経営チームのパートナーとして、コーポレートガバナンスの「明日」を共創する
2023/07/10

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「世の中にはこんなに面白い仕事があるのか!」それが、お二人の話を聞いた率直な感想だった。経営者報酬・経営者指名・コーポレートガバナンス領域のコンサルティング。そう聞いてイメージする仕事内容は人それぞれ異なるだろうが、ぜひ先入観をなくした状態で今回の記事に目を通してほしい。プロフェッショナルとしてのキャリア観が、大きく変わるかもしれない。

〈Profile〉
写真左/河本 裕也 (かわもと・ゆうや)
組織・人事変革コンサルティング プリンシパル
役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティスサブリーダー
東京大学教育学部卒業。リクルート、コーン・フェリー・ヘイグループを経て現職。リクルートでは、人事部にて関西・東海地区の新卒採用を担当。その後、コーン・フェリー・ヘイグループとマーサーにて、幅広い業界に対し、経営者報酬、経営者指名、コーポレートガバナンス、組織設計、グローバル人事制度構築、タレントマネジメントなど、多数のコンサルティングプロジェクトを実施。マーサーでは、役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティスのコアメンバーとして、経営者報酬制度設計やサクセッションプランニングの設計支援、指名報酬委員会アドバイザリーなどを中心に活動。
写真右/嶋崎 天雄 (しまざき・たかお)
組織・人事変革コンサルティング部門 アソシエイトコンサルタント
役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティス
慶應義塾大学商学部卒業。中長期の組織・人事戦略策定支援、経営戦略の実現に向けた組織再編支援、経営人材の持続的創出に向けたサクセッションプランニング全般の構築支援、高度プロフェッショナル人材獲得に向けた人事制度設計支援などのコンサルティングプロジェクトを実施。役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティスのメンバーとして、指名報酬委員会実行支援やグループガバナンス・サクセッションプランニングの設計・運営支援、企業理念策定・浸透支援のプロジェクトにも従事。

※内容や肩書は2023年7月の記事公開当時のものです

企業経営そのものに影響を与える仕事

――お二人は組織・人事コンサルティングの中でも経営者報酬や経営者指名、コーポレートガバナンス領域の専門家だそうですね。一般の方にはあまり馴染みのない分野ですが、どのようなテーマの支援をされているのでしょうか?

河本:我々のプラクティスでは、“経営チームのパートナーとして、コーポレートガバナンスの「明日」を共創する Shape tomorrow's corporate governance with today's management leaders”というパーパスを掲げています。「明日」には、机上の空論ではなく明日からでも取り組めるくらいプラクティカルな提案を行う、現状維持ではなく明日以降の未来を少しでも良い方向に変える、という2つの意味を込めています。

具体的な支援内容としては、クライアントの企業さまに対する経営者報酬と経営者指名に関する制度設計や報酬委員会・指名委員会の運営が挙げられます。「経営者報酬」とは、報酬水準・構成、業績指標・目標、個人目標の設定とそれらに関する情報開示、「経営者指名」とは、指名戦略、評価、育成とそれらに関する情報開示を指し、報酬委員会・指名委員会とその事務局に対する統合的な支援を行っていることが特徴です。

――経営者報酬や経営者指名は、自社の経営陣が自分で決定する印象もありますが。

河本:パーパスやミッション・ビジョン・バリュー、経営戦略と同様、本来は企業が自ら決めるべき内容です。ただし、我々の主なクライアントである上場企業では、経営陣は株主・投資家からの負託を受けて企業を経営しており、さまざまなステークホルダーに対するアカウンタビリティ(説明責任)が求められます。

その根幹として、近年注目されているのがコーポレートガバナンスです。企業の行く先を担う経営者を適切に選び、適切に動機付けていく。これに際しては、いかに「社内の論理に偏重し過ぎることなく客観性を担保していくか」がポイントとなるため、我々のような外部アドバイザーの助言が役立ちます。

例えば経営者報酬については、ベンチマーク対象企業と比較した上で、報酬額が高い場合はその理由がステークホルダーの納得を得られる内容か、低い場合はどのような考え方に基づきどの程度の水準まで引き上げるか、そうしたストーリーやロジックを組み立てることをご支援しています。

