【イベントレポート】現役コンサルが思う、活躍するコンサルタント像──"変革共創型"で問う4つの素質とAI時代の論点|ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ|外資就活ネクスト PITCH

sponsored by ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
「世の中を変えるファシリテーター」をミッションに掲げ、創業から約30年にわたり"変革共創型"という独自のスタンスで国内大企業の変革プロジェクトを支援してきたケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ。本セッションは同社が運営するポッドキャスト「コンサルラジオ」の公開収録形式で行われ、代表取締役社長CEOの榊巻氏、COOの白川氏、新卒3年目の現場コンサルタントである吉積氏が、「現役コンサルが思う、コンサルタントとして活躍する人とは?」をテーマに語った。コンサル業界の"4類型"整理、活躍する人に共通する4つの素質、AI時代に残る仕事、未経験から挑戦する人へのアドバイスまで、現役コンサル目線のリアルな論点が並んだ。Q&Aには採用担当でモデレーターを務めた山田氏も加わり、社内の距離感の本物さや、中途入社時に生じる"ギャップ"の正体まで話題が広がった。
目次
登壇者プロフィール
榊巻 亮 氏 ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ 代表取締役社長CEO
ハウスメーカーを経て同社へ。 業務改革や新規事業立ち上げなど多様な変革プロジェクトを支援。現場に入り込み、関係者を巻き込むファシリテーション型の推進を強みとする。 著書に『世界で一番やさしい会議の教科書』『営業改革の教科書』など。
白川 克 氏 同社 COO
システム開発会社でのエンジニア経験を経て同社に参画。 IT戦略や業務改革など幅広いプロジェクトを統括し、ファシリテーションで成果創出を導く。 方法論の体系化や人材育成にも注力。著書に『業務改革の教科書』『システムを作らせる技術』など。
吉積 彩加 氏 同社 コンサルタント
京都大学大学院 生命科学研究科卒。2024年新卒入社。 BIツールの改善プロジェクトに従事し、顧客との会議ファシリテーション、定量・定性データの分析、現場ヒアリングなどを担当。 過去には、販売会社の基幹システム刷新プロジェクトを経験。
山田 蒼悟 氏 同社 採用担当 シニアコンサルタント(モデレーター)
早稲田大学卒業後、2015年に新卒で入社。 製造業、不動産業、通信業などさまざまな顧客の業務改革プロジェクト、新規事業創造プロジェクトなどに従事。 直近は人事で中途採用を担当。
コンサルの「4類型」と、ケンブリッジが立つ"変革共創型"というポジション
セッション冒頭、榊巻氏は「コンサルと一口に言ってもタイプが大きく違う」と切り出し、まず業界を4つの類型に整理した。

- 01 先生型(戦略系・専門家型)──答えが分かっていて、市場分析や型化された解を提示する。会計系や製造業向けに強みを持つ伝統的なファームが代表例
- 02 SIer型──プログラムやシステムをきちんとつくり切る。もともとシステムベンダーが担っていた領域に近接する
- 03 労働力代替型・社員代替型──いわゆる"高級派遣"。クライアントの社員の代わりに手を動かす
- 04 変革共創型──クライアントの中に入り、プロジェクトのラインを一緒に引き、段取りから議論を進め、最後までやり切る。ケンブリッジが立つポジション

