sponsored by デロイト トーマツ ベンチャーサポート
「イノベーション」を辞書で引くと、「新機軸、革新」という言葉の他に、「新製品の開発、新生産方式の導入、新市場の開拓、新原料・新資源の開発、新組織の形成などによって、経済発展や景気循環がもたらされるとする概念」と記載されている。
そのイノベーションを、スタートアップ、大企業、官公庁と幅広いプレイヤーに相対しながら実現しているのが、デロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)だ。しかもその活動範囲は日本を大きく飛び越えて、全世界へと拡大している。現在主にシリコンバレーに駐在しながら、米国とアジアでイノベーション創出を支援している木村将之氏(COO/パートナー)に話を聞いた。
※内容や肩書は2023年11月の記事公開当時のものです。
支援対象はベンチャー企業に限らない。大企業や官公庁とも協働しながら、イノベーションを生み出していく
――木村さんは現在シリコンバレー在住だとお聞きしました。
木村:そうですね。たまにこうして日本に帰ってくることもありますが、6割ぐらいはアメリカにいて、残りの4割はインドやシンガポール、日本などのアジア地域で新事業創造を支援しています。
――社名にあるベンチャーサポートを、世界中で実施されているのですね。国内外含め、現在提供されているサービスについて教えていただけますでしょうか?
木村:実はベンチャー企業だけでなく、大企業や政府・官公庁の支援も行っています。それらの3領域を横ぐしで貫くプラットフォーム事業もあり、現在のサービスはこの4本がメインです。
スタートアップ向けでいくと、事業計画の策定やそれを基にした資金調達、顧客開拓のハンズオン支援なども多いですね。特に近年は、ユニコーン企業(評価額が10億ドルを超える設立10年以内の未上場のベンチャー企業)の創出を大きなテーマに掲げています。
ユニコーンになるためには、壮大なビジョンと計画、そしてそのプランを実現するための資金が必要です。そこで、10億円以上の単位で出資ができる投資家やベンチャーキャピタルを数十社集め、次のユニコーンを目指す企業とのマッチングを実現するイベントも開催しています。これも、日本だけでなく世界中で実施しているイベントです。
――ユニコーンを目指す企業特有の事業計画の作り方があるのでしょうか?
木村:おっしゃる通りです。例えば多くの金融機関が投資先企業のバリューアップ計画を立てる際は、既存の財務諸表をベースにして、それぞれどうやって伸ばしていくかという具体的な施策を積み上げていきます。
成熟した会社の事業計画であればそうした手法で問題ないのですが、スタートアップの場合、アライアンスモデルや顧客像が固まっていない中で計画を立てるケースも少なくありません。そうした状況でも、確実性が高く、なおかつ拡張的な未来を高い解像度で伝えることが重要です。世界中のスタートアップのビジネスモデルも研究しながら、大きなビジョンに基づく実行可能性のある事業計画を描くお手伝いをしています。
続いて大企業向けのコンサルティングをご紹介すると、分かりやすいのはスタートアップとの協業支援や投資の支援です。2012年頃から大企業向けの事業もスタートしたのですが、この10年で大企業によるイノベーション創出の取り組みはかなり進んでいます。
ただ、現在彼らが苦しんでいるのは、新たなチャレンジがなかなか利益に直結しないこと。PoCで終わってしまう、投資しただけでイノベーションが生まれない、そうした事態を打開するためにさまざまな支援を行っています。どんなスタートアップと手を組めばよりPLインパクトのある面白い事業を創れるか、あるいは世の中で実際に役に立つサービスになるのか。そうした構想段階から入り、スタートアップの力を借りてよりスピーディーに事業展開するために、具体的な資本業務提携、ジョイントベンチャーの設立、M&Aなどの実行までサポートしています。
また、大企業の中から新規事業を創出するためのプロジェクトも多くあります。ビジネスプランの立案はもちろん、顧客開拓、急成長する仕組みづくりもわれわれの支援領域です。社内ベンチャーの課題は多岐に渡り、継続的に事業を育てていくための仕組みを整えることも重要です。そこで、「どの段階まで進んだらいくら追加で資金を出すか」というステージゲートの設計や、外部からも資本を受け入れるためのスキーム作り、社内のビジネスアイデアを社外に出して法人化するお手伝いなども行っています。
スーパーゼネラリストを目指す道も、スーパースペシャリストになる道も
――4本軸のうち2本のお話を聞いただけでも、非常に幅広いので正直言ってイメージが追い付きません。
木村:(笑)。それも当社の特徴ではありますね。ただ、キャリアプランとしてはイノベーション創造を全体的に俯瞰できるようなスーパーゼネラリストと、1つの領域を徹底的に突き詰めるスーパースペシャリストのどちらも選ぶことができます。入社の段階から「自分はこの道で行くんだ」と決まっていてももちろんいいですし、働きながら進みたい道を決めてもらっても構いません。その点はご安心ください。
――なるほど。では続いて政府や官公庁に関する領域についても教えてください。
木村:日本政府は、2023年から本格的に「スタートアップ育成5か年計画」をスタートしました。計画のもとになったとされる日本経済団体連合会(経団連)から公表された提言では、投資金額を10倍にし、起業する人も10倍、ユニコーン企業の数も10倍にすることを掲げています。東京都も2023年2月に「City-Tech.Tokyo(シティテック東京)」というグローバルでも有数の規模、参加企業数を誇るイベントを実施していますし、国も地方もかなり本気です。
DTVSとしては、企業向けに計画立案から実行まで支援しているのと同じように「今どこにどのように資金を投入するべきか」というグランドデザインから運用面まで幅広くサポートしています。実行面での強みは、グローバルとローカルの両方をカバーできること。例えば現在、経済産業省がグローバルの10カ所を超える拠点に起業家を送り込むプロジェクトを進めているのですが、これもわれわれが支援しています。日本のエコシステム全体で見ると、まだまだ東京一極集中の感が強く、いかにローカルのエコシステムを発展させるかが重要となります。そこで、全国各地で人と人とのコネクションを作ったり、スタートアップと投資家を結んだりするプロジェクトも手掛けています。
――スタートアップと投資家を結ぶプロジェクトは、第4の柱として挙げておられた、3領域を横ぐしで貫くプラットフォーム事業でもあるのでしょうか?
