大手SIerでDX戦略コンサルタントに―。異なるバックグラウンドの社員2名がNECを選んだワケ
2022/03/10

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大手SIerのNECは、2021年から「DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略コンサルティング事業部」を立ち上げ、クライアント企業のDX推進に戦略面から取り組むべく、コンサルタントの採用を強化している。

これまでの「新卒一括採用・ジョブローテーションによる人材育成」に代表されるような日本企業の体質を打破し、人事評価制度の刷新や中途採用の強化を行うなど、その“本気の変革”に心を動かされたコンサルティングファーム出身のコンサルタントたちが集まりつつある。

なお、コンサルティングファーム出身者だけでなく、高いポテンシャルを持つ人材も積極的に採用している。今回は、NECでDXコンサルタントとして活躍するキャリアイメージについて、異なるバックグランウンドを持つ2人の社員に聞いた。

〈Profile〉
写真右/真貴田賢二(まきた・けんじ)
DX戦略コンサルティング事業部 マネージャー
2009年東北大学大学院工学研究科修士課程修了後、新卒で精密機器メーカーへ入社。その後、日系・外資コンサルティングファームを経て2021年NECに入社。DX戦略コンサルタントとして顧客のDX推進支援プロジェクトに従事。
同左/馬妍(ま・けん)
DX戦略コンサルティング事業部 主任
2014年中央大学大学院商学研究科修了後、2014年より日系精密機器メーカーにて分析計測装置の北米・豪州向け海外営業として日系案件の営業活動支援に携わる。北米・豪州市場の現地市場調査、新装置の発売及び販促支援や、輸出審査業務を通じて海外業績拡大サポートを行う。2021年NECに入社。コンサルタントとしてデジタルビジネス推進(デジタルトランスフォーメーション)に従事。
(掲載内容や肩書は2022年1月取材当時のものです)


事例やソリューションが身近にあり、クライアントの相談にスピード感を持って対応できる

――お二人が所属するDX戦略コンサルティング事業部内の業務・組織デジタル変革統括グループは、どのような業務を担っているのですか。

真貴田:業務・組織デジタル変革統括グループは、「組織・人材」と「業務変革」の二つのサブチームに分かれており、私は後者の「業務変革」チームに属しています。クライアントのDXによる業務変革や戦略策定やワークスタイル変革といった支援が主な領域です。

:私は「組織・人材」側のチームです。組織内でITを活用してDXを推進する人材の育成などにフォーカスしたプロジェクトに携わっています。

――お二人は、どのようなプロジェクトを担当しているのでしょうか。

:あるメーカーのDX人材育成計画策定に関わりました。中期的にDXへの本格対応を検討しようと考えているが、対応可能な質の高い人材が不足しているのがクライアントの悩みでした。

まず、標準的なDX人材定義をベースにクライアントの特徴を踏まえたDX人材像・スキルを定義しました。そして、DX人材として育成する対象とのインタビューを通じて現状とのギャップを把握します。その上で、クライアントにとって最適なDX人材の育成計画を策定するのが支援のゴールです。

――その中で大変だった部分はありますか。

:ボトルネックとなったのは、DXやDX人材育成の必要性を疑問視する社内の声です。クライアントの社内にも納得してもらえるよう、先方の窓口担当者と一緒に経営層や各部署の上層部を集め、DXやDX人材育成の必要性を説明するワークショップを実施しました。

そのことで、他社事例の説明を通じて「他社はDX推進をこれだけやっているのか……」とクライアントに危機感を持ってもらいました。同時に、成功事例も紹介し、その結果クライアントはDX推進に肯定的にもなったのです。

そして、自社のDX推進に必要な人材について一緒に議論することで、「それなら自分の部署にこんな人がいる」「DXを推進するにはこんな人も必要だ」とクライアントが積極的になり、達成感がありました。

先方の担当者にも「自分一人ではここまでできなかった」と感謝の言葉を頂き、コンサルタントとしての仕事にとてもやりがいを感じられるプロジェクトでした。

――コンサルタントとしての自信にもつながるプロジェクトだったんですね。真貴田さんはいかがですか。

真貴田:ある商社のDX戦略立案とロードマップ策定プロジェクトについてお話しします。

まさに今、日本の多くの企業が抱えている「DXが必要、DXを推進せよ、とは言われているが、具体的に何から手をつければよいのか分からない」という状況でクライアントから相談を受け、DX推進組織立ち上げ前の方針検討からジョインしました。

