マーケティング活動への助言・アドバイスをするマーケティングコンサル。その具体的な業務内容や待遇、経営コンサルとの違い、マーケティングコンサルティング業務を行う会社を確認しましょう。
マーケティングコンサルの仕事
マーケティングの仕事は、「商品やサービスが売れる仕組みを作ること」です。しかし現在、マーケティングの手法は多様化しており、商品・サービスの種類や立ち位置によって選ぶべき手法は大きく異なります。 企業によってはマーケティング専門の部署がなく、「最適なマーケティング方法が分からない」「なかなか売り上げが伸びない」という課題を抱えている企業も少なくありません。こうした課題を解決するのが、マーケティングコンサルの仕事です。 売り上げや満足度の向上を目指し、専門的な調査や分析を行いマーケティング戦略を立てるのが主な仕事です。また具体的な広告宣伝の施策立案や運用を行うこともあります。
仕事の流れ
マーケティングコンサルの仕事は、大きく以下のような流れで進みます。ただしクライアントの要望や自社のサービスによって「今回は1と2だけ」「うちは3と4しかやらない」など、部分的なコンサルティングになることも多いです。
2. マーケティング戦略の立案と克服すべき課題の整理
3. 広告宣伝の施策立案や実行
4. 施策を振り返り、改善案を検討
この分析を踏まえて、マーケティング戦略が出来上がります。自社の強み、競合の動き、消費者のニーズなどを考えながら「狙うべきターゲットは誰なのか」「どのような価値を提供するのか」などの方針を立てます。3Cなどのフレームワークを使うことも多いフェーズです。
戦略を立てたら、その実現のための施策を練っていきます。広告宣伝の方針を立て、そこからクリエイティブやコピーまで作成することもあります。また実際に広告運用をしてみて、改善提案を行うこともあります。
またマーケティングコンサルの仕事の一環として、上記のようなプロセスや考え方をクライアント企業に教えることもあります。座学として教えるだけでなく、一緒に調査や施策立案に取り組みながらノウハウを共有するケースもあります。
Q&A マーケティングコンサルと経営コンサル、何が違うの?
経営コンサルタントとは、経営にとって重要な課題を特定し解決する人です。そのため解決する課題はマーケティングに留まりません。財務・会計、組織構造、人事といった領域の可能性もありますし、「マーケティングに課題がある」「マーケティングよりも組織改革が重要である」といった重点領域を定めるのも経営コンサルの仕事です。
それに対してマーケティングコンサルは、マーケティングの課題解決に特化しています。「既存の商品・サービスの売り上げを伸ばすために何ができるのか」「新しい市場を獲得するために何が必要なのか」といった論点に答えを出していきます。
ただし「経営課題が特定の商品・サービスのマーケティングである」というケースも多いため、経営コンサルがマーケティングコンサルの仕事を行うことも珍しくありません。
マーケティングコンサルティング事業を行う企業
マーケティングコンサルティングを行うのは、主に「コンサルティングファーム」や「広告代理店」とその関連会社です。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームの中でも、「戦略系」や「総合系」と呼ばれるコンサルティングファームはマーケティングのコンサルティングを行うことが多いです。以下のようなコンサルティングファームが代表的です。
・ボストン コンサルティング グループ
・ベイン・アンド・カンパニー
・A.T. カーニー
・ローランドベルガー
・デロイトトーマツコンサルティング
・PwCコンサルティング
・アクセンチュア
・アビームコンサルティング
このようなコンサルティングファームは、特にマーケティング戦略の立案が得意です。
逆に広告宣伝の実行などはどちらかというと苦手で、細かな広告作成や運用は請け負わないケースも多いです。
【関連記事】日系・外資・大手コンサルティングファーム一覧と仕事内容・適性
広告代理店系
広告代理店やそのグループ会社も、マーケティングコンサルティングを行っています。広告代理店にも大手の総合広告代理店から小さなネット専業代理店まで様々ですが、代表的な会社としては以下の2社があります。
・博報堂コンサルティング(博報堂グループ)
それぞれ電通と博報堂のグループ会社なので、テレビCMやデジタルなど総合的な広告施策を立案できます。具体的なクリエイティブの作成や広告運用まで一気通貫で任せられるのが特徴です。
マーケティングコンサルの年収
マーケティングコンサルの年収は、基本的には「大手企業の総合職と同程度」と考えると良いでしょう。
ただしコンサルティングファームなのか広告代理店なのか、日系なのか外資系なのかによって給与水準に差があります。例えば某外資系コンサルティングファームの場合、職位ごとに以下のような給与設定がされています。
求められる資格やスキル
マーケティングコンサルとして働く上で「絶対に欠かせない資格」はありません。
重視されるのは経験で「事業会社でマーケティングを担当していた」「コンサルティング経験がある」という人が歓迎される傾向にあります。
未経験者のポテンシャル採用も
またコンサルティングファームでは、未経験者でもポテンシャル採用をするケースは珍しくありません。未経験可の求人もありますし、第二新卒を募集している会社もあります。
ただし「誰でも良い」という訳ではなく、コンサルティングやマーケティングの適性がチェックされます。
コミュニケーション力や消費者理解が重要
マーケティングコンサルタントになるには、以下のようなスキルや適性が求められます。
・ヒアリングやプレゼンテーションの能力
・トレンド・事例への興味関心
・消費者の観察力・理解力
論理的な思考力やヒアリング・プレゼンテーション能力は、どの領域のコンサルティングにも不可欠です。課題を捉え改善策を考えるには論理的思考力が欠かせませんし、クライアントの意図を理解しこちらのメッセージを伝えるための力も必要です。
またマーケティング領域で特に重要なのが、トレンドや事例、消費者の理解です。「あの商品が売れているのは、こんなニーズを捉えているからではないか」「こういう動きがあるから、サービスの方向性を変えるべきではないか」といった気づきを得るためにも、世の中の変化や消費者のニーズに敏感であることが求められます。
【関連記事】「広告業界に行くなら、今すぐテレビを買え!」大手広告代理店1年目が語る広告業界のリアル
業界に詳しいエージェントの活用がおすすめ
マーケティングコンサルとして働くのであれば、コンサルティングファームや広告代理店で働くのが一般的です。しかし「どのコンサルティングファームや広告代理店でも良い」という訳ではありません。特定の部署・チームでなければマーケティングに関われない場合もあります。
だからこそ、コンサルティングや広告業界に詳しい転職エージェントに相談するのがおすすめです。「絶対にマーケティングコンサルになりたい」「クリエイティブな仕事をしたい」「戦略にも関わりたい」といった希望を伝えれば、その人に合った会社・求人を教えてもらえます。
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