仕事の規模や年収から、投資銀行やPEファンドをキャリアのゴールとして思い描いている人も多いでしょう。
大村康生さん(仮名)は新卒では大手日系企業へ就職。しかし大学時代に目指していた公認会計士の道をあきらめきれず、働きながら勉強を続けた結果、24歳の時に見事合格。
そして監査の経験からM&Aに興味を持ち、より幅広いスキルを身につけるために外資系FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)に転職。さらにその後、外資ブティック系投資銀行を経て、憧れのPEファンドへの転職を実現しました。
今回は大村さんに、「投資銀行・PEファンド転職の秘訣」「転職の時に大切にしていた軸」についてお聞きしました。
・新卒日系企業から複数回の転職を経て、外資系投資銀行に入ったのは「PEファンドにキャリアアップするため」
・目指すは投資のプロ。FAS・投資銀行で経験を積み5年をかけてPEファンドへ
・投資銀行を目指すならネームバリューではなく「自分の目的」に合わせてハウスを選べ
・「どう投資判断しますか」「リターンを暗算せよ」…。PEファンドの面接は難題ばかり
新卒日系企業から複数回の転職を経て、外資系投資銀行に入ったのは「PEファンドにキャリアアップするため」
ーーこれまでの経歴を教えていただけますでしょうか?
大村:はい、このような経歴です。
日系大手企業(新卒) ↓ 公認会計士試験合格 ↓ 外資系FAS ↓ 外資系ブティック投資銀行 ↓ PEファンド(現職)
新卒で日系企業に就職し、そこで事業企画部に配属されました。しかし学生時代に目指していた公認会計士資格が諦められず、働きながら勉強して24歳の時に試験に合格しました。
監査業務を経験した後に勤めたのが外資系FASです。こちらは2年半ほど勤めましたね。
入ってしばらくは財務デューデリジェンスや、M&Aの交渉フェーズで企業価値の評価(バリュエーション)を実施したり、交渉時のアドバイスを行ったりする仕事を担当しました。途中からはM&Aアドバイザリーチームに異動しました。
その次は外資系ブティック投資銀行に転職し、PEファンド関連のM&A案件を主に扱っていました。
ーーPEファンドへの転職を考え始めたのはいつ頃でしょうか。
大村:実はもともと投資銀行に入った目的が、「PEファンドへキャリアアップすること」だったのです。だから投資銀行に入社しいくつかトラックレコードを積んだ後に転職活動をスタートしました。転職活動期間は約2年半。バンカーとして経験を積みながらじっくり選考を進めましたね。
そして2020年からPEファンドで働くことになりました。投資のプロフェッショナルとしての採用で、まずは一般的なPEファンドのアソシエイトの仕事をしています。具体的にはデューデリジェンス、LBOモデルを始めとしたバリュエーション・モデリングのほか、MDやディレクターと共に案件発掘(ソーシング)をすることが私の職務です。
目指すは投資のプロ。FAS・投資銀行で経験を積み5年をかけてPEファンドへ
ーー今までの転職の軸はどこに置いていましたか。
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