バリバリの商社マンがコンサルティングファームに転職したらいったいどうなるのか?
元伊藤忠商事の営業担当だった相川さん(仮名)は、総合商社→コンサル転職の成功者の一人です。しかし、そんな彼は「コンサルは商社と真逆のロジハラ地獄だった......」と総合商社→コンサル転職の大変さを語りました。
今回の取材では相川さんに「総合商社とコンサルティングファームの違い」「商社マンが転職成功するためのポイント・注意点」について伺いました。
・「俺、頭を使ってなかったんだな……」。「コンサルって楽しそう」で転職した途端、毎日ロジハラの餌食に
・「転職した理由は、商社だと家族と全く会えないから」コンサルの方が商社より家庭を大切にできる意外な理由
・「30代前半で年収1,500万円弱。生涯年収は同じくらい高い」「働く人のキャラは真逆」総合商社とコンサルの違いとは?
・商社マンの強みは「コミュ力」「専門性」「泥臭いリサーチ力」
「俺、頭を使ってなかったんだな……」。「コンサルって楽しそう」で転職した途端、毎日ロジハラの餌食に
――まずお聞きしたいのですが、商社マンはコンサルに転職して活躍できますか?
相川:私は難しいと思います。なぜなら商社とコンサルファームでは求められるスキルがまったく違うからです。
商社マンにロジックはあまり求められませんが、コンサルにとってはロジックがすべてです。
相反する業種なので「楽しそう」という感覚だけで商社マンが転職すると、強烈な”ロジハラ”を受けるケースが少なくありません。
――ロジハラとは、どんなことをされるのですか?
相川:理詰めによる「能力の全否定」ですね。
商社マンの仕事は、仮に失敗しても為替や原材料価格の高騰などの外的要因を理由に“言い逃れ”することができます。
ところがコンサルではそういった言い訳をすると、「リサーチ不足」「適切な観点から分析できていなかったせい」などと、一刀両断されてしまい、能力を全否定されます。
これはかなりきついですよ。
――商社マンの強みはコンサルファームでも十分に生かせそうですが、そうではないのですか?
相川:確かに強みはありますが、働き方の違いが大きなハンデになります。分析が好きで得意だと思っていた私ですら「俺って頭を使っていなかったんだ」と最初にリサーチ業務をやったときに気づかされました。
――難しい仕事だったんですか?
相川:いいえ。新卒1年目でも任されるような基本的な仕事です。ある企業がやっているビジネスがどんなもので、どういう方向を目指しているのか、という情報をまとめるだけでした。
自分の中ではできたつもりだったのですが、上司に資料を提出すると、できていない部分を山ほど指摘されましたね。
伊藤忠商事時代なら「次は気合いで頑張ります!」と言えば「よし! 許す!」と言われて、精神論が通用する面もあったんでけどね(苦笑)。
――商社だとロジックが通っていなくても、気合でごまかせるんですね。
相川:そうです。なぜなら商社はロジックよりも、「この人はいっぱいお酒を飲んでくれるから」や「出張で楽しいところに連れてってくれるから」の方が大事だったりすることもありますから。
ただコンサルの仕事は違います。「売り上げを上げるのにはどうすればいいのでしょう?」という質問に対して「頑張ればなんとかなります!」は、当然ながら絶対NGです。
原因やその要素、改善点をきちんと説明することを求められます。
――本当に180度カルチャーが違うんですね。
相川:そうですね。商社からコンサルに行く人は多いのですが、最初はみんなかなり苦労しているはずです。これからコンサルを目指す商社マンの人は、求められるスキルの違いをよく理解したうえで行動に移すべきだと思います。
「転職した理由は、商社だと家族と全く会えないから」コンサルの方が商社より家庭を大切にできる意外な理由
――コンサルに転職しようと考えた直接の理由は何ですか?
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