榊巻氏は両者の違いについて、「答えは必ずしもコンサルが与えてくれるものじゃない。お客様も優秀で、自社のビジネスをめちゃくちゃ考えている。それをちゃんと引き出すからこそ答えが見えてくるし、一緒に走るからこそ実行力もつく」と説明。先生型との一見似た佇まいの中に、「お客様の『変わりたい』レディネスを引き出す」というこだわりが横たわる。
ここで重要なのは、活躍するコンサルの像は類型によって全く異なるという点だ。たとえば高級派遣型では"愛嬌"や"お客様に気に入られる力"が際立って求められる。一方、変革共創型のケンブリッジが必要とする人物像は、プロジェクトの成功にすべてを振り切ったときに見えてくる──というのが、ここから先のセッションの前提となった。
活躍するコンサルの「4つの素質」──現場のリアルな事例から逆算する
白川氏は、現在進行中のクライアント事例を切り口に「活躍する人」の輪郭を描いた。
ある商社のプロジェクトでは、当初は販売管理・購買管理システムの刷新と、それに合わせた業務改革(BPR)が依頼内容だった。だがプロジェクトを進める中で同氏のチームは、「そもそも価格決定プロセスのほうが利益構造のガンではないか」と気づき、役員に提案。価格戦略の見直しというまったく別軸の変革に発展した。
「もともと依頼されていた業務改革をそのまま進めれば、フィーはいただける。でもそれよりお客様にとって本質的なテーマがあるなら、そこを発信する。これができるかどうかは、僕らがコンサルとして『活躍する』という言葉で指している中身そのものだと思います」(榊巻氏)
ここから抽出された活躍するコンサルの素質は次の4つである。
01. 目的思考 × ゼロベース思考
最初の施策や仮説にこだわらない。「最終的にやりたいのはここ。手段を選ばずたどり着くにはどこがガンか」と問い続ける力だ。白川氏は「ゼロベースだけだとどこから考えるか分からなくなる。目的思考があってのゼロベース。この組み合わせが重要」と補足する。
02. 構造把握(因果関係を解く力)
「こっちの施策を先にやらないとダメ」「実はこの課題がもっと川上にある」──といった因果関係を紐解き、課題が一つではなく複数あることを構造化する力。先述の商社案件も、システム刷新と利益構造の関係を構造的に捉え直したことから道筋が見えた。
03. コミュニケーション能力(正しく聞き、正しく伝える)
「コミュ力大事」は世の中で言い古された言葉だが、白川氏はあえて「日本語力」と言い換える。仲間内のキャッチボールではなく、お客様が言葉にしていない裏側まで聞き取り、誤解なく伝え切る力だ。
「経理と営業がガチンコで議論しないといけない、本社のITと工場の製造現場で言語そのものが違う──そういう中で、コミュニケーションの土台を揃えて変革のレディネスを引き出すのは相当な強度のコミュニケーション力です」(榊巻氏)
吉積氏は学生時代を振り返り、「理系だったので、言葉を厳密にしなくても前提を揃えなくても、知識が共有されている仲間内では伝わってしまっていた。ところがプロジェクトでは前提を丁寧に揃えないと、誰も納得してくれない」と語った。
04. お客様のために、を自分ごとにできるマインドセット
ケンブリッジには売上ノルマがない。プロジェクトマネージャーにも個別の数値目標は課されない。「このプロジェクトをどう成功させるか」だけを純粋に考えていい組織設計になっている。
「以前、お客様から『ケンブリッジさんの社員ってみんな、なんでうちの会社のことをこんなに深く考えてくれるんですか?どうやって教育してるんですか?』と聞かれてハッとした。うちは『お客様第一主義』なんて教育してないんですよ。OBやお客様に聞いてみたら、みんなプロジェクトマネージャーの背中を見て学んでいる、と。売上を気にしなくていい設計が、そのまま『お客様のために』を自然に発露させているんだと思う」(榊巻氏)
育成の仕組み──書籍×現場フィードバックで「正確に聞く力」を鍛える
ケンブリッジには、これらの素質を入社後に伸ばす仕組みがある。同社が30年蓄積してきた変革プロジェクトのノウハウは、榊巻氏・白川氏らによって書籍として徹底的に言語化されている。『業務改革の教科書』『世界で一番やさしい会議の教科書』『営業改革の教科書』など、現場で使うツールやチェックリストまで踏み込んだ実名・実話ベースのノウハウ書を、ここまで一般に公開しているコンサルファームは珍しい。

「まず本でメソッドが頭に入る。これだけで他社より圧倒的にスタート地点が違うと思っています。ただ本を読んで明日からできるかと言ったらそれは厳しい。だから現場で意図的にチャレンジさせ、フィードバックを返すサイクルを回している」(白川氏)
入社3年目の吉積氏は、自身の成長を「正確に聞いて正確に伝える」軸で実感していると話す。
「学生時代は自分が苦手であることにすら気づいてなかったんです。プロジェクトでいろいろなものに挑戦させてもらってフィードバックをもらううちに、最近は『聞く力が上がった』と言われるし、私生活でも『話を聞いてくれるようになった』と言われるくらいになりました」(吉積氏)
これに榊巻氏が反応する。
「俺も20年以上前、社会人1年目の感想がまさにそれだった。意外と人の話を聞けてないって気づくんですよ。コンサルってお客様が一生懸命相談してくれるんだけど、こちらが10のうち3しか聞かないうちに『こう返してあげよう』と先回りしてしまう。それで実は聞けていない。お客様に『この人、自分が喋ったことしか拾わないな』と思われた瞬間、信頼はゼロです」(榊巻氏)
新人だけでなく、ベテランも同じ落とし穴に何度もハマる──「30年来の課題」として語られたこのテーマが、現場で何度も研ぎ直されているのが同社の育成カルチャーである。
AI時代の「コンサルの仕事」──残るのは、人と人の納得形成
セッション後半は、応募者からよく寄せられるという「AIで仕事はどう変わるか?」というテーマに移った。榊巻氏は、先ほどの"4類型"ごとに影響度を整理する。
- 先生型──AIが最先端事例以外の論点は出せるようになる。専門家性で残る人は残るが、影響は大きい
- SIer型──Claudeなどコーディング支援AIの台頭でプログラミング工程は大きく変化
- 労働力代替型──AIエージェントが手を動かす領域はそのままぶつかる
- 変革共創型──相対的に影響を受けにくい
なぜ変革共創型は残るのか。鍵は「お客様と信頼関係を持ちながら、AIが出してきた選択肢をどう解釈し、どう意思決定に持っていくか」という人間の介在領域にあるという。
「うちが扱う商社案件で、AIに『価格戦略を見直したほうがいい』と言われたところで、関係者は動かないんですよ。『白川さんがこういう構造を見つけて、だから価格から手をつけたほうがいいと提案している。皆さんどう思いますか』というやり取りがあって、初めて『確かに』が生まれる。みんなで『確かに』を作るのはAIには無理」(榊巻氏)
白川氏も大学のサークル活動に喩える。
「AIが『この練習メニューがいい』と出しても、それだけでみんなが頑張ってやることにはならない。『このサークルで何を目指したいのか、その目標のためにこの練習が必要で、やった先にこういう未来がある』とみんなで議論して、初めて全員が動く。会社の変革も全く同じです」(白川氏)
逆に、データ収集・パワポ作成・議事録など、これまで若手コンサルの一定の時間を奪っていた業務はAIに任せる流れが加速する。
「コンサルがエクセルのショートカット自慢みたいなことを言っている時代は終わって、より本質的な提案で勝負する時代に入ったということ。要求のハードルは上がるけれど、構造化力やコミュニケーション能力を磨いてきた人は、ちゃんと伸びていけるはずです」(榊巻氏)
コンサルに挑戦したい人へ──「今の仕事を解像度高くやってほしい」
これからコンサルに転職・挑戦したい人へ、登壇者が異口同音に言及したのは「身も蓋もないが、今の仕事を解像度高くやれ」というメッセージだった。
「事業会社で経理をやっていてもいい、SEを20年やっていてもいい。でも"のほほんと"続けているだけだと、知識として欲しいレベルは満たしても、現場で活躍はできない。なぜこれをやっているのか、どうしたらもっと良くなるのか、お客様や周囲のためにできることは何か──そういうことを"やらされ仕事"ではなく、自分ごととして、解像度高く考えながらやってきた人は、来てもらえばすぐにプロジェクトをリードできる」(榊巻氏)
白川氏はさらに、業界選びの視点でアドバイスする。

