若手MBBが20代で商社に「キャリア利確」するワケ|コンサル・外銀から総合商社への転職という選択
・総合商社のキャリア採用が、採用者の約4割に達している実態
・MBB・外銀の20代が、短期的な年収ダウンを受け入れてでも商社へ動く理由
・コンサルの高年収が「継続的な昇進」を前提に成り立っている構造
・海外駐在・住宅・教育費まで含めた、額面には表れない総合商社の経済合理性
・市場価値が最も高い20代に、キャリアを一度「利確」するという発想
第1章 なぜMBBの若手が、総合商社の門を叩くのか
総合商社の応募者リストに並んでいた意外な社名
以前、総合商社の中途採用の面接官を担当したことがある。基本的に総合商社くらいの人気企業になると、人事部だけで一次面接などの採用面接官を賄いきれないので、各本部のそこそこ信頼が置けそうな役職者に、面接官が任されることになるのだが、そこで目についたのが、コンサルティングファームや投資銀行からの応募者の多さであった。
戦略コンサルではマッキンゼーやBCG、総合コンサルではアクセンチュアやデロイトが目立ち、中には米系・欧州系の投資銀行や日系投資銀行から応募してくる人もいた。
総合商社のキャリア採用というと、特定業界で長く経験を積んだ30代以降の人材がその専門性を買われて入社するケースを想像しやすいだろう。
しかし、実際には世間的には就活勝者と呼ばれる20代のコンサルタントやバンカーも相当数含まれていた。しかも、戦略コンサルで10年近く働いた後に事業会社へ移ろうとしている人ばかりではなく、20代後半あたりの入社5年目前後で一度プロモーションを経験した程度のタイミングで応募している例が非常に多いことは、世間ではあまり知られていないだろう。
激務系エリサラが商社を受ける理由
マッキンゼーやBCG、外資系IBDに入社した20代であれば、転職を急がなくても選択肢は多いように思える。戦略コンサルで次の職位を目指すこともできれば、別のコンサルティングファーム、PEファンド、スタートアップなどへ移る道もあるからだ。
特に、このような外資系プロフェッショナルファームでは20代で年収2,000万円を超えることも珍しくなく、総合商社への転職によって短期的には年収が下がるケースが殆どだ。
現在の総合商社の給与テーブルでは、業界トップの三菱商事と三井物産が30歳に差し掛かる頃の年次で年収2,000万円にようやく到達するかしないかくらいの給与水準なので、外銀や戦コンから転職する場合、短期的には年収ダウンを受け入れることになる。
それでも20代のうちに総合商社へ応募する人がいるという事実は、転職時点の年収だけでは説明できないなにかがあるということだろう。