経営者報酬を考える際に特に重要なのは、経営陣を適切に動機付ける業績指標・目標を設定することです。単純化して言うと、売上高・売上収益を主たる業績指標に設定すれば、経営陣には製品・サービスや顧客の数や事業展開地域を拡大するといった「成長」のインセンティブが働きやすくなる一方で、利益度外視で規模拡大さえすれば良いという「膨張」のリスクを抱えることになります。

一方、利益を主たる業績指標に設定すれば、いかに効果的・効率的に利益を上げるかという「稼ぐ力」のインセンティブが働きやすくなりますが、コスト削減さえすれば良い、それならば投資を控えて人を切れば良いという「縮小均衡」のリスクが生じます。

経営者報酬の業績指標ひとつで、持続的な成長と企業価値の向上という企業経営の目指す姿そのものに影響を与えることになるわけです。そして、最適な指標とその組み合わせは、企業によってもちろん異なります。だからこそ我々が、専門家として心血を注いで検討しているのです。

――経営者報酬の設計は、単に経営者の「報酬」の話に留まらず、その企業の経営戦略そのものの話にまで及ぶのですね。

嶋崎:まずは何を差し置いても成長を望まれるクライアントもありますし、キャッシュフローの正常化が経営課題のクライアントもいらっしゃいます。個社事情に加えてマクロ的な業界動向も視野に入れつつ、経営戦略と整合した最適な業績指標を設定することが重要です。

当プラクティスのサービス内容について補足すると、経営者の抱える課題は多岐にわたるため、さまざまなお悩みについてよろず屋的にお引き受けすることもあります。直近では、あるクライアントの社長の強いご意向で、「企業理念をどのように改定し、社内に浸透させていくか」というテーマについて、全社的な取り組みに関するプロジェクトマネジメントをご依頼いただきました。 description

将来の経営チームの在り方を構想する

――経営者指名についても、具体的な流れを教えてください。

嶋崎:将来の経営者に必要な経験・能力・人格を特定するには、その企業の将来的な事業環境と経営戦略を構想することが欠かせません。その内容について現経営陣と議論しつつ、現経営陣が持つ経験・能力・人格とも照らし合わせて、将来の経営者の「あるべき像」を設定することが最初のプロセスです。その上で、直近から2〜3代先までを見据えた人材のリストアップを行い、アセスメント(評価)を実施します。

河本:現在の戦いに勝ちながら将来も見据えたチーム作りをしていくという意味では、野球などのスポーツチームに似ています。例えば野球では、先発・中継ぎ・抑え投手、野手8つ、指名打者の12のポジションがありますが、それぞれのポジションにレギュラーの選手、控えの選手、期待の若手、と複数の選手が高いレベルでそろっているチームはやはり強いですよね。

「チーム全員が大谷翔平選手のような何をとっても世界最高レベル」ということはまずあり得ませんので、チーム作りには必ず戦略が必要になります。ホームランで打ち勝つチームを目指すのか、投手を中心に守り勝つチームを目指すのか。その戦略を実現する上で、このポジションを担う選手は打撃重視であるべきか守備重視であるべきか、だとすれば誰が候補に挙がるのか。経営者指名はこうした考え方と似ています。

アセスメントの実施後、「難易度の高いプロジェクトをリードする経験を積んでいただく」「海外の現地法人で何年か社長を担っていただく」といった育成方針を策定するのも我々の仕事です。 description

求められるのは、戦略とファイナンスの知見

――この領域のコンサルタントに求められる能力やスキルについてお聞かせください。

河本:論点思考、仮説思考、分析力、資料作成力、プレゼンテーション力といった、コンサルタントとしてベーシックなスキルは当然求められます。その上で、経営者報酬・経営者指名の領域では必然的に経営者を相手に仕事をしていくので、企業経営の根幹を成す戦略とファイナンスに関する知識をきちんと習得することが重要です。

――戦略についてはよく分かるのですが、ファイナンスの知識はどういった局面で必要なのでしょうか?

