大手ファーム以外も選択肢に!ワークライフバランスを実現するブティックファーム

2025/12/10
#コンサル転職事情

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コンサルティング業界への転職ではMBBやBig4が注目されがちだが、ワークライフバランスやハイスピードな成長など柔軟性の高いキャリアデザインを望む人には、少数精鋭で案件に臨む「ブティックファーム」という選択肢もある。

今回は、2023年に創業された株式会社BiT&CompanyのCEO宮本駿氏にインタビューを実施。大手ファームとブティックファームでの働き方やキャリアデザインの違いについて聞いた。

<Profile>
宮本駿 (みやもと・しゅん)
株式会社BiT&Company CEO
慶應義塾大学法学部を卒業後、ベイカレントコンサルティング、KPMG FASを経てBiT&Companyを創業。IT/DX、BPR/業務標準化、DD領域のコンサルティングを得意とする。主に通信、人材、航空、製造、小売業界のプロジェクトに従事。

※内容や肩書は、取材を行った2025年11月時点の情報です。

ブティックファームという選択肢

ーー最近キャリアの選択肢として挙がることも多い「ブティックファーム」ですが、どんな会社をイメージすると良いでしょうか。

宮本:基本的には「小規模の新興コンサルティングファーム」を指す言葉だと考えています。

小規模なので、大手のようにほぼ全方位に一定の実績があるというよりは、顧客基盤やメンバーのバックグラウンドによって強い領域とそうではない領域が生じます。プロジェクト体制も、大手と比べると少人数となりますが、その分だけクライアントフェイシングの機会が多いです。

また少人数な分、経営陣のカラーも出やすいです。そういう意味で、カルチャーフィットの見極めが大事になるのがブティックファームです。(具体的な働き方、プロジェクト体制などは「BiT&Companyでの具体的な働き方」の章にて紹介)

ただし、一口にブティックファームといっても、資本関係の有無によって随分とカラーが違うと考えています。 ファーム自体は中堅/小規模でも、上場している場合や大手の資本が入っている場合は、経営の自由度が大きく下がります。株主への利益還元が求められたり、グループ企業ならではのルール遵守を求められたりするからです。 そのため規模だけでなく、そのブティックファームの出資者や出資比率についても注目することをお勧めします。

ーー特にどんな人がブティックファームを検討しているのですか。

宮本:BiT&Companyに応募してくれる人の場合、「これからキャリアを伸ばしていきたい方」「良い意味で色々と気づいている方」が多いという印象です。

属性としては、大手コンサルティングファームにいる、35歳くらいまでの若い方が多いですね。大手ファームの課題や限界に気づき、違う環境を求めて応募したという話をよく聞きます。 「マネージャーのポストが全て埋まっている」「優秀とは言い難い人もマネージャー職に就いている」といった状況に気づき、「もっと自分が成長・活躍できる環境」を求めてブティックファームに目を向けているようです。

ーー現在の大手ファームの課題や難しさを表すような、具体的なエピソードがあれば教えてください。

宮本:実は、会社のビジョンを作る時に、コンサルの友人100人くらいにアンケートをとったんです。すると、マネージャーというポジションが「割が合わない」と思われていることが分かりました。

「マネージャー」という肩書きそのものは、今後の転職の「箔」にもなるので、相変わらず魅力的だと思われています。 しかし、メンバークラスの稼働管理が徹底される中で、その分までマネージャーが働いているというのが現状です。売り上げのノルマやデリバリ以外の業務なども重なり、「際限なく負荷がかかる」のが、現在のマネージャー職といえます。

また、シニアコンサルタント以下の人たちの中には、そういったマネージャーの姿を見ているからこそ、「マネージャーへの昇進を蹴った」という人もいます。 他にも、「負荷高く働かないと充分に価値を提供できないのに」と思いながら、それができない環境にもどかしさを感じているという話も耳にします。