プロジェクトで苦労したのは、短い期間・限られたセッションの中で、いかに先方の本音を引き出し、形にしていくかという点でした。将来の幹部候補ともいえる課長や部長クラスの方に参加いただいていたのですが、皆さんが多忙なために週1回のセッションも1時間半がやっと、という状態。いかにその時間を有意義なものにできるかには苦心しました。

ゼロベースでは意見が出にくいだろうということで、私たちでクライアント企業の資料を読み込んだり、リサーチを行ったりしながら仮説を立て、それをたたき台として議論を深めてもらう形をとりました。

議題としては、「将来この会社にどうなっていてほしいか」「どのように仕事をしていたいか」といった“企業としてあるべき姿”を最初に定義し、そこへの変革にデジタル活用を検討する……というステップで進めました。

クライアントにはこうした「異なる部署のメンバーが集まって会社のあるべき姿・それに向けた戦略・施策を議論する」という経験がほぼなかったこともあり、「会社としてどう進んでいくのかを考えるきっかけになりました。さらに、DX推進も最初より具体的なイメージが湧いてきた」との評価を頂き、現在も継続的に進捗の確認や情報交換を続ける関係性が築けています。

――コンサルティングファームとの違いを感じることはありますか。

真貴田:NECとして確固たる技術を持っていることが、コンサルティングファームとの大きな違いといえます。事例やソリューションが手の届くところにあるので、クライアントからのご相談にもすぐにレスポンスを返せますし、提案もスムーズに行えます。

近年、コンサルティングファーム各社でもデジタル領域の人材・組織の強化を進めていると認識していますが、技術・システム面における長年の蓄積や豊富な人材などにおいて、他社が一朝一夕に追い付くことのできないアドバンテージがNECにはあると感じています。

description 真貴田氏

「技術面の強み」「立ち上げ期のチームで挑戦」「企業体質の変革」に心動かされ、NECを選択

――お二人のこれまでの経歴について教えてください。

真貴田:2009年に工学研究科の修士課程を修了し、精密機器メーカーでコンパクトデジタルカメラ関連の技術職としてキャリアをスタートしました。

入社から5年ほど経過するころにはスマートフォンが普及してきました。そのことでカメラそのものは苦しい状況に追い込まれつつあり、業界としての将来性に疑問を感じてきた中で、自分の仕事もルーティン化していました。そこで、「同じ仕事を続けるよりも、さまざまな業種や職種を経験したい」と思い、幅広い業界に関われそうなコンサルティング業界へと転職を決意しました。

1社目では、大手金融グループのIT戦略策定や大手保険会社のバックオフィス業務改善のワークフローシステム導入支援など、経営戦略・システム戦略、業務変革に関連するコンサルティングを中心に行いました。

2社目の外資系コンサルティングファームでは、グローバルに展開するクライアント企業の内部データ統合プロジェクトや、ERP(Enterprise Resources Planning )刷新支援・CRM(Customer Relationship Management)導入支援、営業プロセス・体制改革プロジェクトなど、さまざまな案件を担当しました。

――NECとの出合いはどのようなものでしたか。

真貴田:「NECがDX関連のコンサルタントを探している」とエージェントから聞きました。ちょうどコンサルティングファームでの経験も生かしつつ、自分の可能性をさらに広げてみたくなり、新しいキャリアが形成できる環境を探している時でした。

エージェントを通して詳しく聞き、SIerのイメージがあるNECでコンサルタントの採用を強化するのは最初意外に感じましたが、チームも立ち上げ期ということで、チャレンジの機会がありそうだと感じて入社を決めました。

NECには技術面での強みがあることも決断の後押しになりました。元々、ネットワークやAI(人工知能)・生体認証の技術などに強いのは知っていたので、クライアントのDX推進においても大きな強みになるだろうと感じました。

――コンサルタントとしてのキャリアをさらに積み上げるため、NECに入ったのですね。馬さんも経歴や入社の経緯を教えてください。

:私は中国天津の師範大学経済学部出身で、2011年の春に日本の大学院に進学するため来日しました。大学院ではマーケティングを専攻し、2014年に新卒で精密機器メーカーへ就職。海外営業職として北米と豪州の販売子会社を6年間担当してきましたが、自分の可能性を広げたいなと感じるようになり一橋大学でMBA取得を目指しました。

MBAで経営の知識を身に付けたことと、三枝匡先生(*)をはじめ、コンサル業界の第一線で活躍されてきた先生が多く在籍していたこともあり、コンサルタントとしてのキャリアを思い描くようになりました。

コンサルの業界研究を重ねる中で「NECのDXコンサルタント」という求人を見つけ、深く調べていくうちに「ITを駆使してクライアントに価値提供できる技術的な強み」と「NECで働く人の魅力」に引かれ、ここで次のキャリアを歩んでいきたいと思うようになったのです。

