ポストコンサルで得た事業開発の経験。そのキャリアは“Speeeの次”へも広がる
2022/10/26

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不確実な時代、特定領域の事業会社へ飛び込むことに不安を覚える人は多いだろう。とはいえ、コンサルティングファームで働き続ければ安泰だとも言いきれない。そんなポストコンサルのキャリア課題に対して、新たな可能性を提示するのが株式会社Speeeだ。

「事業を開発する、という事業。」をビジョンに掲げる同社では、データを活用したコンサルティングと新規事業開発を並行して進める部隊が存在感を発揮しているという。

領域にとらわれることなく、事業作りと社会実装を繰り返す環境で得られる力とは何なのか。

約10年間Speeeの事業開発に携わり、経営企画本部長を務める渡邊洋介氏。創業期のSpeeeに入社しさまざまな事業開発に携わった後、複数の会社の支援や企業役員を務めながら同社の事業戦略推進に関与する“元Speeeの現役コンサルタント”松山高和氏。2人のキーマンがポストコンサルの可能性を語り合った。

〈Profile〉
写真左/渡邊洋介(わたなべ・ようすけ)
株式会社Speee 経営企画本部長。慶應義塾大学卒業後、大手企業でマーケティングやデータ分析、新規事業創造などに約5年間従事。MBAを取得した後、2012年にSpeeeへ参画。事業責任者として3つの新規事業の立ち上げを行う。2015年より全社横断のデータ分析部門の責任者を兼務。現在もデータを活用したR&D部隊として、さまざまな事業・部門のアルゴリズム構築や戦略支援に従事。2017年から経営企画部門を立ち上げ、経営全般の推進、戦略の策定などを担う。
同右/松山高和(まつやま・たかかず)
京都大学卒業後、2007年にアクセンチュア株式会社に入社し、官公庁・通信系企業・医療機関などの戦略・ITコンサルティング業に従事。2010年、現Speee代表取締役である大塚英樹氏とともに株式会社RiTAKEを設立し、取締役就任。転職・求人系Webサービスを複数立ち上げた後、2011年に売却。その後創業期であるSpeeeへ参画し、Webサービス・スマートフォンアプリの事業立ち上げ・企画・開発から、全社戦略・マーケティング・人材採用・グループ会社代表などを担った。現在はベンチャー企業の経営コンサルタントとして、Speeeをはじめ数々の企業で経営や事業開発のアドバイザーを務め、複数のベンチャー企業顧問やエンジェル投資も務める。

※内容や肩書は2022年10月の記事公開当時のものです

大手企業とコンサル。異なる場所からSpeeeに見いだした可能性

――渡邊さんは大手企業の出身で、その後Speeeに入社していますね。

渡邊:2004年に新卒で大手企業へ入社し、新規事業開発などを担当していました。ゼロから企画に携われることには満足していましたが、大手企業では実行フェーズになるとなかなか裁量を持てません。

マーケティングや商品開発は私が担っていましたが、営業、システム開発、戦略など実行のフェーズになると各部門に陣取る40〜50代のベテランに委ねるしかない状況で、悶々としていましたね。

その後はMBAを取得し、知人の紹介でSpeeeを知りました。当時の私はプランニングばかりやってきて実行フェーズを知らない、頭でっかちの30歳。そんな自分を鍛える場所として、いろいろなベンチャーと比較した上で、Speeeは相性がいいと感じました。

――Speeeの「相性の良さ」はどんな部分に感じましたか。

渡邊:ベンチャーといえばカリスマ的な経営トップがぐいぐい引っ張っていくイメージで、現にそうした企業も少なくありませんでした。

一方でSpeeeは、経営陣だけでなく誰と話しても「事業を作っていく」ことを強く意識していたんです。理論的かつ合理的に、そして健全に議論しながら事業作りと向き合える環境であることに魅力を感じました。

――松山さんはアクセンチュア出身です。最初のキャリアでコンサルティングファームを志した理由を教えてください。

松山:私は学生時代からインターネットやウェブサービスに触れるのが好きで、いずれは事業会社へ進んで自分でサービスを作りたいと思っていました。ただ自分は根が「怠け者」だと思っていたので、まずは厳しい世界でビジネスの基礎を身に付けたいと考え、アクセンチュアに入社しました。

――どのような経緯でSpeeeへ入社したのでしょうか。

松山:アクセンチュア時代に、共通の友人を介して現Speee代表取締役である大塚英樹と知り合いました。当時の彼は起業パートナーを探していて、自分でサービスを作りたいと思っていた私と波長が合ったんですよね。

