スマホで会社を売買する時代まであと一歩!?イノベーション前夜ともいえる日本のM&Aマーケット
2022/04/26

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日本経済のボトルネックともいわれるM&A。その活性化にITの力で挑んでいるのが株式会社M&Aクラウドだ。2018年にオンラインM&Aプラットフォーム「M&Aクラウド」を立ち上げ、第1号案件で9.2億円の大型ディールを実現。オンライン活用によるM&Aの潜在ニーズとそのポテンシャルを証明し、注目を集めた。その後も同社は急成長を遂げ、現在ではプラットフォームサービスだけでなく、M&Aや資金調達を検討している企業に対するアドバイザリー事業もスタートさせている。代表の及川厚博氏に、日本のM&Aと同社の未来について話を聞いた。

〈Profile〉
及川 厚博(おいかわ あつひろ)
2011年、大学在学中にマクロパス株式会社を創業。東南アジアの開発拠点を中心としたオフショアでのアプリ開発事業を展開し、年商数億円規模まで成長させる。2015年に会社を事業譲渡。その際、企業価値の算定や買い手探しなどさまざまな困難に直面し、日本のM&Aが経営者にとって「ブラックボックス」状態であることを痛感する。そうした課題をテクノロジーの力で解決したいという思いから、2015年株式会社M&Aクラウドを設立。Forbes NEXT UNDER 30選出。

※内容や肩書は2022年4月の記事公開当時のものです。

登録社数7800社、月間マッチング数300件。10億円の資金調達で、新しいフェーズに突入

――2021年10月、ベンチャーキャピタル(VC)と事業会社、計8社から計10億円の資金調達が完了し、大きな話題となりました。

及川:ありがとうございます。巨大な未開拓市場への期待と、テクノロジー×M&Aという独自のポジションを有する当社の将来性を評価していただいたと感謝しています。マッチングプラットフォームである「M&Aクラウド」は2018年4月のサービス開始以来、直近で売り手企業の登録社数が約7800社、買い手企業の掲載社数が約490社と飛躍的に成長してきました。

月間のマッチング数が300件、国内IT上場企業の20%が買い手としてM&Aクラウドを利用している状況です。こうした急成長を受けて、当社も新しいフェーズに入っています。調達した資金は、今後活況を呈していく業界をリードしていくための人材獲得などに充てる予定です。

――国内のM&Aの現状について教えていただけますか。

及川:世界水準と比べると日本のM&Aは極めて少なく、例えばスタートアップ企業のEXITにおけるM&Aの比率は、米国の3分の1にすぎません。現在はスタートアップに対する投資環境が整備され、年間数千億円の投資がおこなわれており、起業の数も右肩上がりです。これ自体は素晴らしいことですが、一方で、その資金の出口戦略がIPOにほぼ限定されていることは問題だと考えています。

そもそもIPOは年間100社程度が上限であるため、そうなると必然的に資金の循環が止まってしまいます。これは投資家にとっても起業家にとっても大きな損失ですし、何より次のイノベーションが生まれません。

もう1つは事業承継です。日本には黒字経営で後継者がいない60歳以上の経営者が55万人もいます。しかし、そうした中小企業のM&Aは年間1500件しか実現していません。これは仲介を手がける人材が圧倒的に不足していることが原因です。大手仲介3社のコンサルタントを合わせても約600人しかおらず、しかも1人あたりの平均成約件数は年間約1.2件です。

それぞれのコンサルタントが顧客を囲い込んで情報をクローズするため、生産性も上がりにくくなり、その結果仲介手数料も高くなります。これもM&A普及の足かせとなっています。こうした状況をITの力で解決しようと立ち上げたのが、M&Aクラウドです。

――それがまさに「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」というミッションにつながるわけですね。創業の背景をもう少し詳しくお聞かせください。

及川:もともと私は学生起業家で、IT関連の事業を手がけていました。起業したのは、ちょっと面映ゆいのですが〝歴史に名を残せるような人間になりたい〟という思いから。子ども時代、読みたくもないのに親から偉人伝を買い与えられたり(笑)、思春期に司馬遼太郎の小説にはまった影響だと思うのですが、自分も歴史を変えるような人間になりたいと思っていました。

そんな理由から起業して、学生ながら売り上げ4億円、利益4000万円、社員数が30人ほどの会社になりました。しかし事業内容は一般的な受託開発で、歴史に名を残せるような、世の中の課題を解決するようなビジネスとはとてもいえない。ただ、受託をやめて新たな事業を立ち上げたくても、会社自体はうまくいっているし、私以外の社員は受託のままでいいじゃないかという考えでしたので、その気持ちも尊重しなくてはなりません。考えた末に、お互いにとって最善の選択としてM&Aを決めました。

ただし、当時の私はM&Aの経験も知識もありません。相談をした仲介会社のコンサルタントは私の会社の事業内容を理解できず、結局は取引先に譲渡したのですが、のちに相場より6億円ほども安く売却してしまったことを知りました。

M&Aは経営者にとって極めて大きな意思決定なのに、情報が少なすぎる。ブラックボックス化していて身近なものになっていないことを痛感しました。そして同時に、M&Aの活性化は時代の要請であることも強く感じましたね。日本経済にとってボトルネックになっているのも、まさにM&Aなのです。もっと情報をオープンにして、ユーザーフレンドリーなテクノロジーを使えば、巨大な市場を開拓できるし、歴史の主役になれる。そう考えたことが、M&Aクラウドを創業した大きな理由です。

