【GAFA】転職者が語る「BigTechとひとくくりにできない、カルチャーの宝箱」
2022/02/06

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先人から学ぶ、GAFAのカルチャーの多様性とは

世界的な大企業の代名詞としてGAFAが思い浮かぶ方も多いと思います。時価総額が年々増加しており、世界における存在感は際立っています。
しかし、憧れのベールに包まれているGAFAの文化や転職に対する価値観については、不透明な部分も多いのではないでしょうか。
そこで、Liiga編集部が過去にGAFAでのキャリアを持つ方々に実施したインタビューを再構成し、GAFAが一体どのようなカルチャーを持っているのか、解説していきたいと思います。

インタビュイー
柏木 正人(仮名)
元GAFAセールス担当者
大学卒業後、日系大手企業に営業職として入社。3年間勤めたのち、Google日本法人のセールス担当者として転職する。現在はGoogleを退職し、学生時代から経営していたスタートアップ企業の事業拡大に力を注いでいる。

三木元 健太(仮名)
元GAFAマーケティング担当者
大学卒業後外資系エンタメ企業に入社し、多忙な日々を送る。3年間の経験を積んだのち、GAFAの一角の日本法人に転職。2018年からは日系スタートアップのマーケティングマネージャーとしてチームを率いている。

菊地 浩太(仮名)
元GAFAセールス担当者
大学を卒業後、新卒で日系IT企業に就職。4年勤めたのちGAFAの一角での経験を積む。6年後に現在の外資スタートアップに転職した。

石原 浩之(仮名)
GAFAセールス担当者
複数の外資系IT企業を経てGAFAの一角に転職。給与、労働環境、福利厚生、全てにおいて満足しているものの、「このままでは自分はダメになるのでは」と転職を考え始めている。
※記事の内容は全て個人の見解であり、所属する組織・部門等を代表するものではありません。インタビューは2020年に実施されました。


GAFAの採用は選考官に一任されている

BigtechであるGAFAへの転職を希望する方にとって真っ先に気になるのは、採用のカルチャーでしょう。GAFAの中で採用に携わっていた方にその実情を伺いました。

求める人物像は明確なんですが、質問そのものは実は各面接官に任されています。また、GAFAには面接官の質問に対して相手が的を得た回答をできない場合「求めているレベルの回答が返ってこないのは面接官の技術不足である」と判断する文化があります。

また、三木元氏は、部門外からの採用の可否を厳しく判断する「バーレイザー」と呼ばれる面接官の必要性をこのように語りました。

チームメンバーだと業界知識などのスペックなどに左右されてバイアスがかかるので、そういった要素を抜きに、純粋に企業へのカルチャーフィットを見るためです。 私がいた会社は選考においてフィット感を最重要視します。だから、このバーレイザーが採用を認めなければ、どんなに現場が採りたがっていても不合格になります。

このように企業の文化やそれぞれの求める人物像に適しているかどうかを複数人でチェックするという部分は、GAFAのどの企業でも変わらないのかもしれません。

GAFAの助け合い精神

GAFAでは、助け合いの精神が制度に根付いていると聞くと驚かれる方も多いのではないでしょうか。石原氏はインタビューで、助け合いの制度について「自分個人の成績が高いだけでは評価がされない」と話していました。

営業としての自分のノウハウ、つまり作った資料や仕事のコツをみんなに共有することで、チームや会社でより良い成績が出せるように行動した人が評価されるんです。他の会社だと、各個人の営業のコツは誰にも教えないのが普通だと思うのですが、それをやると大きく評価を落とすことになります。

外資系企業と言われると、実力主義の企業のイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。しかし、助け合いの精神も結果を出すためには必要なのかも知れません。助け合い精神が制度として確立していると石原氏は続けます。

他の部署に何か頼みごとを聞いてもらうと、お礼に感謝状を贈ることができる制度があるんです。この感謝状をもらうと1枚につき1万円強が会社から支給されるという仕組みになっています。

だから私もよく他の部署を手伝っていましたし、「感謝状贈るからちょっと頼みたいんだ」と助けてもらうことも多かったです。この感謝状の数は評価にも反映されるので、積極的に他部署を助ける人がほとんどでしたね。

また、菊地氏はGAFAの企業文化はドライではないといいます。

四半期に1回何かしらの社内イベントがあって、ハロウィーンパーティーやお花見パーティーみたいなものがあるのですが、自由参加にもかかわらず大半の社員が参加していました。

