転職エージェントが語る!未経験からMBB/Big4を目指す場合のポイントと注意点

「どうせコンサルに転職するならMBBやBig4に行きたい」という声は珍しくないですが、何となくで応募して内定できる人はごく一握り。内定を獲得するだけでなく、今後のキャリアの幅を広げるためには、コンサル転職市場の今、自分の学歴や経歴にあったファームの選び方、面接対策など押さえておく必要がある。
今回は、未経験からMBBやBig4を目指す人が知っておくべきポイントや注意点を、コンサル転職支援を行う転職エージェント「リメディ」のお二人に話を伺った。
※MBB…マッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン ※Big4…デロイトトーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング
※内容や肩書は、取材を行った2025年12月時点の情報です。1. 大手ファームの採用状況と求める人材
近年、未経験からのコンサル転職という選択肢は随分と一般的になってきました。我々の実感としてもコンサル転職を志望する人は増えていますし、「大手コンサルでも未経験から転職できる」と考えている候補者も少なくありません。
しかし、MBBやBig4といった大手コンサルに関しては、未経験者への間口はそれほど広くありません。 特に最近では、未経験者に対しても、企画やプロジェクトマネジメントの経験を強く求める傾向が見られます。ファームによっては、例えば高学歴で一流企業に勤務している人で、かつケース面接の出来が良かったとしても、「営業経験しかない」という理由で不採用になるケースもあります。
とはいえ、「営業経験しかない人は大手コンサルに転職できない」というわけではありません。ファームによって重視するポイントは異なりますし、「他のファームを経由してからMBBやBig4を目指す」というルートもあります。 転職を成功させるためには、ファームごとの採用傾向を押さえた上で、戦略的にキャリアを設計していく必要があります。
ファームごとの採用傾向
大手コンサルファームといっても、戦略系と呼ばれるMBBと、総合系と呼ばれるBig4では、採用傾向が大きく異なります。
戦略系は、ケース面接が非常に重視されます。そのため学歴が良く、ケース面接の出来が良ければ、企画やプロジェクトマネジメントの経験がなくても、内定を獲得できる可能性があるでしょう。
他方でBig4は経験を重視する傾向があり、たとえ有名事業会社出身であっても、営業経験しかないと内定獲得は難しいでしょう。 これは同じ大手コンサルでも日系ファームとは大きくスタンスを分ける部分であり、日系ファームの場合は出身会社が重視されやすいです。「この会社出身なら企画やプロジェクトマネジメント経験がなくても内定が目指せる」というラインがかなり明確にあります。
【事例で確認】メガバンクでリテール営業をしている28歳
● 28歳● メガバンクでリテール営業を担当
● 早慶出身
● Big4に絞って転職活動中
● 知名度のないファームに行くなら現職に留まるのも選択肢
この人の場合、28歳で早慶出身、メガバンク勤務と、一見するとハイスペックです。しかし、コンサル転職に詳しいエージェントであれば、過去の内定者の傾向やファーム側からの情報から「Big4は厳しい」と判断します。
このような方を支援する場合、我々であれば以下のようにお伝えします。
● 営業経験しかない現状では、Big4は厳しい
● それでも応募したいなら、もちろん推薦するし面接対策など支援はする
● 一度日系コンサルに転職し、経験を積んだうえでBig4を目指す道もある
● 現職に残るのも選択肢なので、それでも構わない
● ただし、30歳を過ぎると未経験からのコンサル転職は難しくなる
● このようなことを踏まえて、中長期でキャリア設計をしていくのが重要
こうした話は、候補者にとっては耳に痛いこともあるでしょう。しかし中長期で良いキャリアを築くには、こうした話も含めて現実を直視し、戦略的に動いていく必要があります。
今後転職エージェントを利用する方は、今の転職だけでなく中長期のキャリアを考えてくれるエージェントを選ぶことをお勧めします。
◆日髙 大志さん
2. 自分に合ったファームの選び方
我々は、「行きたい会社」「行ける会社」「行くべき会社」の3つが重なる部分を選ぶことが大事だと考えています。
「行きたい会社」は、何となくMBBやBig4など大手を想像されている方も多いですし、それは悪いことではありません。ただしネームバリューだけでなく、プロジェクト内容、働き方、カルチャーも考えた上で「行きたい」と思えることが大事です。 例えば戦略系は、働き方改革が進んでいる現在でも仕事は非常にハードです。「本当にそういう会社に行きたいのか」を、きちんと向き合って考えるべきです。
「行ける会社」については前章でお話しした通りで、その方の学歴や経歴によって異なります。
そして見落とされがちなのが、「行くべき会社」です。その方の適性や経歴を踏まえて、本当に充実した仕事ができるファームを選ぶことが重要だと考えています。 例えば企画系の仕事をしてきた人が、BPOばかり担うファームやユニットに転職しても、充実した仕事ができない可能性があります。またバリューも出しにくいので、ファーム内でのキャリアアップ、さらにはポストコンサルでの転職にも影響する可能性があり、注意が必要です。
このように「行きたい会社」「行ける会社」「行くべき会社」が重なるファームを選ぶことを強くお勧めします。 こうしたファームを見極める上で重要な、働き方やカルチャー、内定が狙えるファームのライン、ファームやユニットの業務内容などは、インターネット上にある情報だけでは判断しづらいでしょう。 しかし、コンサル転職支援を多く行ってきたエージェントであれば、コンサル経験者も多く、具体的な話を聞くことができます。ぜひ、積極的にエージェントを活用してください。
