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2017年以降、ヘルスケアAI(人工知能)などを手掛ける創業数年のベンチャー企業が続けざまに4度、累計では150億円超になる資金調達を発表し、注目を浴びている。その名は、FiNC Technologies。調達規模、そしてNEC、SOMPOホールディングス、三菱地所といった調達先のそうそうたる顔ぶれからは、期待値の高さに加え、財務戦略の強力さもうかがえる。同戦略を指揮するのが、ゴールドマン・サックス(GS)に約15年勤めた後、2015年にFiNC Technologies(当時はFiNC)に参画した小泉泰郎CFO。日本興業銀行(興銀=現みずほ銀行)時代も合わせ30年近くの金融歴を持つ元重鎮バンカーは、事業創出の難しさに直面しつつも、豊富な経験に裏打ちされた“強さ”を見せつけている。
「資金調達するなら、どこにお金を出してもらいたいだろうか?」51歳でFiNC Technologiesに入社した小泉氏はある日、幹部10人ほどを集め唐突にこう尋ねた。ベンチャーにとって調達先の名は、ブランディングにもつながる重要事項。居合わせた面々は、思い思いに自らの希望を述べる。「あの会社からお金を出してもらえたら、かっこいい」「あの会社と一緒に何かやりたい」-。金融系のほか、自動車や電機のメーカー、メガベンチャー、はたまた海外の巨大IT企業など…ホワイトボード上にはそうそうたる企業の名が50社ほど、調達先候補として並んだ。
「上手くいくか断られるか分からないけど、これらの会社からあたってみよう」。小泉氏のこの号令で、怒涛の“調達劇”は幕を開けた。
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