GAFAで勤怠管理がないのは性善説が浸透しているから

ホワイト企業の代名詞として、GAFAの名前をあげる方も多いと思います。 実際、勤怠管理は性善説に基づいて、管理をされていないという声が多く上がっています。石原氏は、一日をどのようなスケジュールで働いていたのでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大前の話ですが、朝は必ず9時に出社をして、会社の食堂で朝食を食べていました。メールチェックをしたあと、1日で2件くらいのお客様とのミーティング、その合間に社内のミーティングに参加します。午後6時半には会社を出て、7時半には家に帰っているという感じでした。 私は子どもが生まれたと同時に入社したのですが、飲み会や接待がない限りはほぼ100%、子どもをお風呂に入れることができています。たまった仕事を子どもが寝た後にやることはありますが、ほとんど残業はしていません。 入社して驚いたことの一つですが、この会社は思った以上に社員がオフィスで働いていないんですよ。コロナ禍では社長でさえオフィスに入れなくなりましたが、その前から会社に来ない人が非常に多かった。「午前中は家にいるので、オンラインで会議に出ます」という人は珍しくありませんでしたし、週に1回しか会社に来ない人もいました。 それでもみんなレスポンスが早いので、管理をしなくても仕事が成立するんです。社内のコミュニケーションは基本的にチャットで行われますが、朝早くから午前0時くらいまでなら、どの部署の人でも数分以内に返信が来ます。だから勤怠管理が必要ないんです。

勤怠管理をしなくても、業務を遂行できる組織はとても魅力的ではないでしょうか。とはいえ、勤怠管理をしていなくても激務だという職場もありますが、菊地氏は「そのようなことはなかった」といいます。

全くもって激務なんてことはありませんでした。4年間いて、周りの人も含めて午後7時以降に仕事をしている人を見たことはありませんでした。私は基本的に6時には家に着いていることが多かったです。

GAFAにおける実際の福利厚生とは。福利厚生にも現れる社風

勤怠管理が行われないという企業文化があるGAFAの福利厚生はどのようなものでしょうか。福利厚生には、本当に社員やその家族を大切にしている会社であることがにじみ出ていた、と石原氏は振り返ります。

入社前は放任主義の会社だと思っていましたが、入ってみると社員のことをしっかりみてくれている会社だということがわかりました。

実際、福利厚生の良さが原因で辞めた人は、その理由を「無料で提供されるものが多すぎて、会社への甘え癖がついてしまうから」と言っていました。

あまりにも良すぎる環境が、転職の心理的なトリガーになったということのようです。

ここまで、GAFAの企業文化について解説しました。
次に、実際にGAFAに転職するためにはどのような心構えが必要なのか、実際に採用に携わっていた方の言葉から探ってみましょう。

GAFA(GAMA)に転職する時の心構えとは

GAFAに向いているのは、会社そのものに興味を持てる人

様々なバックグラウンドを持った人があつまるGAFAにはどのような人が向いているのか、菊地氏に伺いました。

営業に関して言えば、会社そのものに興味が持てる人ですね。先ほどは冗談めかして言いましたが、本当に次々と新しい事業が立ち上がっていくので、キャッチアップしておかないとお客様からの質問に答えられなくなってしまうんです。 だから「自分はこの事業にしか興味がない」という人よりは、会社全体の動きに興味を持ち続けられる人が向いていると思います。

一方で、三木元氏や柏木氏はGAFAへの転職に際して求められる心構えを、このように語りました。

あまりGAFAに期待しすぎないことですね。「やりたいことも見つからないし、ハイレベルな環境で働いてみるか」くらいのモチベーションで行くのが正解です。
GAFAに入ることを最終目標にするのではなく、自分のステップアップのための踏み台くらいに考えるのがちょうどいいと思います。

GAFAに入ること自体を目的にするのではなく、自分のステップアップの一つとして考えるのがちょうどいい期待感と言えそうです。

GAFAのエンジニアはレベルが桁違い

エンジニアにもレベルが色々あって、中には入社の時点で特許を持っていたり、論文で実績を残していたりする人もいます。すると、最初から高いジョブレベルで入社するのです。

柏木氏は、エンジニアのレベルはとても高いという話がありました。エンジニアのレベルが多様である一方、ベースの能力が非常に高いそうです。

GAFAのネクストキャリアについて

GAFA間の転職が多いですよ。あとは外資系IT企業に1つ上のポジションで入る人もいますね。若手だと海外ベンチャーが日本に進出する際の1人目のメンバーとして転職する人も少なくありません。あとは個人のビジネスを副業としてやりながら、働いているという人も多いですね。やりたいことをやりながら、本業でお金を稼ぐみたいな。

また、石原氏は、ネクストキャリアで年収アップを目指す人が少ないといいます。

転職先は、圧倒的にスタートアップが多いと思います。だんだんと仕事が面白くなくなってきて、小さいスタートアップで面白いことをやってみたいという人が多いですね。 GAFAは給与水準が高いので、お金を求めてというよりは、「新しい環境で自分の力を試したい」とか「一発当たったら面白いな」くらいの感覚で転職するのだと思います。

GAFAへの転職は一つのステップ。だからこそ丁寧に準備をして一歩ずつ確実なキャリアアップを

いかがでしたか。

GAFAの企業文化や転職活動に必要な価値観について解説しました。

GAFAには持続的な成長をするハイレベルな環境がありますが、その「ハイレベル」という印象でひとくくりにできないほど、カルチャーを象徴するエピソードが豊富にあるようです。

プロダクトだけではなく、そのカルチャーも理解して転職活動に臨み、内定を勝ち取ってくださいね。

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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