「コンサルに詳しい転職エージェントを見極めるなら!」外資就活ネクストの口コミ機能
戦略系ファームへの転職は努力と適性両方が必要
戦略系ファームは、「ケース面接の出来が良ければ、企画やプロジェクトマネジメントの経験がなくても目指せる」という意味では、「行きやすい会社」に見えるかもしれません。
しかし、戦略系ファームが求めるケース面接はコンサルティングファームの中でもかなり難度が高く、求められる水準も高いので注意が必要です。
論理的な思考が強く求められ、それには適性も大きく影響します。「どれほど練習しても及第点に届かない」という人も珍しくありません。
そうした才能に加えて、努力も欠かせません。何の練習もせずにケース面接をハイレベルにこなせる人はほぼおらず、問題集や対策本を読み込み、自宅で練習する人でないと内定は厳しいでしょう。
実際、東大卒の方であっても、戦略ファームに落ちるケースは珍しくありません。だからこそ、戦略ファームを目指す方は転職エージェントの力を借りながら、適性や必要な対策を見極めた転職活動をすると良いでしょう。
3. コンサル転職の面接対策
コンサル転職というとケース面接をイメージし、不安を抱く方もいるでしょう。 しかし、目指すファームによってケース面接の重要度は大きく異なります。弊社の見立てでは、戦略系だとケース面接の評価が7~8割を占めますが、総合系だと2~3割、日系だとさらに比重が低いこともあります。
そのため、応募するファームによっては「ケース対策だけだと落ちる」と言っても過言ではありません。 ケース面接の内容や対策についてはこちらの記事ケース面接対策!ファームごとの重要性と1か月での対策法で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
コンサル面接で重視されるポイント
未経験からのコンサル転職で重視されるポイントは「地頭」「チャーム」「熱意」の3つです。
「地頭」とは、「論点を整理し、明快かつ端的に話す」という、コンサルタントに不可欠な力を指します。具体的には「結論から先に述べる」「構造化する」といった要素が挙げられるでしょう。 「地頭」というと「先天的に決まるもの」と思われがちですが、練習によって誰でも一定水準まで引き上げることができるので、繰り返しのトレーニングが重要です。
「愛嬌」もまた、コンサルタントには不可欠な能力です。「この人と話していて楽しいか」「クライアントが心を開いてくれそうか」といった観点で評価されます。 対策が難しい領域であり、「場慣れする」など最低限の練習は不可欠ですが、前述の「地頭」や後述の「熱意」でカバーすることもできます。
最後に「熱意」です。「コンサルタントになることへの覚悟」「このファームを選んだ理由」「入社後のイメージ」などを明確に示すことが求められます。 我々が模擬面接をしていて、最も多くフィードバックするのがこの「熱意」の部分です。「数あるファームの中で、なぜこのファームなのか」「入社後、どんなプロジェクトに参画したいのか」といった問いに、具体的に答えられるレベルまでしっかりと対策する必要があります。業界研究や企業研究をし、またキャリアプランを描くことが求められます。
◆田口 裕基さん
視覚的な印象も大事
「地頭」「チャーム」「熱意」だけでなく、人が持つ「何となくの印象」も軽視できません。 メラビアンの法則によれば、コミュニケーションにおける印象のうち、表情や態度といった視覚情報は55%、声のトーンなどの聴覚情報は38%を占めるといわれています。そのため「何を言うか」だけでなく「どう見え、どう聞こえるか」は、内容と同等あるいはそれ以上に重要です。
そのため、面接中の自分がどのように見えているのか、客観的に確認することは非常に重要です。面接を想定した受け答えを録画し、自分の髪型や表情、発言中の動き、声色や口癖などを厳しくチェックしてください。
第三者に評価してもらえば客観的なフィードバックが得られるので、さらに良いでしょう。 弊社では、細かな課題を指摘するのはもちろんですが、洗い出した課題に対策優先度をつけ、対処法まで提示しています。こうした細かいサポートを得られるのが、エージェント利用のメリットです。
4. コンサル転職を考える人へのメッセージ
最近ではコンサルティングファームへの転職を「選択肢の一つ」と考える人が増えていますが、他方で「自分でも転職できるのか」「どんな働き方なのか」「どんな経験ができるのか」などのイメージが湧かず、躊躇してしまう人も多いようです。
しかし、コンサルティングファームで働いた人間として、またコンサル志望の方を長らく支援してきた人間として、コンサルティングファームでのキャリアは戦略系・総合系によらず、下記のような魅力があると考えています。
● ロジカルシンキング、戦略的思考力、ドキュメンテーション能力、ファシリテーション・プレゼンテーション能力など高水準のビジネススキルを身につけることができる ● パフォーマンス次第で20~30代前半から1500万円以上の高年収の実現も可能 ● 一定年数の経験を積むことで、事業会社の中枢ポジションなど年収を維持したうえでワークライフバランスややりたいことを追求するキャリアが実現できる
コンサル、事業会社、独立など、どんな道に進むにも、コンサルティングファームでの経験は大いに役立ちます。 本当に転職するかは、内定を獲得してから迷えば良い話だと考えています。また具体的な面接対策やキャリア設計は、我々のようなエージェントがお手伝いします。 ですので「まずは応募してみる」という気軽な気持ちでチャレンジすることをお勧めします。