はじめに
高給で有名な「外資系投資銀行」(以下、外銀)。ファンドや経営者へのキャリアを考えるにあたり、真っ先に候補にあがる業界で、ハイキャリア層の方々でも羨望の対象となっています。そこで本コラムでは、「リーグテーブル」を切り口に、投資銀行各社の特徴についてお伝えします。
リーグテーブルとは何か?
国内証券会社の中でも有数の実績を誇る野村證券の定義を引用すると、リーグテーブルとは、「International Financial Review(IFR)誌などに掲載されている、引受業者の引受実績のランキング表」です。
リーグテーブル、すなわち引受実績ランキングには様々な種類が存在します。例えば、その年の総合取扱額、通貨別、産業別など、様々なランキングがあるのです。各分類別にランキングを見るだけで、その投資銀行の強み・弱みを把握することができます。
リーグテーブルは、外銀各社も非常に気にしています。なぜなら、「リーグテーブルで上位にランキングされると業者にとって引受能力をアピールする効果があり、リーグテーブルが近未来の自社の仕事の取りやすさに直結するから」です。
就活時に外銀のインターンや説明会に参加したことがある方ならば想像がつくと思いますが、外銀各社は、毎年自社がリーグテーブルのどこに位置しているのか、前年と比べてどうなったか、をかなり気にしていたと思います。中には「リーグテーブルがその国での投資銀行の序列だ」と話す社員の方もいるほどです。それほどリーグテーブルは外銀のバンカーのプライドを保つ重要な位置を占めています。
外銀の方と会話する際は、リーグテーブルについて触れておくと、彼らの自尊心をくすぐることができるかもしれません。
日本市場のM&A・ECM・DCMのマクロトレンド
リーグテーブルの紹介に入る前に、基礎知識として、日本におけるM&A市場・ECM市場・DCM市場のマクロトレンドを解説しておきましょう。
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