「コンサルと一口に言っても、先ほどの4類型でやっていることが全く違う。自分はどこに行きたいのか、どこに自分のやりたいことがあるのか、を解像度を上げて見極めてほしい。今日話したような変革共創型の現場感は、ケンブリッジが公開している書籍やYouTubeを見ると、言葉では伝わりにくい『ファシリテーションの実物』が見える。一度触れてみてほしい」(白川氏)
『業務改革の教科書』(赤い表紙)や、現場のファシリテーション場面を15分以上にわたって実演しているYouTubeチャンネル動画など、社外から触れられる素材は多い。挑戦を考える人には、まずそこから業界の解像度を上げる入り口にしてほしい、というのが2人のメッセージだ。
Q&A──距離感の本物さ、転職時のギャップ、ケーパビリティの伸ばし方
セッション末尾のQ&Aでは、リスナーとして普段ポッドキャストを聞いている参加者からの質問が複数寄せられた。
ラジオの3人の距離感は、社内でもこんなにフラットなんですか?
「割とそのまんまです」と白川氏は即答する。
「白川は普段よりちょっとテンション高めですけど(笑)、フラットな会話の感じは普段通り。あえてそれを崩しています。プロジェクトを成功させるって、若手だから先輩だからって気を使ってる暇がないんです。『これどうする?』『いや、白川さんは知らないかもしれませんが、お客様の現状はこうなんですよ』って言い合える関係でないと、いい議論にならない」(榊巻氏)
"アンチコンサル"のスタンスに惹かれて応募を考えています。普通のコンサルファームからケンブリッジに来ると、ギャップはありますか?
榊巻氏は「チームで動く・お客様のために考える、という軸にピンと来ている人なら、それほどギャップはない」と答える。一方で他社からの転職組が驚くポイントとして挙げたのが、社内の"フラットさ・オープンさ"だ。
「SIer出身の優秀な方が最初に戸惑うのが、社内のコミュニケーションのフラットさです。『こんなこと社内で言っちゃっていいの?』と半年くらい慣れない人もいる。逆に、プロジェクトが失敗しそうなのに声を上げないというのは、うち的にはありえないので、言いにくいこともガンガン言わないといけない。そこも最初は戸惑うかもしれません」(榊巻氏)
「売上ノルマで何が何でも数字をねじ込んできた、というタイプはそもそも採用フェーズで来ない」と白川氏も補足した。
ケーパビリティが比較的低いメンバーに、どう活躍してもらっていますか?
「強みに合う部分を切り出して活躍してもらう」「一緒に階段を登る、補助輪役になる」というのが回答の軸だった。
「自転車に乗るときに後ろで支えるみたいなものです。アプローチを一緒に考えてあげて、『まずこの調査をしてみよう、その結果でこれを判断しよう』とステップに区切って渡すだけで、まったく違う動きができるようになる。『もう支えなくて大丈夫です』と言われるまで一緒に伴走するのは、結構日常的にやっていることです」(榊巻氏)
30年にわたり"変革共創型"のスタンスを貫いてきたケンブリッジが見ている「活躍するコンサル」の輪郭は、AI時代の到来で揺らぐどころか、むしろ"人間にしかできない領域"へ集中することでくっきりとしてきている。目的思考、構造化、正確なコミュニケーション、自分ごと──地味だが普遍的なこの4要素を、若いうちから現場で磨き込む人材を求める同社のメッセージは、AI時代のキャリア仮説そのものを問い直す回となった。