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他社が追随できない規模と質。先発優位性は揺るがない

――M&Aクラウドのプラットフォームとしての強みは何でしょうか。

及川:会社の売り手と買い手をマッチングさせるプラットフォームとして、私たちは先駆者です。買い手を掲載して売り手を集めて成約させるという仕組みは日本初のものですし、すでに高い知名度と実績もあります。プラットフォームは他社が追随できない規模とクオリティーに成長しており、少なくとも今後しばらくは先発優位性を保持した状態で戦うことができるでしょう。

また、われわれ自身もテクノロジーを軸とした企業ですが、現在のM&AマーケットではIT関連企業の売買が非常に多いんですね。しかもこれから全産業がIT化していく中で、IT関連企業同士のM&Aだけでなく、別業界からの売買ニーズも高まってきます。その一方で、既存の仲介会社のコンサルタントはテクノロジーの知識が乏しく、企業理解を深めてIT業界のM&Aを実現させることはなかなか難しいのが現実です。

先ほども申し上げた通り私自身が事業売却したときに感じた課題でもありますが、そこをサポートできるプレーヤーとしてM&Aクラウドの存在感は増し続けています。

――サポートという点では、プラットフォーム事業に加え、マッチングをアドバイザーが支援するアドバイザリー事業もスタートしたと伺いました。

及川:MACAP(M&A Cloud Advisory Partners)というブランド名で、2021年から正式にチームを立ち上げています。M&Aの市場は過渡期ということもあって売り手も買い手も経験とリテラシーが不足しているので、プラットフォームだけではお客様のニーズに応えられないケースもあったわけです。「戦略面や資金調達のアドバイスがほしい」「そもそも忙しいのでエージェントに丸ごとお願いしたい」といった経営者のニーズに応えるために、事業化に踏み切りました。

当社では「2nd Priority」というバリューを掲げています。どんなときでも「顧客第一」の姿勢を貫き、ほかのことは2番目以降に置いておく。今回の新サービスも、そうしたスタンスを基に顧客ニーズから逆算して立ち上げたということですね。

――どんなプロジェクトを支援しているのでしょうか?

及川:MACAPの第1号案件は、DeNAによるサッカークラブのSC相模原への資本参加のサポートです。SC相模原は元Jリーガーが個人で旗揚げしたチームなのですが、社会人リーグからJ3、J2へとステップアップしていく中で、高度なプロスポーツ運営のノウハウを持つ企業とのアライアンスが必要になってきた。そこで我々がマッチングしたのが同じ神奈川県を拠点にする横浜DeNAベイスターズなどを運営するDeNAです。

データ分析やチームの強化にITがどう貢献できるのか。近年はスポーツDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉も出てきていますが、DeNAが経営に参画することでSC相模原にどんなメリットがあるかを丁寧に説明しながらディールをまとめていきました。まさに、IT領域に強い私たちだからこそ実現することができた案件だったと思います。

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専門性+αで高度人材を育成。スタートアップのCFO代行も

――今後MACAPのアドバイザー採用を拡大していく予定とのことですが、やりがいはどんなところにありますか?

及川:当社の場合、アドバイザーはM&Aや資金調達のアドバイザリー業務だけでなく、たとえば自社のブランディングや採用といった他業務も並行して担当します。これは専門性を磨きながら他分野に仕事の幅を広げ、人材の成長につなげることが目的です。当社がバリューの1つに掲げる「10 Player」という思想(いわゆるT型人材にInvestorの視点を加えた「十」型人材を目指す)をベースにしています。

M&Aを手がける会社は一般に分業制が進んでいて、例えばソーシングとエグゼキューションを完全に分けていたりするのですが、我々はあえて分業化しません。エクイティストーリーの作成から、バリュエーション、デューデリジェンス、交渉の立ち会い……さらにはディールが決まったあとの広報やインタビューを手がけることもあります。

大変ではありますが、成長を求める人にとっては大きなやりがいではないでしょうか。もちろん、それに応じた報酬やインセンティブを用意していますし、ストックオプションも含めて待遇面では他社には負けないと思います。

アドバイザリー業務の一環として「CFOコミットメント」というサービスもあります。これはスタートアップ企業にMACAPのアドバイザーがCFO代行の形でコミットし、資金調達や事業売却などの財務サポートをおこなうものです。現在のメンバーには、将来的にスタートアップでCFOをやりたいとか、自分自身で起業したいという人も多いので、そのための知識や経験を得られるというメリットもあります。やはり活力あるスタートアップに関われるのは醍醐味(だいごみ)だし、働く人にとっても魅力なのではないでしょうか。

――資金調達も完了し、市場の追い風もあります。今、M&Aクラウドに参画するメリットは大きいといえそうですね。

及川:創業当初の思いは、「スマホで会社が売買できる世の中を作りたい」でした。まだそこに到達はしていませんが、プラットフォーム上で数億円規模のM&Aがいくつも決まるようになって、イノベーションを起こす入り口には立てたと思います。

今、M&Aクラウドは“瀬戸際”にあります。いや、瀬戸際というのは、資金調達も完了して、これから爆発的に成長する直前、という意味です(笑)。まだ社員は50人ほどですから組織として固まっているわけでありません。今参画すれば将来「自分がこの会社を上場させた」と言えるくらいの段階。それでいて、収益基盤が安定し、資金面に対するリスクもありません。言ってみれば、そういうドンピシャなタイミングなんです。

繰り返しになりますが、M&Aの市場規模は非常に大きく、しかも私たちのようにテックを駆使したプレーヤーはほとんどいない。M&Aクラウドは時価総額10兆円企業という大きなビジョンを掲げていますが、本当に歴史に名を残すための条件はそろっています。皆さんと、その興奮とやりがいを共有できればうれしいですね。

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コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
外資就活ネクストは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。