キャリアに悩んだとき、利用を迷うのが転職エージェント。キャリア相談や求人紹介、選考支援が「役に立った」という意見がある一方、「足かせになった」といった声もゼロではありません。
「Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方」シリーズでは、転職エージェントを有効活用してキャリアを築いてきたLiiga会員に、利用のメリットや選び方・見極め方のポイントを語ってもらいました。
今回は広告業界で活躍するKさんのインタビューです。
シリーズ記事一覧(押すと開きます)
- (1) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~金融業界編
- (2) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~広告業界編
- (3) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~コンサル業界編
- (4) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~IT/インターネット業界編
【Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~シリーズ記事一覧】
転職エージェント利用のきっかけとメリット、現在の活用状況
Q. まずは、ご自身の経歴を簡単に教えてください。
大手人材会社でキャリアをスタートし、その後はシステム開発会社や広告関連会社、デジタルマーケティング会社、メディアエージェンシーで従事しました。
現在は外資系の大手広告会社で、事業責任者として組織組成や新規ソリューション開発に取り組んでいます。
Q. はじめに転職エージェントを使おうと思ったきっかけは何でしたか?
あるエージェント会社の広告を見て「自分の市場価値を知りたい」と思ったことがきっかけです。
学生時代まで、私はプロ野球選手を目指していました。結果的にプロ野球の道は諦めたのですが、その際に「プロフェッショナルとして通用する社会人になろう」と心に決めました。だからこそ、社会人として常に「世の中全体で見たときに、自分はどれくらいのプレーヤーなのか」を意識していました。
そんな中で出会ったのが、エージェント会社の広告でした。『その年収、本当なの?』といったフレーズが書いてあったと思います。広告を目にして「自分の今の年収は適切なのか」「自分の市場価値を知りたい」と考え、転職エージェントに話を聞こうと思いました。
Q. 実際に利用して良かった点はありますか?
その時点での適正年収や将来の年収予測、将来のキャリア形成に必要なスキルを把握できたことが良かったです。
また「日々の業務もキャリアアップにつながっている」と考えるようになりました。
現業に励めば、自身のケイパビリティや経歴をアップデートできます。そうすれば昇進の可能性が高まることはもちろん、より良い転職機会も得られると考えています。
年収交渉をしやすい点もメリット
転職エージェント経由での応募は、直接応募と比べて以下の2点がメリットだと思います。
- 面接後などに、企業からのフィードバックを受けられる
- 年収交渉など、転職エージェントを介して企業と「駆け引き」ができる
なかでも私が魅力に感じているのは、年収交渉のしやすさです。年収は多くの求職者にとって重要なポイントだと思いますが、求職者から企業に話しづらい内容です。だからこそ、転職エージェントを介して交渉できるのは大きなメリットです。
特に、ある程度の経験や実績を積んでいる人なら、自分を安売りしないためにも転職エージェント経由での応募が良いと思います。
Q. 現在は、どのように転職エージェントを利用していますか?
現状では「積極的に転職したい」とは考えていませんが、スカウトで興味のある情報が届いたときには面談をしています。
「機会に応じて自分をどう成長させていけるか」が私にとっては重要であり、年収アップや新しい経験を得る機会があれば、転職も検討するつもりです。
「求職者にとって良い転職エージェント」の見極め方
Q. これまで何人の転職エージェントを利用してきましたか?
過去の転職では毎回5人程度と面談し、その中でも良かった人に選考以降のサポートをお願いしていました。複数利用をしてきたのは、転職エージェントごとに保有案件が異なるからです。
また、先ほどもお話しした通り、積極的に転職を検討していない時でも転職エージェントと面談をすることがあります。
Q. これまでで「最も良かった」と思う転職エージェントについて教えてください。
一番良かったのは、30代前半の転職でお世話になったエージェントです。
「転職は怖いけれど、怖いもの見たさで自分の市場価値を知りたいし、年収も高めたい」という私の気持ちに寄り添って話をしてくれました。
また、その人はさまざまなデータをもとに「私の現状の適正年収はどれくらいか」「同じ業界・職種で大手企業に勤めた場合、将来的にどれくらいの年収になるか」といった情報を示してくれました。適正年収や将来的に期待できる年収を客観的に、しかも個別カスタマイズして提示してもらったことに、とても感動しました。
Q. 反対に「良くなかった」と思う転職エージェントについて教えてください。
以下のような転職エージェントには、不満を覚えました。
- ベルトコンベア式に、ただ求人を横流ししてくる
- こちらから確認しないと選考結果を教えてくれない
ただ求人を横流ししてくるような人は、紹介する求人に関して転職エージェント自身の考えをもっていません。それならAIやWeb検索のほうがスムーズに事が進みますし、転職エージェントの介在価値もないと思います。