互いに本業の仕事をしながら、週末になれば喫茶店にこもってどんなサービスを作るか話し合っていました。その後ウェブサービスを立ち上げ、法人化し、事業が軌道に乗ったタイミングで私はアクセンチュアを退職しました。

その翌年、2011年に大塚がSpeeeの代表に就任しました。当時のSpeeeはまだ40人くらいの規模でしたが、既存事業の枠にとらわれず、スマホ普及期のトレンドを見据えてアプリ開発などの新規事業に積極的に取り組んでいました。

その話を聞いた私は「自分のビジネス人生でこんなビッグチャンスは二度と来ないかもしれない」と感じ、迷わずSpeeeへ入社しました。

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コンサル時代には得られなかった「意思決定力」と「組織を動かす力」

――松山さんは、コンサルティングファームからSpeeeへ移ったことでどんなスキルを得られたと感じていますか。

松山:一つは「意思決定力」です。

コンサル時代の仕事は顧客の特定の課題を解決することが全て。そしてその課題は顧客の現在進行系の経営や業務から発生しているので明確に定義できるし、解決された時の状態も設定がしやすいです。

しかしビジネスをゼロから生み出す際には、ゴールそのものを自分で決めなければいけません。「1億を目指すのか、それとも10億を目指すのか」といった目標も顧客が提示してくれるわけではないんです。明確な答えから逆算するコンサルとは全く違う意思決定力が求められました。

もう一つは「組織を動かす力」、いわゆるリーダーシップですね。

コンサル時代のプロジェクトでは、基本的に人が動いてくれないことはありませんでした。でも事業を立ち上げると、新しい構想に対する反発から人が動いてくれないことも多々あります。

コンサル出身の私は「タスク設計してToDoに落とし込めば人は動いてくれるはず」と思い込んでいましたが、そんなに甘いものではありませんでした。

事業への思いをメンバーに伝え、リーダーとして引っ張ったり、それだけではうまくいかずメンバーの声に向き合ったりと、組織作りのトライアル・アンド・エラー(試行錯誤)をたくさん経験しました。

渡邊:既存事業でマネジメントする際には一定の仕組みの中で動けばいいのですが、新規事業の場合は次々と新しいやり方に変えていかなければならないことが多く、組織内では「変えることへの不安感や抵抗感」が生まれがちなんですよね。私も、新規事業を進めていく中で組織が崩壊しかけてしまうという苦い経験をしてきました。

コンサルタントであり、新規事業開発部隊でもある「PAAM」

――松山さんが指摘する「意思決定力」と「組織を動かす力」の重要性について、Speeeで事業を作り続けてきた渡邊さんも実感されていたのですね。現在Speeeではどんな事業作りが経験できるのでしょうか。

渡邊:私の例でいえば、事業開発というミッションを持って市場のニーズをヒアリングし、延々とプランニングを繰り返して自分たちでPoC(概念実証)を進めています。

事業プランが市場に受け入れられるかどうかは、半年から1年ほどの期間をかけて検証することもあります。

顧客に向けてサービスの可能性を探り、そのたびに作ったコンセプトを練り直し、スモールサクセスに向けて多方面で走っていくわけです。

さらに事業として成立させるためには、人材採用や育成、オペレーション構築、セールスの仕組み作りなども必要です。さまざまな投資を行い、ここでもまたPDCAを回すことになります。

――コンサルティングファーム出身で、これから事業に真正面から取り組みたいと考えている人にも、こうしたSpeeeの事業開発の現場に携わるチャンスはありますか。

渡邊:コンサルの経験を生かして事業開発に取り組みたいのであれば、私たちの中で最前線の事業の一つとして位置付けている「PAAM(Predictive Analytics And Marketing/パーム)事業」が、まさにそのフィールドに当たると思います

PAAMでは、データを起点に経営レイヤーからオペレーションレイヤーまで幅広くカバーするコンサルティング事業を基軸としています。しかしそれがゴールではありません。コンサルによって得た知見をもとに、自分たちの事業にまで昇華させていくことが目標です。

――顧客をコンサルしながら、自分たちの事業も作っていくということでしょうか。

渡邊:はい。コンサルタントであり新規事業開発部隊でもある。それがPAAM事業のメンバーです。コンサルとしてのベーシックな力を生かしつつ、顧客の支援だけにとどまらず、顧客を成功させた手段を自分たちの事業へと昇華させていくことが求められています。

Speeeはもともと、モバイルの黎明期にモバイル技術を通じて顧客を支援する事業から始まりました。そしてデジタル変革の中で常に新たな価値を模索し、それを型化して社会へ実装することを繰り返してきました。これがSpeeeの在り方です。