木村:はい。冒頭でご紹介した、ユニコーン企業を目指すスタートアップと投資家を結ぶイベントもその一環です。主に2種類のプラットフォームがありまして、1つは今話に出たようなネットワーク作りのリアルなイベントで、もう1つはデジタル上のプラットフォームです。
ネットワーク作りで代表的なものを補足しておくと、毎週木曜日の朝7時から9時までモーニングピッチを開催しています。これはもう10年近く実施していますね。大体4~6社のスタートアップに登壇してもらい、バーチャルを含めて350人以上の方がオーディエンスとして参加してくれています。この活動は世界中に広げようとしていて、現時点ですでにアジア7カ国で開催中です。年に1度の大規模なサミットも、日本、インド、シンガポールで実施しており、次はさらに3カ国増やそうと考えています。
デジタルに関しては、AI分析を用いて大企業とスタートアップのマッチングを促進する「six brain」や、新事業開発の支援ツールである「Startup Compass」などを運営しています。おかげさまで、今のところ順調に拡大している状況です。
最も重要なのは、“産業の変わり目”を見逃さないこと
――非常に順調に推移されている印象ですが、今後の目標についてもお聞かせください。
木村:2030年に、数字の面でもインパクトの面でも“アジアNo.1のイノベーションファーム”になることを目標に掲げています。支援先が大企業だろうとスタートアップだろうと、私たち自身がクライアントと同じかそれ以上の熱量を持ち、新事業開発を伴走支援していく。その結果、インパクトの大きなビジネスが数多く生まれて、世の中の役に立っている状態が理想です。
――インパクトの大きな新規事業を創造するためには、何が重要なのでしょうか?
木村:産業の変わり目を見逃さないことが重要だと考えています。これは私自身の原体験なのですが、父が60年続いた漬物の卸問屋の3代目だったんですね。当然私もその会社を継ぐだろうと思っていたのですが、中間マージンを取る業態がどんどん淘汰されていく流れにあらがえず、会社を閉じることになりました。この時に「経営者のサポートをする仕事に就きたい」と強く思うようになり、これがトーマツに入社した理由でもあります。
十数年前には、日本の大手家電メーカーのカメラやテレビのビジネスがまたたく間にシュリンクしてしまいましたよね。変化の波を見逃すと、一気に産業自体がやられてしまうんだと改めて実感しました。
一方で、2015年にシリコンバレーに拠点を出した際、現地の人たちから言われたのは、「日本の製造業に大きな期待を寄せている」ということでした。日本企業は意思決定が遅く組みづらいという意見もありましたが、当時はちょうどIoTやAIが出始めた頃で、製造業との掛け合わせには相当な可能性がある、と。
テクノロジーの進化。産業構造の変わり目。そうしたタイミングは、見逃してしまうとピンチに陥りますが、波を的確に捉えれば大きなチャンスでもあるわけです。
例えば、自動車産業は今まさにそうした状況に置かれています。私が参加しているD-Lab(経済産業省が主催する、シリコンバレーの情報を発信する活動)では、モビリティ業界の競争軸の変化をまとめたレポートを公表しました。分かっているだけで17万回以上ダウンロードされており、実際にはさらに多く広がっているようです。もちろん実行がいちばん大切なのですが、レポートを読んで行動を起こしたというフィードバックをいくつも頂いており、思いを持った人たちが集い積極的に動いていけば、業界に好影響を及ぼすことができるという、いい実例になりました。
――ありがとうございます。最後に、これからのキャリアを検討中の方々にメッセージをお願いします。
木村:DTVSには、どこまでも成長できる環境があります。また、われわれのビジネスは現在の社会に求められている仕事だと確信しています。グローバル、イノベーション、スタートアップ。そういったキーワードに興味を持てる方にとっては、最適な企業だといえるでしょう。
人と人とのつながりが非常に強くなるスタイルで仕事をしているので、プロフェッショナルとして成長すればバイネームで依頼が舞い込んでくることも魅力です。私自身もAIカンファレンスや脱炭素経営EXPO、日経SDGsフォーラムなどに講師として呼んでいただいていますが、新しい領域で上が詰まっていないので、若い皆さんにも十分にチャンスがあります。
バイネームで仕事に取り組みながら、社会に大きなインパクトを出せる事業を創り上げていく。そうした働き方に興味があれば、ぜひこの場所で一緒にチャレンジしていきましょう。