働き続けないと「ださくなる」。食うに困らなくなった人には、世界をもっと変えてほしい
2020/12/02
#あなたはいつまで働くのか
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(写真:本人提供)

特集「あなたはいつまで働くのか」の第3回で話を聞くのは、株式会社経営共創基盤の共同経営者・塩野誠さん。塩野さんはこれまで、偉大な人でも一夜にして大金を稼ぐようなことがあると働かなくなり、その結果として衰え、“ださく”なってしまうのを幾度も目にしてきた。そのたびに悲しい思いを抱きつつ、「食うに困らない立場になった人たちには、もっと世界を変えるような面白いことをしてほしい」と感じてきたという。【丸山紀一朗】

〈Profile〉
塩野誠(しおの・まこと)
株式会社経営共創基盤(IGPI) 共同経営者・マネージングディレクター。
1975年生まれ。慶應義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士。ゴールドマン・サックス、起業、べインアンドカンパニー、ライブドアなどを経て現職。国内外において企業や政府機関に対し戦略立案・実行のコンサルティング、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャー/プライベート・エクイティ投資を行う。2年ほど前からはフィンランドのヘルシンキを拠点に活動しており、欧州やロシアをカバーしている。




 

世界は簡単に変わる。ロールモデルなんてくそ食らえだ

――「いつまで働くのが幸せか」という問いに対して、どういう考えを持っていますか。

塩野:大前提として、いつまで働くのがいいかは人それぞれでいいと思います。

また、外資就活ドットコムやLiigaの読者に一番伝えたいのは、「ロールモデルなんてくそ食らえ」ということです。どんどん変わる未来において、これまでの成功体験を語る人をロールモデルにする必要はない。偏差値のような1つの指標で競争しているわけではないので、いろいろなスタイルがあっていいのです。

――世界はどんどん変わるので、いつまで働くかに対する自分の考えも変わりうるということでしょうか。

塩野:はい。例えば私は2003年に戦略コンサルティングファームからベンチャーキャピタル(VC)に移籍したのですが、周りのみんなに「え、何で?」とか「終わったな」とかいわれました。しかし今は戦略コンサルからVCというキャリアを選ぶ人は少なくありません。世界は簡単に変わります。

また、今から10年ほど前、コンサルタントとして「AI(人工知能)のプロジェクトをやりましょう」と企業を回ったのですが、その多くが「何ですか、そのSFみたいな話」と全く取り合ってくれませんでした。今は完全に状況が変わった。私は、そういうふうに世界が手のひら返しをしてくる渦中にずっといた。そしてある意味、ずっとばかにされ続けてきました。

もう一度いいますが、世界は簡単に変わる。社会人になると「学力テスト」で競争しているわけではないので、個々の自由な生き方が選べます。社会自体も数年で大きく変動するので、「いつまで働くか」を今計画しても大体その通りにはいかない、という前提で考えたほうがいいです。新型コロナウイルスの影響で、2020年の1年間だけでも世界は大きく変わってしまいましたし。

「ワークライフミックス」のほうが価値が出せる世の中になってきた

――塩野さんの場合は、そもそも「働くこと」とそれ以外をあまり分けていないのでしょうか。

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コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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