――「ITを駆使してクライアントに価値提供できる技術的な強み」と「NECで働く人の魅力」についてもう少し詳しく教えてください。

:インターネットや検索エンジンが普及したことで、知識や情報はクライアントも入手可能になりました。調べれば分かるようなことを伝えるだけでは、価値提供とはいえません。その点、NECには他社が容易に追随できないAI、IoT、顔認証など技術的なアセットがあるので、クライアントへの価値提供を続けられると感じました。

NECの面接官が登壇したインタビューで「NECは大きく変革しようというタイミングで、我々は必ず成功すると信じている。変革の熱い志を持つ方と一緒にいい仕事をしたい」というメッセージに引かれました。

*ミスミグループ本社名誉会長。第2期創業者。一橋大学大学院客員教授。

description 馬氏

未経験者、経験者両方に向けたコンサルティング研修とeラーニングで、学ぶ姿勢をサポート

――馬さんはコンサルタント未経験での入社でしたが、研修制度や未経験者へのフォローについても教えていただけますか。

:入社直後にDX Organizer Program(以下、DOP)研修があり、プレゼンテーションやファシリテーション、ドキュメンテーションといったコンサルの基礎スキルを身に付けていきます。座学とグループワークによる実践で、同期や講師からのフィードバックが得られるので、どんどん実践力を付けることができました。

続けて、コンサル提案やDX戦略プロジェクトワークをはじめとした実践的なグループワークやプレゼントレーニングなどのプログラムも用意されていて、これらの研修を受けたことでコンサルタントとしての業務にもスムーズに入っていくことができました。

こうしたコンサルティングスキル以外にも、仮説思考などコンサル的な思考法に触れたことで、自分自身の能力をどんどん高めていきたいと考えるようになり、今でも多くの本を読んでいますし、コンサルとして学び続けられる素地ができたと感じています。

――コンサルタント未経験でもスムーズに業務へ入っていけるのは心強いですね。真貴田さんはコンサルティングファーム出身ですが、改めて学ぶ機会などはありますか。

真貴田:NECが設けている学びの機会と、自分たちで運営している勉強会についてお話しします。

NECでは、動画学習サービス「LinkedInラーニング」を全社員が利用できます。ここでは、コンサルティングスキルだけでなくマーケティングやビジネススキル、さらにはテクノロジーやプログラミングにまつわる知見にも、自分の興味関心や必要に応じて触れることができます。

それから、馬さんが話してくれたDOP研修を経験者向けに深めたアドバンスドなプログラムがあります。私も現在受講していますが、クライアント企業に協力してもらい、ある事業の課題に対してリサーチやヒアリングによって仮説を立て、解決の方向性・施策を検討・立案する内容です。

マーケティングを中心に、これまであまり関わっていなかった領域などでも、座学ではなく実践的に自分で考え、チームで議論しながら進めていく形式です。

またDX戦略コンサルティング事業部内での自発的な勉強会もあります。事業部内でもそれぞれ専門領域は異なるため、各自の知見や事例を横展開する機会として機能しています。

:私も以前勉強会に参加しました。参加メンバーの発言も多く、意見交換も活発に行われている印象でした。同じ領域で仕事を続けているとどうしても視野が狭くなってしまいますが、他の領域で今起きていることや最新の事例を知ることで視野を広く保つこともでき、シナジーも生まれていると感じています。

新しい知識を貪欲に吸収する姿勢がある人、積極的にプロジェクトに関われる人と働きたい

――どのようなスキルやマインドを持った人と一緒に働きたいですか。

:自分自身やクライアントを“変革させたい”と考えている人と、一緒に働きたいですね。新しい知識を貪欲に吸収して、コンサルタントとしてキャリアを積んでいきたい人にはぴったりの場所だと考えます。

真貴田:コンサル経験やシステムに対する知識はあるに越したことはありませんが、やはり私が一緒に働くメンバーに求めたいのは人柄です。

チームのメンバーやクライアントと柔軟にコミュニケーションが取れる人や、プロジェクトに積極的な姿勢で関わり、クライアントの変革を自分事として捉え、周りの人を巻き込みながら動ける人はDX戦略コンサルティング事業部に適していますね。

コンサルティングファームでもDX戦略やDX人材育成はテーマとして増えていると思いますが、NECにはそれを支えるプロダクトやテクノロジーがあります。この強みを武器に変え、自分で考えながら手を動かせる人には良いチャレンジの場になるはずです。

description 馬氏(写真左)と真貴田氏

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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