【メン獄さん連載#2】コンサルで長く活躍する人の共通点

コンサルで「派手に活躍する人」と「長く活躍し続ける人」は、必ずしも同じではない。燃え盛る案件を鎮火して喝采を浴びる人よりも、そもそも火を出さない人こそ本当に優秀――。大手総合系ファームで約12年、管理職まで務めたメン獄さんは、そう語る。評価されにくい「守備の名手」、予算を握るキーマンの見極め方、そしてエースの条件まで。コンサルで長く活躍する人の共通点を、著書『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)の内容も交えて聞いた。
大手総合系コンサルティングファームに新卒で入社し、アナリスト・コンサルタントから管理職(シニアマネージャー)まで約12年にわたって在籍。官公庁や大手通信事業の業務システム改善・運用設計、PMO(工程管理支援)などに従事した。現在は医療系スタートアップに転じ、自治体や医師会向けの渉外・企画営業を担当している。コンサル時代の実体験をまとめた著書『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』(文藝春秋)が話題を呼び、YouTubeチャンネルの登録者は1万人を突破した。
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本当に優秀なのは「守備の名手」
――コンサルで長く活躍する人には、どんな共通点がありますか。
メン獄さん:僕が心底「この人はすごい」と思うのは、守備の名手タイプです。仕事のできるエース級のプレーヤーは、トラブルが起きてから対応するのではなく、先回りして「即死ルート」をあらかじめ潰して回っている。火事を消す人ではなく、そもそも火を出さない人ですね。
――ご自身は、最初から「守備」ができていたのですか。
メン獄さん:いえ、まったく(笑)。僕がいちばん苦しかったのは、シニアスタッフから管理職に役割が変わるタイミングでした。スタッフのころは「とにかく辛い仕事に耐える」のが最低条件で、周りが体調を崩して倒れていくなか、「明日も出社しさえすれば上位に残れる」くらいのスタンスで、とにかく出社し続けることだけを考えて乗り切っていた。
でも、その「耐えるだけ」のやり方は、管理職になった瞬間に通用しなくなります。リスクの芽を先回りして摘む――守備側に回らないと、今度は自分が潰れてしまう。僕自身が一度そこで死にかけたからこそ、「守備の名手」の大切さを痛感しているんです。
――ただ、火を出さない人は目立たない気もします。
メン獄さん:そこが難しいところで、守備の名手はとにかく評価されづらいんです。派手に燃え広がった案件を、後から入ってきた人が小さな火をパンパンと消して「あれは俺が鎮火させた」と言うと、すごく目立つ。でも本当に優秀な人は、そもそも火を起こさないから「あいつは簡単な仕事ばかりしている」と誤解されがちなんですよね。
それでも、見ている人はちゃんと見ています。管理職になると、潜在的なリスクの兆候を見て見ぬふりをせず、火種のうちに潰しに行くことが必須になる。着火してから逃げようとしても、管理職の立場では逃げられませんから。若いうちから守備の意識を持てる人は、結局いちばん長く活躍します。
見るべきは「予算を持つキーマン」