソシエイト → マネージャー → シニアマネージャー → ディレクター → アソシエイトパートナー → パートナー、という段階を踏む。ただし、ROLEUPの成長速度は"出来上がったファーム"とはまるで違うという。「未経験のアナリストから入っても、半年から1年ほどで、みんな一つ職位が上がります。他のファームより、職位が一つひとつ高い水準感かもしれません」。

その象徴が前車氏だ。シニアマネージャーとして入社し、1年ほどでアソシエイトパートナーへ。「私自身、30代はずっといろんな場所でトップセールスだったのですが、初めてトップセールスを抜かれました。前車を上げないわけにはいかない、と」。年収水準はBIG4のパートナーやコンサルティング会社と同様に設計され、加えて成功報酬が青天井で乗る仕組みだという。

横断プールで、FA・DD・PMIをどんな割合で経験できる? CFOやPEファンドへのステップアップ事例は?

「みんなここでビビるんですが、ビビっちゃダメなんです」と渡邉氏は笑う。「崖から突き落とされて、登るときに人は成長する。得意な領域を一旦やってもらうことが多いですね。苦手を直すより、得意を伸ばした方がいい」。目安として示したのは、「自分が一番得意な領域を7割、やってみたい領域を2割、その他を1割」という配分だ。「FA案件をやって、そのまま投資先のPMIに入ればいい。全部を自分でやる必要はない。自分でコントロールできて、あとは専門家やAIを使えればいいんです」。

一方で、同社経由で社外CFOやPEファンドの投資マネージャーへ"転籍"した事例については、率直に「今のところ、まだない」と明かした。創業4年弱で、社員の転籍・独立による離職はごく一部にとどまるという。「むしろ今、私自身がファンドレイズを進めていて、投資ファンド側や、クライアントのCxOへ送り出していく道を構想している。プロ経営者やCFOとして派遣したり、PEファンドへ出向して投資経験を積ませたりといったケースは、すでにあります」。

M&A未経験でも厳しい? スモールキャップでの若手の関与スコープは?

「厳しくないです。センスがあれば、すぐできる」と渡邉氏は言い切る。「新卒からフロントに出しています。プロフェッショナルは年齢に関係ない。50でも60でも、同じレベル感で仕事をしてクライアントに信頼されればいいんです」。そしてスモールキャップの領域では、若手一人に任される範囲が大きく広がると強調した。「ラージキャップにいた頃の10倍くらいに広がる。30代前半で、いきなり300人規模の会社のNo.2として社外取締役に、というような経験もできる。そこが成長を一気に加速させるポイントなんです」。

これから挑戦する人へ――「掛け算」と「コミュニケーション」で勝てる場所を

プロフェッショナルスキルは、ある程度のレベルに達するとコモディティ化し、AIに代替されていく――渡邉氏はそう繰り返した。「だからこそ、最低限のスキルは30歳までにしっかり身につけてほしい。でも、その先を分けるのは人間力なんです」。

ROLEUPが目指すプロフェッショナル人材プラットフォーム

「残るのは、コミュニケーション能力と、人と対話する能力ですよ」。お客様が何を求めているかを捉え、マーケットインで課題解決のソリューションを打てるか。それは社会課題を解決して事業を作ることと同じだ、と渡邉氏は説く。「掛け算を、いかに上手にできる環境で働き続けられるか。"ここで勝てる"という自分のポジショニングを見つけられるか。それがキャリア形成のすべてです」

社名の「ROLE UP」には、多様な人材を巻き込みながら、自分たちが持っていないリソースや才能を束ね、シナジーを生んでいく――という思いが込められている。株主、取引先、仕入れ先、従業員。"四方よし"の満足度を満たすソリューションを打てれば、会社は必ず伸びる。そしてその先には、後継者不在に悩む中小企業の「経営の承継」という社会課題がある。人材紹介業の免許を持つROLEUPは、M&Aと同時にプロ経営者・CxOを紹介し、事業承継の"経営の空白"を埋めることにも取り組む。

前車氏は、最後にこう語りかけた。「M&AやFASの専門性を身につけたいという方はもちろん、それにとどまらず、この業界の勢力図を変えてやる、新しいカテゴリーを生み出してその領域でナンバーワンになる――そんなビジネスを作っていく感覚を持った人と、ぜひ一緒に働きたい」。ROLEUPには今、多様なキャリアのメンバーが集まっている。自分たちが持っていないスキルやキャラクターを持つ人が加わることで、会社全体が成長していく。

「どんなキャリアも否定しない。それをどう生かしていくかを、必死に考える方々と一緒に働きたい」。渡邉氏の言葉で、セッションは締めくくられた。投資と経営、その両輪を操る"次世代型プロフェッショナル"を志す人にとって、ROLEUPという選択肢は、修行の場として一考の価値があるはずだ。

※本記事は2026年5月28日開催「外資就活ネクスト PITCH」Day3におけるROLEUPのセッション内容をもとに構成しています。役職・経歴等は登壇時点のものです。

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
外資就活ネクストは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。