はじめに
Liigaの読者の中には、若手戦略コンサルタントの方や、現在戦略コンサルタントを目指している方も多いと思います。
入社年次に関わらず、実力次第でスピーディーにポジションが上がる戦略コンサルティング業界に期待する一方で、「生き残ることができるのか?」「昇進できるのか?」と不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、大手メーカーから外資系戦略コンサルティングファームに転職したBさんに、「戦略コンサルタントの職位ごとの役割・仕事の違い」や、「プリンシパルやパートナーへの昇進プロセス・評価ポイント」を伺いました。
マネージャーとプリンシパルの違いは、担当するケース数
ーーまず、今までの御経歴をお聞かせください。
新卒で大手メーカーに入社し、その後半年間海外留学を経験し、帰国後に外資系戦略コンサルティングファームに中途入社しました。現在入社して3~4年になります。大手メーカーから戦略コンサルに転職した理由は色々ありますが、キャリアの幅を広げたいと考えて転職しました。また、ビジネスの上流に携わることができる点も、戦略コンサルタントに魅力を感じた理由の一つです。
ーー現在はどのような案件に従事されているのでしょうか。
前半は幅広く様々な業界を担当していましたが、後半からは自動車業界をメインに担当しています。案件としては、私は業務効率化やコスト改善のテーマが多いです。
具体例を挙げると、全社的なホワイトカラーの業務改革などのプロジェクトを推進しています。プロジェクトについてもう少し詳細をお話しすると、まず企画・人事・財務・広報などのバックオフィスの人員数を10%削減する、というような目標数を設定します。そして削減した人員は、新規事業などプロフィットサイドに配置転換を行うのです。このようなことを企図したプロジェクトを推進しています。
ーー戦略ファームの場合、職位やキャリアパスは一般的にどのようなものがありますでしょうか。
一般的には下記のように数段階あります。
アナリスト
↓
アソシエイト
↓
コンサルタント
↓
マネージャー
↓
プリンシパル
↓
パートナー
↓
シニアパートナー
上記の職位を一つ一つ出世していくキャリアパスが一般的だと思います。新卒の場合はアナリストから入社し、中途の場合は通常アソシエイトに入社することになります。私は中途入社でアソシエイトから入社し、現在の職位はコンサルタントになります。
ーー各プロジェクトにおいて、アサインされたコンサルタントはどのように役割分担をしているか教えていただけないでしょうか。
各自の役割はアサインされたプロジェクトの中で決定されます。プロジェクトにアサインされるメンバーの組み合わせとしては、
- パートナー:1名
- マネージャー~プリンシパル:1名
- コンサルタント~アソシエイト:3~4名
という組み合わせが一般的です。
ーー各ポジションごとに役割や仕事は、どのように違うのでしょうか。
まずパートナーは、プロジェクトの最終責任者として、全体の管轄を担います。同時にいわゆる「営業」が仕事です。営業をかけ3~5個のプロジェクトを獲得しつつ、獲得したプロジェクトの最終責任者として推進することが仕事です。
そしてマネージャーかプリンシパルが、プロジェクトを実際に運営する「ケースリーダー」の役割を担います。マネージャーとプリンシパルの違いは、「担当するケース(案件)の数」です。マネージャーは1個のケースを担当しているのに対して、プリンシパルは通常2~3個のケースを担当しています。
1つのプロジェクトには、ケースリーダーの下に3~4人のメンバーがアサインされるのですが、ポジションによって担当するモジュール(課題)が分かれます。
つまり、コンサルタントとアソシエイトの違いは、仕事内容のモジュールの大きさです。アソシエイトはコンサルタントよりも、比較的小さなモジュールを担当していきます。
例えば、2人のコンサルタントと2人のアソシエイトがいて、30グループのヒアリングを主導するようなモジュールがあったとします。その場合の役割分担は、アソシエイトの役割はヒアリングを1件1件全て行うこと、コンサルタントの役割はアソシエイトのヒアリング結果をとりまとめ、顧客の課題ととるべき戦略を導出することです。このように、職位により仕事内容が変わります。
マネージャー以上で、「勤務時間リミッター」が外れてしまう!
ーーファームによってはマネージャーより上の職位への昇進が難関と耳にしたことがあります。プリンシパルには何%の人がなるでしょうか。
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