コンサル業界完全ガイド|種類・年収レンジ・転職ルートを中途目線で解説

「コンサル」と一口に言っても、戦略・総合・IT・シンクタンク・FASなど中身は大きく異なり、求められる経験も年収も転職ルートも変わります。本記事では、コンサルティング業界の種類と全体像・年収レンジ・中途での入り方とキャリアパスを、転職(中途)目線で整理します。あわせて、外資就活ネクスト(Liiga)会員の転職注目度データから見えるファーム各社の勢力図も紹介します。
※年収は各社の有価証券報告書(記載年度を明記)に基づきます。志望データは外資就活ドットコム登録者の集計で、業界全体の動向を必ずしも示すものではありません。
コンサルティング業界とは?──5つの種類と全体像
コンサルティングとは、企業などが抱える経営課題に対し、外部の専門家として解決策を立案・実行支援する仕事です。ひとくくりに「コンサル」と呼ばれますが、扱うテーマや支援の深さによって、大きく次の5系統に分けて捉えると理解しやすくなります。
| 種類 | 主なテーマ | 代表的なファーム | 中途での入りやすさ |
|---|---|---|---|
| 戦略系 | 全社戦略・新規事業・M&A戦略 | マッキンゼー、BCG、ベイン、A.T.カーニー、ローランド・ベルガー、ADL | 狭き門(地頭・論理性重視) |
| 総合系 | 戦略〜業務・IT・実行まで一気通貫 | アクセンチュア、BIG4(デロイト・PwC・KPMG・EY)、アビーム、ベイカレント | 採用数が多く門戸は広め |
| IT系 | DX・システム構想・導入支援 | アクセンチュア、日本IBM、フューチャー | IT経験者は評価されやすい |
| シンクタンク系 | 調査・政策提言+ITソリューション | 野村総合研究所、三菱総合研究所、日本総合研究所 | 専門性・研究職経験が活きる |
| 財務・FAS系 | M&A・財務DD・企業再生 | BIG4系FAS、専門ブティック | 会計・財務の実務経験が鍵 |
「戦略コンサル=コンサルの全て」ではありません。実際には総合系・IT系の採用ボリュームが圧倒的に大きく、事業会社出身者が中途で最初に検討しやすいのはこの領域です。まずは自分の経験(業界知識・IT・財務・特定機能)が、どの系統で武器になるかを見極めることが出発点になります。
【独自データ】外資就活ネクスト会員の「転職注目度」ランキング
各ファームが転職市場でどれだけ注目されているかを、外資就活グループの中途向けサービス「外資就活ネクスト(Liiga)」の会員フォローデータで見てみましょう。会員が「フォロー(注目)」しているコンサル系ファームの序列は、以下のとおりです。
| 順位 | ファーム | 系統 | フォロー数 |
|---|---|---|---|
| 1 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 戦略(MBB) | 2,342 |
| 2 | PwCコンサルティング | 総合 | 1,690 |
| 3 | ローランド・ベルガー | 戦略(欧州系) | 1,621 |
| 4 | アクセンチュア | 総合/IT | 1,307 |
| 5 | KPMGコンサルティング | 総合 | 1,157 |
| 6 | ボストン コンサルティング グループ(BCG) | 戦略(MBB) | 984 |
| 7 | 野村総合研究所(NRI) | シンクタンク/IT | 921 |
| 8 | A.T.カーニー | 戦略 | 436 |
| 9 | ベイン・アンド・カンパニー | 戦略(MBB) | 360 |
| 10 | ベイカレント・コンサルティング | 総合(日系) | 148 |
| 11 | アビームコンサルティング | 総合 | 95 |
※外資就活ネクスト(Liiga)会員のフォローデータに基づく集計。転職市場での注目度を示すもので、採用数や優劣を示すものではありません。
中途市場で強い注目を集めるのは、MBB(マッキンゼー・BCG・ベイン)と大手総合コンサル(PwC・アクセンチュア・KPMG)、そして戦略ブティックのローランド・ベルガーです。新卒の就職人気ではアクセンチュアやNRIが上位に来ますが、経験者採用(中途)市場では戦略系ファームやブティックへの注目度が相対的に高いのが特徴です。
コンサル業界の年収レンジ(中途目線)
コンサル業界は、事業会社と比べて年収水準が高いことで知られます。上場しているファームの有価証券報告書からは、次のような平均年収が確認できます(いずれも全社員平均で、コンサルタント職に限った数字ではありません)。
- 野村総合研究所:平均年間給与 1,322万円(2025年3月期・平均年齢39.9歳)
- ベイカレント:平均年間給与 約1,350万円(2025年2月期・平均年齢31.2歳)
役職(タイトル)が上がるごとに年収が大きく伸びるのがコンサルの特徴で、一般にアナリスト/コンサルタント → シニアコンサルタント → マネージャー → シニアマネージャー → パートナーと昇格し、マネージャー以上で1,500万円以上、パートナーで数千万円規模に達するケースもあります。ただしファーム・職位・評価によって差が大きいため、個別ファームの詳細な年収は別記事で扱います。ここでは「事業会社より高水準だが、成果と昇格が前提」という全体像を押さえてください。
中途採用の実態と、コンサルに向いている人
コンサルの中途採用は、新卒より門戸が広いのが実態です。とくに総合系・IT系は事業拡大に伴う採用が続いており、事業会社での実務経験(業界知識・IT・財務・特定機能の専門性)がそのまま評価対象になります。一方、戦略系は中途でもケース面接での論理性・地頭が厳しく問われ、狭き門である点は変わりません。
向いている人の傾向
- 構造的に考え、結論から簡潔に伝えられる
- 短期間で新しい業界・テーマをキャッチアップできる
- 成果に対する評価と、それに伴う昇格・年収変動を受け入れられる
- 事業会社での「一つの武器(専門性)」を持っている(中途では特に重要)
選考では、職務経歴書での実績の言語化に加え、多くのファームでケース面接やフェルミ推定が課されます。中途での出題実態は、別記事の選考対策も参考にしてください。
コンサルタントのキャリアパス──どこから入り、どこへ出るか
コンサルは「ゴール」ではなく「経由地」として選ばれることも多い職種です。中途でのキャリアの入口と出口を整理すると、次のようになります。
入口(どこから入るか)
事業会社(メーカー・金融・IT・商社など)から総合系・IT系へ、というルートが中途では最も一般的です。SIerやIT部門の経験者はITコンサルへ、会計・財務の実務者はFAS系へ、研究職・専門職はシンクタンク系へ、とこれまでの専門性が入口を決める傾向があります。
出口(どこへ出るか)
コンサル経験者の主な転職先は、事業会社の経営企画・事業開発、PEファンド・投資領域、スタートアップの経営幹部(CxO)、独立・起業など多岐にわたります。「課題を構造化し、実行までやり切る」経験は、次のキャリアで市場価値になりやすいのが強みです。
まとめ|職種別の求人からキャリアを具体化する
コンサル業界は「戦略・総合・IT・シンクタンク・FAS」で中身が大きく異なり、中途では自分の専門性が武器になる系統を選ぶことが成功の鍵です。次のステップとして、系統別の求人・年収・募集ファームを具体的に見ていきましょう。
▶ あわせて読みたい:総合コンサルとは?戦略コンサルとの違い・求められるスキルと転職