また、こちらから連絡をしないと選考結果を教えてくれないような人も、お付き合いする価値を感じません。
Q. 「求職者にとって良い転職エージェント」の見極めポイントは何だと思いますか?
私が考える「良い転職エージェント」とは、以下のような人です。
- 採用企業をグリップできている
- 「企業課題と求職者のスキル・経験がどうマッチするか」を正確に把握し、論理的に説明できる
採用企業をグリップできる転職エージェントは、企業担当者と信頼関係を築き、企業の内情をきちんと把握しています。また、内情を把握した上で企業と求職者をマッチングしているので、選考通過率が高く、転職エージェントとして実績を挙げている人が多いです。
採用企業をグリップできているかは、面談をすれば分かります。企業の内情を詳しく理解しているのか、ただ伝書鳩のように情報を流しているだけなのか、話を聞いて判断しましょう。
もう一つ重要なのが「企業課題や求職者のスキル・経験を正確に把握して求人を紹介しているか」です。「この企業の〇〇部署はこんな課題を抱えています。そのソリューションとしてあなたの△△スキルが役立つと思います」と、採用の可能性を理論立てて説明してくれる人を選ぶと良いでしょう。
「面談するかどうか」は外部評価や経歴で判断
気になる転職エージェントがいたり、スカウトが届いたりした場合、私は転職エージェントの外部評価や経歴をチェックして「面談するか否か」を決めています。
人材サービスの中には、転職エージェントを独自基準で評価していたり、Liigaのように口コミ評価を公開していたりするものがあります。また、転職エージェントのプロフィールも、Liigaを含め多くの人材サービスで公開されています。これらの情報を見て、私は信頼できそうな転職エージェントと面談するようにしています。
Q. 広告業界ならではの見極めポイントは何だと思いますか?
広告業界に限った話ではありませんが、エージェント自身に広告業界での経験があると良いでしょう。
先ほどの話とも重なりますが、転職エージェントは企業課題や業界動向を正確に把握している人が望ましいです。広告業界の経験がある転職エージェントなら、企業と共通認識をもって話ができているでしょう。
広告業界は、主にクリエイター領域とデジタルマーケティング領域の2種類に分かれます。特に自分のやりたい領域に関して実務経験がある転職エージェントを選ぶと良いでしょう。
業界経験の有無は、転職エージェントのプロフィールを調べれば分かります。
Liigaを活用した転職エージェント探しのポイント
Q. Liigaのエージェントページで便利だと思う点を教えてください。

※Liigaのエージェントトップページより
「あなたの希望職種に強いエージェント」など、レコメンド仕様になっている点が良いと思います。また、口コミの5段階評価が☆マークで表示されているのが分かりやすいです。レコメンドで出てきた人の中から、評価の高い人をクリックしたくなります。
Q. Liigaのエージェントクチコミは、どのように参考にしていますか?

※実際のエージェントクチコミ投稿より
基本的には、良い口コミだけを見るようにしています。
良い口コミの中で注目しているのは「その情報が確からしいか」という点です。たとえば、似たような内容の評価(コメント)が複数あれば、それは事実である可能性が高いでしょう。
悪い口コミは、あまり見ないようにしています。人によって転職エージェントに対する見方は異なり、悪い評価だからと言ってその人の見方が私やその他大勢の人と同じとは限らないからです。
まとめ~Kさんの転職エージェント活用術
Kさんは、これまで転職エージェントも活用しながら、広告業界でキャリアアップを実現されてきました。また、より良いキャリア構築に向けて、現在も転職エージェントと面談をされています。
今回Kさんが転職エージェントの見極め方や活用方法として教えてくださった主なポイントは、以下の通りです。
- 転職エージェントは自分の市場価値や将来的な年収予測の把握に役立つ
- 年収交渉をしやすいのも、転職エージェントならではのメリット
→特に、実績を積んでからは自らを安売りしないためにも利用がおすすめ - 見極めでは「採用企業をグリップできているか」が一つのポイント
→きちんと企業の内情を把握しているか、面談で判断 - 企業課題と「求職者のどのようなスキル・経験が企業の課題解決に役立つか」の関連性を説明できる転職エージェントが望ましい
- 広告業界への転職なら、広告業界の実務経験がある転職エージェントを選ぶのがおすすめ
- 口コミでは「同じような内容の投稿が複数あるか」で信憑性を見極める
Kさんの転職エージェント活用術を参考に、ぜひ自分に合った転職エージェントを見極め、より良いキャリアを構築しましょう。
- (1) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~金融業界編
- (2) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~広告業界編
- (3) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~コンサル業界編
- (4) Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方~IT/インターネット業界編
【Liiga会員に聞く!転職エージェントを使ったキャリアの築き方 シリーズ記事一覧】