嶋崎:以前、あるクライアントから「グループ内新規事業の経営陣に対する長期インセンティブ報酬はどうあるべきか」というご相談を頂きました。

全く新しい種類の事業をお考えでしたので、我々がビジネスモデルを分析し、将来の財務予測をシミュレーションしました。数年後の財務三表を作り、これくらいの売上・利益・株価水準になるという見込みを立てた上で、付与可能な株式報酬額の算出計算を行ったわけです。

河本:ビジネスモデルは多種多様、人・組織も多種多様ですが、資金調達〜事業構築〜企業価値創出というお金の流れで見れば、どんな企業にも同じような構造があります。この構造を理解できれば、経営の全体像が分かって経営者との会話がぐっと深いものになりますね。 description

人生に厚みを持たせ、経営者からの信頼を獲得する

――大変失礼ですが、これほど面白い仕事だとは思っていませんでした。最初に経営者報酬のコンサルティングと聞いた時は、株主総会対策のような仕事をイメージしていましたので…。

嶋崎:そう、とても面白い仕事だと思います。組織人事コンサルティングのニッチな一分野でなく、人事組織という切り口での経営コンサルティングだとご理解いただければうれしいです。

河本:特に面白いのは、「経営全体」と「一人一人の顔」を両方同時に見ることができる点です。経営者報酬や経営者指名は、持続的な成長と企業価値の向上という「経営の全体」を考えつつ、経営陣の「一人一人の顔」を思い浮かべながら報酬額や業績目標、選解任という具体的な打ち手へと落とし込んでいく仕事です。全体のことは考えるけれども人の顔は見えない、人の顔は見えるけれども全体的なインパクトは小さい仕事も多くあると思いますので、両方見える我々の仕事は僭越(せんえつ)ながら希少なのではないかと考えています。

――そうした価値ある仕事を推進できる、求める人物像についてお聞かせください。

嶋崎:キャリアやバックグラウンドは問いません。大切なのは、ビジネスに対する関心があって、経営者を規律付け・動機付けることにやりがいを感じられることではないでしょうか。

河本:我々のプラクティスでは、「株式会社という仕組みに貢献する」「カギを解く」「最前線から逃げない」「即断・即決・即実行」「101を積み重ねる」「思いやりを持つ」「楽しむ」「社会を良くする」という8つのバリュー(行動指針)を掲げています。私は特に「101を積み重ねる」ことを大切にしていますが、それは、1%の成長を毎日積み重ねるのと1%の退化を毎日積み重ねるのとでは、1年間で1480倍もの差がついてしまうからです。問いを立て、調べ、解を考え、表現する。それを毎日粘り強く行える方が向いていると思います。

嶋崎:たしかに、財務諸表を徹底的に読み込んだり、海外の先進事例を調べ尽くしたりすることも仕事の中で求められますので、知的体力があり粘り強く考えられる素養は必須かもしれません。

――ありがとうございます。最後に、これからのキャリアを検討中の方々にメッセージをお願いします。

嶋崎:率直に、大変やりがいのある仕事だと思います。経営者との対等な議論が求められますから、かけがえのない経験を得ることができるでしょう。

経営者は、自社のことを常に最も考えています。外部のプロフェッショナルとして彼らからの信頼を得るのは決して簡単ではありませんが、強い覚悟と責任感を持って仕事に向き合える方の参画をお待ちしています。

河本:キャリアを考える際、周囲からの見え方を気にすることは否定しませんが、最後は自分自身の原体験に基づく志を大切にしてほしいと思います。

私は小さい頃から歴史が大好きで、「英雄と権力」というテーマで24時間365日考えて語れるくらいなのですが、経営者の規律付けと動機付けという今の仕事と完璧にフィットしているので、仕事が趣味、趣味が仕事というくらい夢中です。何より、周囲から「いつも楽しそう」と言われますし、小学校1年生の娘からも「今日もガバなんとか?」(ガバナンスのことを指すと思われる)と聞かれるくらいです(笑)。

皆さんが夢中になれる仕事と出会えることを願っておりますし、もし我々の仕事の中にご自身の原体験に基づく志と近しい部分が少しでもあれば、ぜひ一度会いに来てください。 description

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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