市場のゲームルールがどんどん変化する中で、私たちは日本を代表するITベンチャーとして存在感を発揮し、デジタルを通じた社会変革をけん引していきたいと考えています。だからこそ私たちはPAAMを最前線の事業の一つとして位置付けているんです。

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「事業会社を経験したコンサルタント」だからこそ頼りたい

――再び松山さんのキャリアについて聞きます。松山さんはSpeeeを経てコンサルタントとして独立しました。もう一度コンサルの世界に戻った理由を教えてください。

松山:私はSpeeeが40人規模から350人規模へと成長する時期に立ち会い、たくさんの事業を立ち上げ、企画やマーケティング、組織作りなどを経験しました。こうしたノウハウを多くの人に提供したいと考えたことがコンサルタントとして独立した理由です。

近年のベンチャーやスタートアップの世界では、創業時から盤石な組織や仕組みを作ることが求められています。ここに自分の経験や知見を生かしたいと思ったんですよね。

――そして松山さんは外部パートナーとしてSpeeeに関わり続けています。Speeeとして、松山さんとパートナーシップを組んでいる理由はどこにあるのでしょうか。

渡邊:私たちが求めているのは、事業のゴールがどうあるべきかを一緒に考え、もがきながら走ってくれる人です。

社内・社外など立場は関係なく、自らミッションを持ち、それを進めていく道筋を自分で描いて引っ張っていってくれる仲間。松山さんはまさにそんなビジネスパートナーであり、事業会社で事業を推進した人にしかお願いできないミッションを持ってもらっています。

――「事業会社を経験していないコンサルタント」の場合は、違う関わり方になってしまうということですか。

渡邊:その場合、私たちから依頼する内容はどうしても限定的になりますね。ゴールは私たちが設定し、そのための手立てを特定して依頼するイメージでしょうか。ただ、新しい事業を作っていると、そんな場面はほとんどありませんが……。

松山:現在のコンサル市場には、世の中全体の人材不足を受け、特定の業務を切り出してコンサルタント人材に外部委託したいという企業のニーズがあることで成り立っている側面もあると思います。

しかし、これからのコンサルタントは、切り出された業務に取り組むだけでは自立して仕事を獲得できる人材になるのは難しいと思います。クライアントからのオーダーが曖昧であっても、ゼロからゴールまでの道筋を作り出し、価値を生み出せる人材にならなければ、生き残っていけないのかもしれません。

「Speeeの次」のキャリアでも、事業作りにワクワクし続けられる

――コンサルタントの先のキャリアを考えているLiiga読者へ、アドバイスを頂きたいです。新たなキャリアを形成する上で、どんな環境に身を置くべきでしょうか。

松山:恐らくほとんどの人が「10年後や20年後のことは予測できないから、どんな時代でも通用する人材になりたい」と考えているのではないでしょうか。そうであるならば、事業会社へ進むとしても単一のプロダクトではなく、多角的な事業で勝負している会社がいいかもしれません。

また、テクノロジーやマーケティングなど、これからの時代の核となる部分に適切に投資している会社かどうかも見極めるべきでしょう。「テクノロジーや最新トレンドに関する話題が飛び交っているか」という視点で職場を見ると分かりやすいですよね。

例えばコンサルティングファームで働いている人と話していると、「最近はこんなアプリが流行っているよね」といった話題はあまり出てきません。

コンサルタントは自分が担当するプロジェクトの範囲内だけで知識をインプットしがちなので、自分の視野を広げられる場所に身を置くべきだと考えています。

その点でいえば、Speeeでは常に最新のテクノロジーやトレンドに関する話題が飛び交っています。自分たちの事業作りに向き合っていけば、これまでとは全く違う筋肉が鍛えられると思います。

――ありがとうございます。これは少し早計な質問かもしれませんが、松山さんのように「Speeeの次のキャリア」へ挑戦する人も多いのでしょうか。

渡邊:はい。事業作りで成功体験を積むと、その面白さに魅了されていくケースが多いんですよね。より幅広い領域を手掛けたいと考えて起業する人、他のスタートアップへ進む人、すでに勢いづいているベンチャーの重要ポジションに就く人など、「Speeeの次」のキャリアは多様です。

松山さんのようにコンサルタントとして独立し、ビジネスパートナーとしてSpeeeを支えてくれている人も多いですよ。

もちろん、Speeeの経営人材として活躍してもらう道もあります。どんな立場であれ、Speeeで正しくステップアップした人は、新たな事業を作って社会へ実装することにワクワクし続けているのではないでしょうか。これからもそんな仲間を増やしていきたいと考えています。

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コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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