BiT&Companyでの具体的な働き方

ーーコンサルの働き方はプロジェクト体制や座組みの影響が大きいですが、BiT&Companyはどのような体制なのでしょうか。

宮本:大手ファームだと大規模プロジェクトも珍しくないですが、BiT&Companyでは少人数プロジェクトが中心なので、クライアントフェイシングの機会が多いことが特長です。これは、大手との大きな違いだと思っており、1人1人のコンサルスキルを伸ばすために、意図してクライアントの前で話す機会を作っています。

BiT&Companyの場合、プロジェクトには1〜4人で取り組むケースが多く、4人の場合だとディレクター1人、マネージャー1人、コンサル2名という体制です。 ディレクターは現場メンバーへのアドバイザーとして入っているため各メンバーの裁量があり、多重構造化していないので、自らの仮説やアウトプットをクライアントに提示する機会も多いです。クライアントの相談を一次情報として得られることも多いので、メンバークラスであってもやりがいを感じやすい環境だと考えています。

無用なメンバー拡充がないからこそ、一人ひとりがプロジェクトで果たす役割や責任も大きいです。大手ファームのように、あまりプロジェクトに影響しない役割はありません。

ーーBiT&Companyは、その人ごとのワークライフバランスを大切にしていると聞きましたが、どのような働き方の人がいるのでしょうか。

宮本:大きく2タイプに分かれます。「18〜19時までに仕事を終えるタイプ」と「自分の可能性を広げるためにも、がむしゃらに働きたいタイプ」です。 どちらにも対応できるのが、BiT&Companyの良いところだと考えています。

前者のタイプはイメージしやすいと思いますが、最近は後者も少なくないです。大手だとインダストリーや領域で切られてしまいますが、BiT&Companyでは、そうした縦割りでのアサインをしません。 むしろ入社前から「中長期のキャリアを考えて、この領域にもチャレンジした方が良いのでは」と話し合い、積極的なチャレンジを後押ししています。

ーー各人にとってベストなワークライフバランスを実現するための制度などはあるのですか。

宮本:クライアントも社員も気持ちよく働けるように、3つの点を心がけています。

第一に、クライアントときちんとスコープを握ることを徹底しています。役割分担はもちろんのこと、稼働量なども予め擦り合わせ、意図せぬ過重労働が発生しないようにしています。

第二に、社員ともきちんと働き方やスコープを擦り合わせています。「どんな機会を求めているのか」「どんな働き方を志向しているのか」を確認し、アサインとのミスマッチが起こらないようにしています。

そして最後に、「選択肢がない長時間労働」にならないよう、クライアントと社員双方への定期的な目配りを徹底しています。クライアントからの要望が過剰な時にはディレクターやマネージャーからクライアントに声がけをしますし、長く働いている社員には「本当に自分で望んで働いているのか」を確認しています。

ーー労働環境と年収は両立しないというイメージもありますが、そうではないのですか。

宮本:もちろん単価が高い方が、会社として売り上げは増えます。しかし、それが社員の報酬に充てられるかと言うと、別問題だと考えています。

BiT&Companyの場合は、外部資本を入れないことで、より多くの利益を社員に還元できるようにしています。また、地道な取り組みではありますが、オフィスや販管費といった間接コストや、経験者を採用することでアベイラブルのリスクフィーを最小化するよう心がけています。

ただ、結局は「経営陣が私利私欲に走らないこと」が大事だと思っています。特に、BiT&Companyのようなプライベートカンパニーの場合、経営者の考え方が労働環境や報酬に大きく影響します。

ーーCEO目線で、自社の文化で「気に入っているところ」と「要改善」と思っているところを教えてください。

宮本:「意見やアイデアが言いやすい雰囲気・関係性」を実現できている点が、非常に良いなと思っています。

そのおかげで、社員の起案で新規事業ができています。人材紹介、SES、生成AIのツールなどの事業が提案され、BiT&Companyのカラーと整合性をとりながら事業として立ち上がっています。 個人発信がしやすく、その実現を全社で後押しするという文化の証左だと思っています。

今後は、メンバークラスの人たちが「自分で案件を作る」というチャレンジをもっと後押ししていきたいと思っています。今でも機会は作っていますが、より場数を増やし、かつ提案を受けるクライアントにも失礼にならないよう、質の面でもしっかりとサポートを強化したいです。

