はじめに
本コラムは、コンサルティングファームでパートナークラスの職位まで昇進したコンサルタント X氏にインタビューを実施し、活躍するコンサルタントの条件をお伺いしました。
2作目である今回は、アナリストからシニアマネージャーに昇進した経緯から、外資系戦略ファームへの転職について語っていただいています。
ぜひ、ご覧ください。
#01
・プロジェクトでの立ち振る舞いから、マネージャーへの適性を判断する
・突然降ってきたマネージャー業務
・マネージャーとシニアマネージャーの違い
#02
・シニアマネージャーへ
・昇進の決め手は、いかに会社の方向性をくみ取るか
・面白さで選んだ外資系戦略ファーム
・プロフェッショナルファームではクロスボーダー案件が増加。高まる英語の必要性
#03
・お酒の場で転職を決断。現在はマネージングディレクターに
・コンサルタントの成功パターン
・偶発性を大事にするキャリア
シニアマネージャーへ
―前作では、8年目でシニアマネージャーに昇進されたと伺いました。Xさんがシニアマネージャーに昇進されたきっかけは何だったのでしょうか。
自分が評価会議にいたわけではないですが、思い当たる節としては2点あります。1点目は、先述の通り、担当していた案件を拡大できたこと。
2点目は、この案件を他の省庁にも、同様に横展開させたことです。類似案件をいくつも獲得し、自分のチームを拡大させることができました。
シニアマネージャーには、複数の案件を回すことが求められるので、実際にその役割をこなしてみせれば、評価されやすくなります。その意味で、複数の案件獲得・チーム拡大はわかりやすい評価対象だったのでしょう。
―シニアマネージャーに求められる役割を、マネージャー時代にこなしてみせたということですね。逆に、シニアマネージャーに昇進できる人と、できない人との差は何でしょうか。例えば、身の回りにいた他のマネージャーとご自身を比較してみて、差を感じることはありますか。
そうですね。自分で言うのもおかしな話ですが、「与えられた仕事をこなす人」と「新しく仕事をつくる人」という違いは強く感じました。
私は後者のタイプだったと思います。
「新しく仕事をつくる」とは言っても、方法はいくつかあります。先ほど申し上げたように、既に実施している案件を他の場所(他の省庁)に横展開する、というのが1つです。
他にも、既存の案件とは関係なくゼロから案件を作る方法もあります。
例えば、私の場合、あるテーマについて、公共機関での重要な課題になると考え、商機を探っていました。しばらくクライアントと議論を重ねるだけの、収益につながらない時期が続きましたが、半年後には案件として実らせることができました。
「~が今後仕事になりそうだ」と自分で考え、動ける人なのか、そうでないのかで、昇進の際の大きな差が出ているのだと思います。
―今与えられている仕事をこなすだけでなく、将来を考えて案件の種を育てておくことが鍵だということですね。この点は、パートナーになった後、更に重要になりそうです。
そうですね。マネージャーになった後は、当然「パートナーになるためには」という点を意識して仕事していました。そうすると、サービス開発や新しいクライアント開拓を意識することになります。その点で、他のマネージャーと差がついていたのかもしれません。
昇進の決め手は、いかに会社の方向性をくみ取るか
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