大手では実現できない理由

ーー「その人にとってベストなワークライフバランス」というのは、働く人すべてが求めるものだと思います。大手でそれが実現できない理由はどこにあるのでしょうか。

宮本:複合的な理由だとは思いますが、大手ファームの場合、海外本社の指示や上場企業としての規制が入ります。そのため、個々人のベストを模索するというよりは、一律でルールを適用せざるを得ません。

加えて、大手ファームの場合はクライアントに提示している単価が高いことも挙げられると思います。単価が高くなればクライアントの期待値も高くなるので、「長く働いている」「納品物の量が多い」など、物量で価値を示すことも必要になりやすいです。 そもそもスコープの握りが甘く、ゴールラインがはっきりしないまま次々と納品物を積み重ねていくようなプロジェクトもあります。

また、社員数やプロジェクト参画人数も多いからこそ、マネジメント層が個々人のワークライフバランスやキャリアに関心を持ちにくいという側面もあるかと思います。上司が少し上の世代の人だと、そもそもワークライフバランスを重要視していないケースもまだ残っていると聞いています。

ーーただ、ブティックファームならどこでも柔軟に自分のワークライフバランスを設計できるという訳でもないのですよね。

宮本:ブティックファームであっても、最近は大企業の資本が入っていたり、グループ会社になっていたりというケースも多いです。そうすると、働きやすさへの投資、あるいは機会提供や報酬についても社内では意思決定できなくなります。

もちろん、プライベートカンパニーだからといって社員還元を重視しているとは限りません。 しかし、経営の自由度が高く、経営者が「個々人のワークライフバランスや報酬を重視したい」と思った時にそれが実現できるのは、プライベートカンパニーだからだと考えています。

転職を検討されている方へのメッセージ

ーー転職を考えている方がコンサルティングファームを選ぶに当たって、見極める時のポイントなどはありますか?

宮本:どのファームも特長があるので、一律で「どこが良い/悪い」というものではないと思っています。 自分がどんなキャリアを積み上げてきて、どんなビジョンを持っているのか。その棚おろしをした上で「自分に合った場所を選ぶべき」というのが、当たり前の話ではあるものの、大前提です。

その上で、コンサルティングファームで3年以上の経験がある人であれば、裁量を持って動ける環境、自分が入りたい領域・業界に取り組める会社を選ぶことをお勧めしたいです。 また、今後も収入やケイパビリティを伸ばしていける環境なのか、そのための制度があるのかは、きちんと見極めておくと良いかと思います。

そして、先ほども触れたように、ブティックファームを検討する場合は、経営者の考え方やカルチャーフィットを見極めることも重要です。 大手であれば、経営者の考えは会社の文化や雰囲気にそれほど影響しません。しかし、ブティックファームの場合は経営者の思想が大きく反映されているからこそ、入社前に経営陣と話す機会を設けることをお勧めします。

ーーBiT&Companyの代表として、ぜひコンサルティングファームを検討されている方にメッセージをお願いします。

宮本:私は個人的に、コンサルティングという仕事は素晴らしいものだと思っています。本質的な課題に向き合う仕事であり、目の前の成果に貪欲であることが賞賛される仕事でもあるからです。 だからこそ、個々人のキャリアを伸ばしつつ、企業や業界全体に良い影響を生み出す、そんな会社を作っていきたいと考えています。

一定以上の報酬を得ながら、チャレンジングであり、またクライアントへの貢献実感が得られる環境。さらには中長期でも使えるビジネス戦闘力を身に付け、かつ人間としても成長できる。BiT&Companyはそんな環境だと自負しています。

まだまだ数十名規模の小さな会社ではありますが、だからこそ「誰かの力を借りながらでも成長したい」という自らの成長に前向きな方には、多くの機会を提供できる環境です。 BiT&Companyでは、キャリアだけでなく、人生全体を俯瞰したキャリアデザインという価値観を大事にしています。一緒に働く中で、色々な選択肢に気づき、醸成できればと思っています。

コラム作成者
外資就活ネクスト編集部
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